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ふけをきたす疾患

 ふけが気になるというお問い合わせが増えていますのでお答えしたいと思います。
ふけをきたす疾患は
湿疹
脂漏性湿疹
接触皮膚炎(かぶれ)
アトピー性皮膚炎
などの湿疹群
尋常性乾癬
などの炎症性角化症
頭部白癬
などの真菌症
が代表的かと思われますが、ふけを訴えてご来院される方の多くは、湿疹、もしくは脂漏性湿疹の方です。
 頭部湿疹と頭部脂漏性湿疹の違いですが、頭部脂漏性皮膚炎は男性に多く、生え際多く、境界明瞭(どこからどこまでが病変部かはっきりしている)で、痒みが少ないのが特徴です。
 それに対して湿疹は、性差はなく、境界が不明瞭で痒みが強いのが特徴です。
原因としては、脂漏性皮膚炎はMalassezia furfurという菌が関与しているという説がありますが、感染症と考えるのではなく、あくまで湿疹の一種と考えていただきたいと思います。Malassezia furfurが補体と呼ばれる免疫物質を活性化させるため、皮膚炎が増悪するとも言われています。治療はステロイドの外用薬や、Malassezia furfurの増殖を抑える抗真菌薬の外用を行います。
 湿疹の原因としては、シャンプーの洗い残しやすすぎ残しや、シャンプーのときに爪を立てて擦ることにより頭皮が傷みシャンプーそのものの刺激を受けること、頭を洗わないために不潔になってしまうこと、ヘルメットや帽子などで頭皮が蒸れた時間が長時間続きさらに摩擦が加わること、髪の毛が非常に豊かで頭皮が常に蒸れていて外からの刺激に弱くなっていること、寝ているときに枕と擦れること、など様々です。特に気を付けていただきたいのが、ふけがあるからと言って、ごしごしと爪を立てて頭を洗うことです。そうすれば頭皮が痛み外からの刺激を受けやすくなったり、表皮細胞からサイトカインが放出されることで湿疹は必ずと言っていいほど増悪します。シャンプーをしっかり泡立ててから、指の腹で優しく頭皮を洗っていただきたいと思います。
 春~夏であれば、若い方や汗のかきやすい方は毎日、そうでない方は2日に1回程度の洗髪が望ましいと考えています。

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