酒さは、成人において慢性的で一般的な病気であり、顔などの露出度の高い部分に症状が現れる病気です。この症状は、男性よりも女性、さらに若い患者よりも三十歳以上の人によくみられます。酒さは一般的に、色白の人(肌タイプ1やタイプ2)によくみられます。もちろん皮膚の色が濃い方にも発症することもあります。この病気の典型的な症状として、2つのグループに分類されます。
下記の症状が、1つもしくはそれ以上ある場合、酒さを疑います。
主症状と合わせて以下の副症状が出現することがしばしばあります。 副症状が単独で発症することもあります。
酒さは典型的には以下のように進行していくとされています。
酒さの初期において、顔が繰り返し赤くなる、火照るという症状が現れます。急性反復性顔面紅斑と呼ばれています。20代前半の早い時期にこれらの症状が現れることもあります。当たり前ですが、その症状は毛細血管内の血流の増加と関係しているようです。急な皮膚の赤らみは、食事や急な体温変化、温かい飲み物やアルコール類の摂取などの後に起こることが多いです。
ステージ2に進行すると顔が常に赤っている状態となります。
顔の皮膚表面の血管拡張と顔面紅斑が常にみられ、くも状血管腫、毛細血管拡張症と呼ばれてる症状が現れます。
ステージ3は酒さの最も特徴的なものです。患者様は顔、赤みほてりに加え、ニキビに似た紅色丘疹や膿疱を伴うようになります。
ステージ4は主に男性に見られる症状で鼻瘤が特徴です。いわゆる団子鼻です。鼻が赤く膨らみ、腫瘤を作り鼻が変形していきます。病理学的には皮脂腺の肥大増生が見られます。
同時に発症しやすい兆候や症状に合わせて、また次のサブタイプに分類する方法もあります。
この最もよくある1型酒さは、繰り返すほてり(一過性の赤らみ)や持続的な顔の紅斑が特徴です。2型の丘疹膿疱型酒さのニキビのようなプツプツとした吹き出物が、発症前や同時に症状が出ることがあります。拡張した毛細血管が見えることもよくあります。これらの症状が見られる患者は、強い敏感肌を持っている傾向にあります。そのため紫外線や温度差、刺激のある化粧品、ちょっとした刺激でチクチク・ヒリヒリ感などを感じることになります。
丘疹膿疱型酒さは、持続的なほてりに加え、紅斑や繰り返す丘疹・膿疱が見られ、乾燥感も伴う酒さです。主に顔の中心(鼻周囲)に、かゆみや灼熱感を感じることがあります。 くも状血管腫(皮膚表面の毛細血管拡張症)を引き起こし、紅斑のように見えることもあります。 このサブタイプは、一般的に中高年に発症し、男性より女性に多く見られます。2型の症状として、1型の酒さの顔の赤みやほてりと同時に見られたりすることがあります。2型酒さの丘疹や膿疱は、ニキビにも似ています。ニキビとの違いは、酒さ場合はコメドと呼ばれる毛穴のつまりが見られない点です。
瘤腫型酒さは男性によくみられます。この酒さは、鼻(鼻瘤)が特に有名ですが、その他、顎(顎腫瘤)、額(額腫瘤)、耳(耳腫瘤)そして眼瞼(眼瞼腫瘤)にも症状が出ることがあります。鼻瘤は最もわかりやい典型的で、皮膚が厚くなったり、特に鼻周囲に小結節ができたり、凸凹の表面によって独特の肌質をしています。鼻が凸凹し、膨らみ変形していきます。毛細血管拡張症も見られます。鼻瘤は、多量飲酒によるものだと考えられていましたが、 現在ではその説は否定され、アルコールを摂取しない人々にも多量摂取する人と同様に発症することがわかりました。
眼型酒さは、このサブタイプの中で最も稀少で、眼やその周囲に症状が出ます。4型酒さと診断される患者の多くは、皮膚症状も伴っています。しかしながら、酒さ患者のうち2割の患者には、皮膚症状がないこともあります。また皮膚の症状の前に、眼の兆候や症状が現れることもあります。 眼症状の重症度と顔面酒さの重症度は、相関はないと考えられています。眼のタイプの症状は、軽い炎症症状、異物感、乾燥、目のかすみといった軽症のものから重度の炎症、目の表面の損傷、炎症性角膜炎といったものにまで及びます。酒さ患者さまは、目のゴロゴロした感覚を訴え、眼瞼炎及び結膜炎を発症します。他の目の症状は、眼瞼縁及び結膜の毛細血管拡張、眼瞼の厚み、眼瞼の痂皮や隣接、眼瞼の皮脂腺の閉塞、細菌感染からなる霰粒腫、点状表層角膜症、角膜浸潤、角膜潰瘍、角膜の傷、血管新生など多様な臨床像を呈します。しかしながら、酒さにおいて、視覚障害が現れることは稀です。
酒さには様々な症状がありますが、顔面の赤み、ほてりは最もよくある重要な初期の特徴です。特に1型や2型において診断に重要な特徴です。
※掲載内容・料金は更新時点での情報の場合がございます。最新の内容、料金は各院へお問合せください。