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腋臭症の手術

腋臭症とは

腋臭症は一般的には「ワキガ」と呼ばれる疾患でアポクリン腺から分泌されるアポクリン汗が皮膚の常在菌で分解されることによってにおいが発生します。そのため単に汗臭い、というものとは異なります。熟練した医師であればその違いを間違えることはありません。
耳垢が湿っている方や脇の汗ばみが黄色っぽくなりやすい人に発症しやすい傾向があります。

日本人の約10%が腋臭症と言われています。放置しても健康上の問題はありません。国によっては約100%の方が腋臭症という国もあります。そういった国ではもちろん腋臭症が問題になることはありません。

日本においては約10%という比較的少数の人が腋臭症であるため、社会的な問題やコンプレックスの原因になりやすい、ということになります。

アポクリン腺は思春期に発達しますので、思春期に症状が顕在化することが多いです。

腋臭症の治療

腋臭症の治療は様々考案されており
手術以外でも
・制汗剤
・アルコール塗布
・レーザー脱毛
・しわ取り注射治療
・ミラドライ、ビューホット(マイクロウェーブにより治療)
などがあります。

上記のような簡単な治療で十分効果が出ればいいのですが、一般的にはそれらの治療で十分改善することは少なく、十分に効果が出ない場合は手術を行うことになります。
手術方法は ①皮弁法と ②皮膚有毛部切除術、そして自費治療にはなりますが③サブシジョン法があります。②の皮膚有毛部切除術は単に脇の有毛部を切除するというだけで、非常に原始的な治療方法で現在ほとんど行われていないと思います。
有毛部を全て取り切ることは不可能で、無理に取ろうとすると脇の引き連れが顕著となり運動障害をきたすこともあるでしょう。そのため、当院では①の皮弁法をメインで治療をさせていただいています。
皮弁法というのは脇に1、2本の切開線を入れ、そこから皮膚を剥離し、皮膚を反転させ(ひっくり返し)、特殊な剪刀(医療用のハサミ)でアポクリン腺を丁寧にとっていく方法です。

確実性が高い治療です。

※現在当院ではサブシジョン法はおこなっておらず自費の皮弁法でのご案内となります。

皮弁法の流れ

術前

①診察を行い、本当に腋臭症かどうかの確認を行います。

②同意書を作成します。

③手術の予約を行います。

手術当日の流れ

  • ①まず両脇に局所麻酔を行います。切開部以外は薄めた麻酔を使用することがあります。
  • ②先ずは腋窩に1本、もしくは2本の切開線をいれます。
    そこから皮膚をめくるように反転させ、アポクリン腺を直視下にこそぎ取っていきます。この際、アポクリン腺の除去が不十分だと、匂いが取りきれない場合があり、こそぎすぎると皮膚が薄くなりすぎて、皮膚壊死、瘢痕形成の原因となります。
    そのあたりのさじ加減が必要です。
  • ③なるべく傷が残りにくいように縫合します。ドレーンというチューブを傷に挿入し、血腫ができないように工夫します。ガーゼでしっかりと固定し治療終了となります。少しお休みしてからご帰宅していただいて問題ありません。
  • ④翌日、もしくは翌々日に当院にいらしていただきドレーンを抜去します。
  • ⑤術後48時間はご自宅で安静にしていただきます。
  • ⑥1週間後抜糸します。
  • ※手術後3日は脇を挙げる動作をお控えいただきます。髪を洗う際は脇を締めて行ってくださいませ。

副作用

内出血、縫合不全、創部感染、傷跡、ケロイド、引きつれ、皮膚壊死、再発、匂いが取り切れないこと

①内出血

単なる内出血であれば問題ないのですが、アポクリン腺をとった皮膚の下に大きな血腫ができてしまう場合があります。その場合、その血腫を再手術で取り除く必要があります。
そうならないように手術中の丁寧な操作、止血、術後のしっかりとしたタイオーバーが肝心です。
また術後48時間は安静が必要です。術後2週間ほどは運動をお控えください。

②縫合不全

縫合部位にトラブルが起こり、傷が開いたり、ジュクジュクしてうまく塞がらないことを縫合不全と言います。腋臭症の手術では稀です。

③創部感染

傷に細菌が感染することですが、予防的に抗生剤を飲んでいれば、創部感染を起こすことは稀です。

④傷跡、ケロイド

なるべく傷跡を小さくすることを心がけていますが、脇にメスを入れるため多少は傷跡ができてしまうのは避けられません。
3~5cm(体格による)ほどの傷が1~2本残るのが普通です。
また体質によっては傷が盛り上がり、肥厚性瘢痕、ケロイド化する可能性もあります。ケロイド体質の方は術前にご相談ください。

⑤引きつれ、皮膚壊死

アポクリン腺をこそぎ取る際に過剰に取りすぎ、皮膚を薄くしすぎてしまうと、皮膚が収縮し、引きつれることがあります。そうならないように細心の注意を行なっております。

⑥再発

アポクリン腺の除去が不十分ですと、当然においが再発してきます。また二次性徴が終わる前に手術をしてしまうと術後にアポクリン腺の成長が起こり、においが再発してきます。二次性徴が終わってから手術を行うといいでしょう。女性の場合は18歳以上、男性の場合は20歳以上が目安です。

⑦においが取り切れない

アポクリン腺の除去が不十分ですと当然においが残ります。またアポクリン腺を取りきってもエクリン腺が残りますので、汗は残ります。つまり衛生状態によっては汗臭さは残っても仕方ないといえます。
またご自身のにおいに敏感すぎる方は、実際にはにおいが残っていなくてもにおいが残っているように感じることもあります。問題は手術が不十分であった場合、簡単には再手術ができないという点です。

⑧手術部位の脱毛がおこる可能性

手術が向かない方

  • ・自分のにおいに敏感すぎる方
  • ・精神疾患を抱えている方
  • ・ケロイド体質の方
  • ・妊娠中の方
  • ・二次性徴が終わっていない方

料金 (自費のみ)

片側 275,000円
両側440,000円
(税込 麻酔代、薬代を含む)

当院のこだわり

当院では2020年5月現在皮膚科専門医17名、形成外科専門医が15名在籍しており、年間手術実績は※2019年4月~2020年3月の合計7268件【内訳:三鷹院2063件・新座院1514件・国分寺院1475件・久我山院840件・志木院1134件・大宮242件】という膨大な数になります。

※ただし大宮院のみ2020年2月~3月分の集計です。

腋臭症の治療で大事な点は、アポクリン腺を十分に除去し、かつ皮膚を薄くしすぎないことと傷をなるべく目立たないように縫合することです。
当院では開業当初より、皮膚外科を専門とし傷を小さくする手術にこだわってまいりました。
腋臭症でお困りの方はぜひ当院にご相談ください。

よくあるQ&A

ダウンタイムについて教えてください。

術後48時間はガーゼ、テープをそのままにしておいていただきます。術後48時間が経過すればシャワー浴にて創部を優しく流していただいて問題ありません。その間は飲酒もお控えいただきます。
湯船に浸かるのは1週間後、運度は2週間後となります。

手術、術後は痛いですか?

手術は局所麻酔下行いますので手術中の痛みはほとんど感じない方が多いです。局所麻酔の注射が少し痛みを感じるでしょう。
術後数日は痛みがありますが、痛み止めを飲んで様子をみていただきます。

再発リスクはどれくらいありますか?

皮弁法の正確な再発リスクを示したデータは現在のところありません。術者の技量により大きく変わってくる部分が大きいです。通常再発リスクは5~10%程度です。

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