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お尻が腫れる疾患

お尻が腫れて膿が溜まってしまう疾患でお困りの方が多数ご来院されております。お尻が腫れてしまう疾患には以下の様のものがあります。これらの疾患はそれぞれ完全に独立したものではなく、重なり合っている場合があります。

■炎症性粉瘤 ■せつ、よう ■殿部膿皮症 ■毛巣洞 ■肛門周囲膿瘍 ■痔瘻

炎症性粉瘤

お尻に粉瘤という袋状の腫瘍ができ、場合によっては何度も腫れてしまう疾患です。通常は、いったん切開を行い膿を抜き、炎症が治まった後に根治的切除を行う事が多いのですが、当院ではなるべく一期的切除(1回で手術を終わらせる方法)を行うようにしております。詳細はこちら(https://mitakahifu.com/atheroma/)をご参照ください。

せつ、よう

せつとは、毛穴に黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌、ときに大腸菌が感染し、膿が溜まってしまう疾患です。おできとも呼ばれます。それが複数でき、深部で組織を壊死させ、交通してしまったものがようです。重症化すると熱が出る事もあります。糖尿病等が基礎疾患としてあると症状が重症化しやすいです。抗生剤の内服、重症例はメスを使って切開排膿を行います。

殿部膿皮症

お尻の決まったところが何度も腫れて、痛くなり、膿が出るということを繰り返す疾患です。何度も繰り返しているうちに炎症が持続し、肉芽腫と呼ばれる組織が作られたり、瘻孔と呼ばれる空洞が作られたりして内部に複雑に形成されます。時に癌が発生する事もありますので注意が必要です。体質的な要因も大きく、喫煙、肥満、メタボリックシンドロームとの関係も指摘されております。禁煙や、節制等である程度改善が見込めます。治療法は、抗生剤の内服、切開、(繰り返しやすい病変は)切除などですが、体質改善も平行して行わなければ再発を繰り返してしまう事もあります。

毛巣洞

お尻の割れ目(殿裂部)に好発します。お尻のむだ毛が圧迫され、皮膚の中に入り込み、皮膚にどんどん食い込んでいき、瘻孔(細長いトンネル状の構造)が作られます。体内に潜り込んでしまった毛は、長くのびる事が多く、瘻孔も10cm~20cmほど長くなる場合もあります。そこに細菌感染が起こると腫れ、痛みがでて、さらに瘻孔が複雑な形となります。
毛巣洞も癌の原因となり得ます。治療法は手術しか無く、完全に瘻孔を取りきる必要があります。ただし瘻孔は複雑な形で広範囲に広がっている事が多く、再発率が高いのが特徴です。毛深や、毛を剃っている方に多いです。レーザー脱毛にて予防をする事も可能です。
※理事長の毛巣洞手術は終了いたしました。ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません。

肛門周囲膿瘍

肛門周囲膿瘍は肛門と直腸の間にある小さなくぼみに大腸菌などが感染する事から発症します。肛門周囲の激しい痛み、発熱が起こります。肛門周囲の皮膚が赤くなり腫れているのが肉眼的にも分かるようになってきます。治療法はメスで切開し膿を取り除きます。そして創部を清潔にし、抗生剤を内服します。

痔瘻

肛門と皮膚の間に瘻孔(トンネル)ができてしまう疾患です。痔瘻になるとしばしば、そこに細菌感染が起こり腫れて痛みが出るという事が繰り返されます。膿が溜まった状態ではひとまず切開を行い、抗生剤の内服で症状を押さえる事は可能です。ただし原因となっている肛門と皮膚の間に瘻孔(トンネル)は自然閉鎖する事は無く、手術で瘻孔を切除する必要があります。痔瘻孔の切除術は残念ながら当院では行っておらず、肛門科等に受診していただくようになります。

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