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意外と難しい絆創膏の使い方

怪我をするとすぐに絆創膏を貼るという治療方法が思い浮かびかと思います。最近はハイドロコロイド素材の優れた絆創膏(キズパワーパッドなど)が出来てきており、治療の選択肢が広がっています。それ自体はとても良いことだと思いますが、使い方を失敗されて傷を悪化させる方もおられるので、意外と難しいのが絆創膏の使い方であると考えています。
まず、傷が汚れていたり、感染している場合(膿が出ていたり、黄褐色の壊死組織が付着していたり、周囲が赤く晴れ上がっていたり、悪臭がする場合)は絆創膏の使用をやめておいた方が良いと考えています。そういった場合に絆創膏を使用しますと、細菌を絆創膏の中に閉じ込めてしまうことで、細菌の繁殖を促し感染を悪化させてしまいますので注意が必要です。
また、すぐに絆創膏からつゆが漏れだしてきてしまう場合も、注意が必要です。その場合はこまめに絆創膏を取り替えるか、ガーゼなどのその他の治療に切り替えた方が無難です。つゆが漏れだしているということは絆創膏の吸水能を超えてしまっているということなので、傷がふやけてしまい、感染の原因となったり、傷の治りを悪くさせる原因となってしまいます。
また絆創膏をしていても多くの場合は定期的に(最低でも1〜3日に1回程度)はキズを石けんで洗う必要があります。
さらに、真皮より下の層にまで至る深い傷の場合はそもそも絆創膏の治療の適応外となります。
もちろんハイドロコロイド素材を含む絆創膏による治療は簡便で非常に良いものだと思うのですが、適応をきちんと選ぶのは意外と難しいように思います。迷う場合は、医療機関を受診された方が無難なように感じます。

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時々、手相が診断の役に立つことがあります。

時々、患者様の手相を拝見させていただき、診断の役に立てていることがあります。
そう聞くと、「なんだか怪しい医者だな」と思われるかもしれませんが、実際に役に立つ場合があります。
手のひらの、親指の付け根のあたりに、縦のシワが深く見える患者様がおられます。

その現象を、palmar hyperlinearityと呼びますが、フィラグリン異常を示す重要所見と言われています。
フィラグリンというのは天然保湿成分の一種で、そのフィラグリンに異常があると乾燥肌になりやすく、バリア機能が低下し、その結果、アトピー性皮膚炎や尋常性魚鱗癬になりやすくなると言われています。フィラグリンは特にアトピー性皮膚炎の病態理解において、皮膚のバリア機能異常が最重要であるという考え方に一石を投じた成分ですので、とても重要なものと考えています。
手相を拝見させていただき、palmar hyperlinearityのある患者様は乾燥肌になりやすいと判断し、保湿をしっかりしていただけますようご指導させていただいております。

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皮膚が膿みやすい体質があります。

皮膚が膿みやすい体質の方がいらっしゃいます。「膿む」というと、通常は細菌による急性の感染症をさすことが多いのですが、それが長期間、慢性的に続くことがあり、慢性膿皮症と呼ばれています。
慢性膿皮症は頭皮や、お尻、脇などの多く見られます。頭皮やお尻などにおできが出来て治りにくいとか、何度も繰り返し、切開を繰り返している方は慢性膿皮症を疑っても良いかもしれません。慢性膿皮症は通常、細菌の感染を伴っているので、感染症の一種と考えても良いのですが、治りにくい細菌が感染しているからというよりは、むしろ体質の方が原因のことが多いです。
大人になっても深いニキビが治らない、背中や胸に深いニキビがたくさん出来てしまう、という場合も慢性膿皮症を考えても良いかもしれません。

その体質は遺伝的な要因も大きいのですが、喫煙、虫歯、副鼻腔炎(蓄膿症)などが原因となっていることも多いです。
皮膚が膿みやすい方、おできが出来やすい方は、まずは禁煙と虫歯の治療をお勧めしたいと思います。

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しわ取り注射とヒアルロン酸注入の違い

当院ではしわ取り注射によるシワ治療を行っていますが、ヒアルロン酸注入によるシワ治療とどう違うのか?どちらの方が良いのか?という質問を良くいただきますのでお答えしておきたいと思います。

しわ取り注射は、シワの原因となっている緊張した表情筋を弛緩させることでシワを治療する方法で
ヒアルロン酸注入は、皮膚、皮下組織のボリュームロスによって起こってくるシワに対してボリュームを補ってあげることでシワを治療する方法です。

具体的には
しわ取り注射は眉間の縦皺や、額の横皺、目尻の笑い皺に優れた適応があります。
ヒアルロン酸注入はほうれい線や、目の下のクマ、くぼみに優れた適応があります。

例えば眉間の縦皺は主に皺眉筋という筋肉の緊張によって生じるのですが、考え事などをしていると、つい眉間にシワを寄せてしまう癖のある方のある方は多いと思います。眉間に縦皺があると険しい表情に見えてしうまうので、しわ取り注射の優れた適応になります。眉間のシワを解消すると若々しく穏やかな表情に見えるようになります。

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目を擦ることの弊害

花粉による影響で目が痒くなり目を擦っている方をよく見かけますが、目を擦ることはあまり良くないことと言われています。
まぶたや目の周りの皮膚は非常にデリケートで、目を擦ることでそのバリア機能が低下し湿疹などが起こりやすくなってしまうからです。
目の周りが良く痒くなってしまうという方は少し注意した方が良いかもしれません。

また目を擦ることで、白内障、緑内障、眼瞼下垂(上まぶたが垂れてくる疾患)のリスクも上がると考えられています。

目が痒い方は擦らずに、早めに医療機関に相談することをお勧めしたいと思います。

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