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なぜ今、ヒアルロン酸なのか?

当院では、昨年から、ヒアルロン酸注射に注目しています。

ヒアルロン酸注射自体は2003年ごろから行われ、決して新しい治療ではないので、「なんで今更ヒアルロン酸注射なのか??」と疑問に思われる方も多いかもしれません。

それには3点理由があります。

1つはヒアルロン酸注射の性能の上昇、高い安全性のため、欧米でヒアルロン酸注射がfiller(充填材)の中心的な役割を果たすようになってきたからです。

美容医療においてfiller(充填材)は欠かせないものです。
加齢に伴う、皮膚のボリュームのロスを補うには何らかの充填材が必要になるためです。

その充填材にはざまざまなものがあります。
・シリコンなどの半永久的なもの
・コラーゲン
・ハイドロキシアパタイト
・脂肪
・ヒアルロン酸などが一般的です。

それらの中で、ヒアルロン酸のみが、即溶解可能です。
即溶解可能である、ということは安全性において極めて重要な意味を持ちます。

これら充填材における最大の副作用は、誤って血管に注入することによる血管閉塞です。血管閉塞が起こると皮膚に潰瘍ができたり最悪の場合、失明することがあります。

そのため、血管閉塞が疑われたらすぐに注入したものを溶解する必要があるのですが、ヒアルロン酸以外の場合だと、溶解することができないので、本当にどうしようもない、ということになります。綺麗になるための治療で、皮膚に潰瘍、瘢痕ができたのではお話になりません。

それらの点から、欧米の学会では、fillerはヒアルロン酸を中心にしましょう、

ヒアルロン酸注射に注目している2つ目の点は、手術をせずに、メスを使わずに若返りたい、という希望が世界中で増えているからです。先進国では美容外科手術は頭打ちになる一方、手術を伴い若返り医療は拡大を続けています。

もう一つヒアルロン酸注射が注目されている理由として、その使用方法の進化があります。
2000年代は単にシワの治療に使われていました。
2010年以降はたるみの治療に使われるようになりました。
2017年現在、自然な若返り治療として用いられるようになりつつあります。

これらの使用目的の拡大から、ヒアルロン酸注射は、欧米の皮膚科医の間でも最重要な治療法のひとつとして再注目されています。日本でも近々、そうなるのが必然であると予想しています。

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