HOME > ブログ > 診療 > 粉瘤の病因、治療の補足
pagetop

粉瘤の病因、治療の補足

 粉瘤は皮膚にできる1cm~5cm程度の袋状の病変で、中には角質物質が充満しています。(よく言われる脂肪の塊というのは誤りです。)袋はかなり正常表皮に近い構造をしており、表皮から角質が作られ、それが袋の内部にたまっていってしまうというイメージです。時に細菌が感染し、腫れて、赤く、痛くなることがあります。(炎症性粉瘤といいます。)
 毛穴の最上部である、毛包漏斗部より粉瘤が発生しているようなのですが、なぜ粉瘤ができるのかは、はっきりしたことは分からっていません。何らかのウイルスの感染によるものなのではないか?という説がもっとも有力なようです。
 (注:今回は粉瘤をepidermal cystに限局し、trichilemmal cystは除外して述べています。)
 さて粉瘤は、炎症を起こして痛くなってから来られる方が非常に多いのですが、その場合はすぐに袋を取り出して根治的に治療を行うということが困難で、まず袋を切り開いて内容物を取り出して、良く洗い、抗生剤を飲んで炎症を抑える必要があります。いきなり根治術を行わないのは、炎症がある場合には、皮膚を縫うことは禁忌に近いからです。
 そしてしっかり炎症をとった段階で、袋を取り出す手術を行います。
 一般的に粉瘤切除の術式は、メスを使った切除、皮膚パンチを使った臍抜き法(小さな穴を開けて、その穴から袋を引きずり出す方法)、炭酸ガスレーザーを使った焼灼法(まず粉瘤に小さな穴をあけ、そこから内容物を取り出し、その穴からレーザー光線を通して、袋をすべて焼切る方法)が一般的で、大きさや位置を考え、最も簡便かつ美しく治る方法を選択するようにしています。

理事長ブログ | 診療 | comments(2) | trackbaks(0)
病気から選ぶ
  • おおしま皮膚科
  • 小島内科クリニック

※掲載内容・料金は更新時点での情報の場合がございます。最新の内容、料金は各院へお問合せください。