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ADMとは

もともとは太田母斑の一亜型として認識されていたのですが、後天的にも真皮メラノサイトの増生が起こることから、後天性真皮メラノサイトーシス(aquired dermal melanocytosis)、遅発性太田母斑、対称性真皮メラノサイトーシス、などと呼ばれています。
太田母斑の10倍の発生率です。
女性の方が男性よりも10倍ほど発症しやすく、女性に多い疾患です。
10代後半から30歳代にかけて発症し、20歳代に発症のピークがあります。
ある台湾のデータでは、全人口の1.21%、女性の0.2%にADMがみられたとされています。

ADMは全人種に生じるのではなく、アジア、特に東アジアの日本、韓国、中国に多いとされています。さらにタイやシンガポールでもしばしば見られます。

原因

遺伝的な要因が指摘されていますが、はっきりしたことはわかっていません。
以下のような仮説が提唱されています。
もともと胎児期に未分化メラノサイトは真皮を通って表皮に侵入します。未分化メラノサイトというのは、メラノサイトになる前の未熟なメラノサイトで、成熟するとメラニンを作るようになります。未分化メラノサイトが遺伝的な素因に基づき真皮に残存し、それが女性ホルモンや紫外線、慢性的な機械的、化学的な刺激(摩擦や化粧品による刺激)、慢性的な炎症により未分化メラノサイトが成熟して、メラニンを作り出すようになり、ADMが発症すると考えらえています。

特徴

最も典型的には両頬に数mmほどの灰褐色、もしくは青褐色と呼ばれるくすんだ色の色素斑が左右対象に見られます(図1)。

鼻の穴付近にも色素斑が見られることがあり、それが診断の決め手となることもあります。これは左右対称ではなく片側性に見られることが多いです。

額の外側にも症状が見られることが多く、その場合は、斑点というよりべたっとびまん性に見られることが多いです。

治療法

Qスイッチアレキサンドライトレーザー及びルビーレーザーが保険適応で第一選択肢となります。
3ヶ月に1度、2、3回の治療で完治が可能です。ただし、レーザーに伴う炎症後色素沈着が遅延した場合は、治療間隔が長くなることもありあります。

保険適応外になりますが、ピコレーザーも選択肢に上がります。

その他のよく使われるシミ治療

  • ・フォト治療
  • ・レーザートーニング
  • ・美白剤
  • ・ピーリング
  • ・イオン導入

などはすべて無効ですので注意が必要です。

注意点

ADMは治療がQスイッチレーザーだけ、と言っていいシンプルなもので、簡単です。
しかし診断を間違えたり曖昧だと、治療がうまくいかなかくなります。
そのためADMは「診断がすべて」と言ってしいいでしょう。
ADMは、肝斑、雀卵斑(そばかす)とよく間違えられます。

雀卵斑との違い

発症年齢 分布 サイズ 癒合 性差 遺伝
ADM 20−30代 両ほほ、
鼻孔部
くすんだ褐色 米粒大 しばしば
癒合する
女性に多い 常染色体
優性遺伝
雀卵斑 幼少期 両ほほ、
鼻梁部
明るい褐色 米粒大から
小豆大
癒合しない なし 明らかでない

肝斑との違い

発症年齢 左右対称性 形状 色調 境界 表面
ADM 20代~ あり 小斑点 やや青みを帯びた褐色 明瞭 滑らか
肝斑 30代~ あり べたっと一面 淡い褐色 不明瞭の
事もあり
滑らか

治療の流れ

  • ①まず医師が診察し、診断を行います。
  • ②レーザー治療の同意書を作成します。
  • ③(ご希望により)エムラクリームを塗布します。
  • ④レーザーを照射します。
  • ⑤1週間後経過をチェックします。
  • ⑥(ご希望により)1ヶ月後、経過をチェックします。
  • ⑦3ヶ月後再照射をします。

上記を何度か繰り返します。

料金

※院により、保険適応・自費治療と対応が異なります。

 

Qスイッチレーザー
保険適応対応院:国分寺院、志木院、大宮院、朝霞台院、新宿院、京都院

ピコレーザー
保険適応対応院;三鷹院、池袋院

 

保険適応の場合

一回あたりのレーザー照射料金は

  • イ)4平方センチメートル未満⇒2,000点
  • ロ)4平方センチメートル以上16平方センチメートル未満⇒2,370点
  • ハ)16平方センチメートル以上64平方センチメートル未満⇒2,900点
  • ニ)64平方センチメートル以上⇒3,950点

ですので3割負担の方は

  • イ)4平方センチメートル未満⇒6,000円
  • ロ)4平方センチメートル以上16平方センチメートル未満⇒7,110円
  • ハ)16平方センチメートル以上64平方センチメートル未満⇒8,700円
  • ニ) 64平方センチメートル以上⇒11,850円

かかります。1割負担の方ですと

  • イ)4平方センチメートル未満⇒2,000円
  • ロ)4平方センチメートル以上16平方センチメートル未満⇒2,370円
  • ハ)16平方センチメートル以上64平方センチメートル未満⇒2,900円
  • ニ)64平方センチメートル以上⇒3,950円

さらに初診料、再診料、処方箋料が加算されます。

自費治療の場合

1cmあたり:16,500円(税込)

詳しくはこちらのページをご覧ください。
▶シミの種類と治療法

当院での治療実績

Qスイッチアレキサンドライトレーザー 計1697件(美容実績も含む)

-内訳-

  • 三鷹院   2014年11月~2018年1月 599件
  • 新座院   2014年11月~2018年1月 488件
  • 国分寺院  2015年  7月~2018年1月 341件
  • 久我山院  2016年  5月~2018年1月 188件
  • 志木院   2017年  9月~2018年1月   81件

参考資料(2018年3月15日、2019年3月28日朝日新聞)

よくあるQ&A

Q治療は痛いですか?
Aレーザーにより弾かれるような痛みがありますが、通常はアイスパックなどでクーリングすることで十分、治療することが可能です。ご希望があればエムラクリームを使用することができます。
Q 1回の治療にどれくらい時間がかかりますか?
A範囲にもよりますが、レーザー照射自体は数分で終わります。
麻酔のクリームを使用した場合、麻酔が効いてくるのに1時間くらい待ちますので、その分、時間がかかることになります。
Q何回くらい治療したら良くなりますか?
A ADMの場合、レーザーの反応が非常に良好で2、3回の治療であとを残すことなく消えることが多いです。3か月に一度レーザーを照射しますので6ヶ月〜9ヶ月で治療は完了します。ただし、体質によってはレーザーによる炎症後色素沈着という別のシミができることがあり、その場合、炎症後色素沈着が落ち着いてからのレーザー照射が必要となります。その場合治療間隔が6か月程度と長くなりますのでご了承くださいませ。
Q炎症後色素沈着とはなんですか?
A炎症後色素沈着というのは、湿疹や火傷、虫刺されなどの後に皮膚が黒ずむ現象のことで、レーザー照射によっても発症し得ることが有名です。
もともと色黒の方、肝斑をお持ちの方、皮膚をよくこする方などに発症しやすいことがわかっています。
発症した場合、消えるまで数カ月から半年、時に1年くらいかかることもあります。
Q炎症後色素沈着のリスクを減らすためにはどうしたらいいですか?
Aレーザー後、なるべく皮膚をこすらないようにする、紫外線をあてないようにすることを心がけるといいでしょう。
Q炎症後色素沈着を早く治すにはどうすればいいですか?
A炎症後色素沈着の予防と同様に、こすらない、紫外線にあてないということに加え、ハイドロキノン、とレチノインといった美白剤を使用するといいでしょう。
Q治療後のダウンタイムを教えてください。
A 1週間ほどかさぶたが続きますので、その部位をガーゼなどで覆っていただきます。
Qレーザー治療のリスクを教えてください。
Aレーザーを極端に強く照射したり極端に治療期間が短いと、レーザー後に色が抜けたり、傷ができたりしますが、異常な照射方法をしない限りそのようなことはありません。
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