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尋常性白斑について

 尋常性白斑はシミとは逆に、皮膚の色が白く抜けてしまう後天性の疾患で、皮膚科外来ではしばしば見かける疾患です。皮膚の色が白く抜けている部位を白斑と呼びます。
 整容的な問題により、患者様にとってしばしば精神的なストレスとなります。
 徐々に白斑が広がることもあります。手のひら、足の裏をのぞき、全身どこにでも発症しえます。
 なぜ尋常性白斑が発症するのか、についてはこれでもかというほどたくさんの説が提唱されています。
 ①自己免疫説・・・抗体、もしくはT細胞が色素細胞を攻撃してしまうという説。
 ②色素細胞自己破壊説・・・色素を産生するときに作られる中間代謝物に毒性があり、それをうまく処理できなくなったために色素細胞が破壊されてしまうという説。
 ③神経説・・・尋常性白斑が神経節に沿って発現することがあるため、神経線維が発症になんらかの関与をしているのではないか?との説。
 ④活性酸素説・・・皮膚における代謝障害により活性酵素が増加し、色素細胞を傷つけることにより発症しているのではないか、という説。
 どれが正解なのかはなかなか難しく、これ以上の考察は今回は割愛したいと思います。
  難治性皮膚疾患の代表とされ、「治らない」と思っていらっしゃる方も多いと思います。
 現状ではステロイド外用のみで経過を見られていることが多いのですが、確かにそれだけだと治療成績は高いとは言えません。やはり光線治療も併用するほうが良く、それを併用した場合、かなりの確率で良好な色素再生が見られるという実感を持っております。
 論文的にも半数以上の方で良好な色素再生が見られたとの報告が多数あり、決してあきらめてしまう疾患ではないと思っております。

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