乾癬は皮膚に炎症性角化症の一つに分類される疾患で、紅斑(赤い発疹)の上に、厚い鱗屑(ふけのようなもの)を伴っているのが特徴です。慢性に経過し、寛解と増悪を繰り返します。
乾癬は皮膚に炎症性角化症の一つに分類される疾患で、紅斑(赤い発疹)の上に、厚い鱗屑(ふけのようなもの)を伴っているのが特徴です。慢性に経過し、寛解と増悪を繰り返します。
男女比は2:1で男性に多いです(欧米では男女比は同じです)。
20代、40〜50代で発症することが多いとされています。
尋常性乾癬は近年、高い注目を集めている疾患で、日本でも43万人の患者様がおられると推定されています。
痒みを伴うことがしばしばあります。
あまり認知されていない疾患ですが、皮膚科外来では一般的に見かける病気です。
名前が”感染”と紛らわしいのですが、他の人にはうつりません。 | |
尋常性乾癬、滴状乾癬、膿胞性乾癬、乾癬性関節炎に分類されます。 | |
原因ははっきりしませんが、滴状乾癬などは連鎖球菌感染症後に発症することがあります。 | |
いずれの病型でも風邪などの感染症に伴って増悪します。 |
乾癬は慢性皮膚疾患の代表であり、治療により完治することは稀です。
一生付き合っていかなければならないことが多いため、副作用の少ない治療で、無理なく治療を行うことが大切です。
ただし、滴状乾癬だけは、感染に伴って発症している場合が多く、抗生物質の内服により感染が終息すれば、多くの場合、数週間で治癒します。
現在では、生物学的製剤やオテズラなどの新薬の発売により、以前よりはるかに高い治療効果を上げられるようになりました。
乾癬の原因・・・角化細胞のターンオーバーが著しく亢進し、通常30−60日程度のところを4〜7日となっています。遺伝要因が関与していることは明らかですが、多因子疾患で、ある特定の単独遺伝子による影響は弱く、組み合わせによって発症しているようです。白血球のタイプは、HLA-Cw6、HLA-B13の方が多いことがわかっています。
ただ、一卵性双生児の方でも、発症一致度は70%強に過ぎず、環境要因も影響を与えていることが分かっています。
溶連菌やウイルスの感染後に乾癬(特に滴状乾癬)発症することもあり、溶連菌やウイルスの感染は、重要な環境要因の一つと考えられております。
飲酒、喫煙、肥満なども原因の可能性があります。
近年では、メタボリックシンドロームや、虚血性心疾患との関係が指摘され、血管内の炎症と緊密に関係していることが指摘されています。乾癬は単なる皮膚疾患ではなく、全身疾患である、と認識されています。
リウマチに似た関節症状を呈する場合は、乾癬性関節症
発熱や皮膚の発赤とともに「膿疱」がたくさん出現する病型を膿疱性乾癬
と呼びます。
膿胞性乾癬の患者さまは専門的な治療が必要ですので、大病院に紹介させていただきます。
尋常性乾癬は難治性の皮膚疾患で、長く付き合っていかなければならない疾患です。そのため、安定した効果が得られ、副作用が少ない治療を選択していかなければなりません。
乾癬の治療は、旭医科大学のピラミット計画が有名で広く受け入れられています。
この治療アルゴリズムはビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬から治療が始まり、それで効果不十分なら、上の治療に進んでいくということを意味しております。
もしビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬による効果が不十分な場合、光線治療(近年であればナローバンドUVBやエキシマ)に進むのが一般的に受け入れられている考え方です。
当院では、ナローバンドUVB、エキシマシステムいずれも完備しておりますので、専門的な光線治療が受けていただくことが可能です。
2017年3月1日では、比較的副作用の少ないオテズラも保険適応となりました。オテズラは通常の外用療法に反応しない、尋常性乾癬、乾癬性関節炎に対して保険的を有しております。オテズラはネオーラルと異なり、免疫抑制作用が少なく、外来でも比較的処方しやすい薬となっています。
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