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化膿性汗腺炎の治療法

化膿性感染炎のための単一の効果的な治療や治療法はありません。唯一の評価が確立された方法は重度の化膿性感染炎(ハーレーステージIII)のための外科的手術療法で幅広く行われています。化膿性汗腺炎の治療は、食べ物などの生活習慣、医療、手術の戦略と、創部に対して穏やかで傷つけないケアが必要です。
化膿性感染炎のケアは、一般的に経験に基づいて行われ、盲検試験の証拠を欠いています。
まず日常生活においては、病変部は穏やかに洗い衛生的に保つ必要があります。臭気があるところでは、トリクロサン(抗菌剤)が付いている防腐剤の洗剤は使用してもいいでしょう。タオルなどを使わず手だけで病変部を洗う事が大事です。病変部は摩擦や刺激を避けます。
病変がある部位は、外傷、熱、湿気、発汗および摩擦を避けるといいでしょう。それらにより毛包閉塞と毛包破裂をある程度避ける事ができます。あまりタイトでない風通しの良い衣類を身に着けるようにしましょう。またタイトな衣類または合成線維を使った衣類を避けたほうがいいでしょう。更に病変をつねったり圧迫しないようにしましょう。そして理想的な体重にダイエットすることも大事です。加えて生理用品やタンポンにもこだわり、喫煙を中止しましょう。すべてのタバコ・ニコチン代替品もやめましょう。
治療は、病変の種類・ハーレーのステージ・フレア(急性増悪)の頻度と患者様の目標によって異なります。新しい病変の予防を目指し、そして病気の活動範囲と進行状況を最小限に食い止める事が重要です。

一般的な治療方は以下のような方法です。

教育・支援

■環境の改善
  • ・病変部の熱、発汗、肥満、摩擦を減らす。
  • ・ゆるい服、ボクサータイプの下着。
  • ・レーザー脱毛を行う、制汗剤を使う。

■乳製品の摂取を控える、低血糖負荷の食事に切り替える、太っている場合は減量する。喫煙をやめる

医療管理総論

ダイエットや栄養代謝管理は必須です。治療としては抗生物質の投与、ホルモンの調整、および免疫抑制薬(例えば、コルチコステロイド、シクロスポリン、生物学的製剤)。レチノール誘導体であるAcitretinとイソトレチノイン低用量療法は、穏やかな予防療法として、初期の化膿性汗腺炎の維持療法には検討する価値があります。

ハーレーステージ I

■クリンダマイシン1%ゲルを朝晩塗布

■抗生物質の内服の短いコース7–10日
  • ・テトラサイクリン系の場合:ドキシサイクリン(ビブラマイシン)内服, ミノサイクリン(ミノマイシン)内服
  • ・アモキシシリン/クラブラン酸(オーグメンチン)内服
  • ・クリンダマイシン内服

■亜鉛内服、病巣内トリアムシノロン(ケナコルト)注入、ミニunroofing(病変部を切開し開放する事)

ハーレーステージ II

以下の治療法を組み合わせて行います。
  • ・クリンダマイシン内服 + リファンピシン内服×3ヶ月、またはダプソン(DDS)内服
  • ・-病巣トリアムシノロン(ケナコルト局所注射)

■維持療法
  • ・テトラサイクリン系内服またはダプソン(DDS)内服
  • ・亜鉛内服

■瘢痕/瘻孔 (外科治療)
  • ・新しい病変に対してはミニunroofing(病変部を切開し開放する事)
  • ・すべてのアクティブな病変に対して広範囲にunroofing

ハーレーステージ III

以下の治療法を組み合わせて行います。
  • ・抗炎症剤(NSAIDSなど)の内服
  • ・抗生物質-クリンダマイシン + リファンピン
  • ・ステロイド-プレドニゾンの短期間の内服、トリアムシノロン(ケナコルトの局中)またはシクロスポリン(免疫抑制剤)の内服
  • ・生物製剤-TNF阻害剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト)、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体
  •  製剤(ウステキヌマブ)

■外科治療: unroofing、病変の完全切除(悪性腫瘍のように完全に取り切る)

食生活と代謝管理

乳製品の多量摂取と高血糖負荷の食事によって、遺伝的に毛包ユニットの感受性が高い人では毛包の閉塞が起こり、ニキビの場合と似たような機序で化膿性汗腺炎が発生します。肥満により化膿性汗腺炎が悪化するのは明らかで、減量は化膿性汗腺炎の優れた戦略の一部であると言えます。肥満手術も場合によっては有効です。肥満と化膿性汗腺炎の深い関係のため、医師は化膿性汗腺炎患者に包括的な食事管理をアドバイスする義務があり、乳製品摂取量を減らす事、低血糖負荷の食事、および減量へコミットメントするようにアドバイスするといいでしょう。持続的な栄養カウンセリングが必要になる場合もあります。

抗生物質

これらは効果については実は、それほど大規模な研究されていないが、化膿性汗腺炎のために広範囲に使用されています。これらの抗生物質は、化膿性汗腺炎の原因ではなく、あくまで炎症を抑えているに過ぎないとも言えます。日本では化膿性汗腺炎に対して抗生物質の投与のみで治療されている場合が多くありますが、それは明らかな誤りであると言えるでしょう。抗生物質はまた、臭気を軽減し、痛みを抑えることもあります。局所クリンダマイシン1%ゲルや経口抗生物質(ドキシサイクリン、ミノサイクリン、エリスロマイシン、アモキシシリン/プラスクラブ酸、リファンピシン、セファロスポリン、DDSその他)が使用されている。

アンドロゲン

酢酸シプロテロン(アンドロゲン受容体拮抗薬) エチニルエストラジオール50μ(エストロゲン受容体作動薬)と組み合わせる6ヶ月間の治療は、19ヶ月で24名のうち7名患者をクリアしたと報告されています。
フィナステリド5-10 mg/dは、通常、前立腺癌・前立腺肥大症・男性型脱毛症に使用され、海外では化膿性汗腺炎で使用されています。小児の場合は特によく反応しているが日本では使用するのは不可能でしょう。デュタステリドも当然、化膿性汗腺炎の治療に役立っていますが”オフラベル”です。男性と女性どちらも化膿性汗腺炎のクリアに役立っていますが、日本では女性に使用するのはおそらく不可能でしょう。両者は女性には催奇形性であるため、注意して使用する必要があります。経口避妊薬が考えられている場合、エチニルエストラジオールやドロスピレノンを含むものとスピロノラクトン50-100 mgを組み合わせることが好ましいとの報告があります。

免疫抑制薬

化膿性汗腺炎の患者は、重大な局地的炎症と高い免疫反応を持っています。過剰な免疫反応は、化膿性汗腺炎の病因そのもので、免疫抑制剤により治療を行うのは理にかなっています。これらは、病気そのものを完全に治すことはほとんどないが、障害を制御し、食事療法、代謝管理、抗生物質内服、および手術の補助と考えられています。
コルチコステロイドは局所と全身の炎症を軽減するため、炎症による症状を改善させるために使用されています。高用量の全身ステロイド投与は急性の化膿性汗腺炎の増悪症状に対して使用した場合、迅速に痛みと炎症を軽減させます。病巣ステロイド(少量のトリアムシノロンアセトニド5–10 mg/mL)は、急性の早期病変に注入することで迅速な解決に効果です。シクロスポリン(4-5mg/kg/day)は、いくつかの症例で役立つことが報告されています。メトトレキサートは、化膿性汗腺炎にうまく機能しないようです。

レチノイド(acitretinとイソトレチノイン)

レチノイドは催奇形性があるので注意が必要ですが、低用量で使用することで新しい毛孔閉塞を減らすのに有効です。
ハーレーのステージIIまたはIIIの化膿性汗腺炎の患者様に9–12ヶ月にわたってacitretin(平均用量0.6 mg/kg毎日)と局所療法のみて治療された12名の患者様すべてで改善が見られました。9名の患者は、治療の終了後6~45ヶ月の間、寛解を維持しました。
低用量のイソトレチノインによる治療は賛否両論ありますが、いくつかの症例で長期的な予防のために有用である事がわかっています。しかし場合によってはイソトレチノインの使用中にフレア(急性増悪)を引き起こす可能性もあります。
68症例を対象としたある研究では、23.5%は完全に病変はクリアになり、11症例は改善しましたが、29症例は効果なし、もしくは副作用またはその両方のため研究から脱落しています。

生物学的製剤

TNF阻害剤による治療とウステキヌマブは、ハーレーステージIIおよびIIIの化膿性汗腺炎の炎症を減らすのに有効です。HSの一部の患者は、1年間、TNF阻害薬で治療された場合、アダリムマブで平均21.5 ヶ月およびエタネルセプトで平均9.5 ヶ月の再発までの寛解期間が見られました。インフリキシマブは、痛みの強さと病気の重症度を改善させ、生活の質を向上させます。問題点としては、治療をやめるとすべての薬剤で再発が見られ、かつ、費用は高いです。

化膿性汗腺炎に対するアダリムマブ40mgの隔週投与は、大きな治験が行われており、非常に控えめな結果をもたらしています。ステージ I-III HSを持つ154名の大人がロードとアダリムマブの増加用量で治療された無作為化試験は、プラセボ(偽薬)では4%の臨床的な反応が見られたのに対して、アダリムマブでは58.9%の患者様に臨床的な反応が見られました。

皮下注射をされたウステキヌマブ、インターロイキン(IL)-12/23阻害剤は、中等度重度の難治性の化膿性汗腺炎のいくつかの患者で臨床的は反応が見られると報告されています。

生物学的製剤は、腫れ、炎症を減少させ、術前の排膿、unroofingと切除手術を簡素化しますが、瘻孔や、治療に耐性がある侵襲的増殖ゼラチンの量を減らしたりはしません。生物製剤は治療法ではなくあくまで対処療法であるということは知っておいた方がいいでしょう。改善が永続的であることは滅多になく基本的には再発します。そのため、生物学的製剤を使用したからと行って手術療法がなくなるというわけではないです。
これらの薬のリスク対ベネフィット比は未定です。生物学的製剤には耐性炎外陰膣炎を含む重要な副作用が報告されています。有効性、費用効果、および安全性は、他のHS治療を比較する研究が必要です。

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