
ステロイド外用薬は炎症を抑えるために湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬などに対して広く使われている薬です。

副作用として、皮膚委縮、毛細血管拡張、毛嚢炎、顔面では酒さ様皮膚炎(灼熱感を伴う赤み、毛細血管拡張、膿疱)などが挙げられます。
ときに細菌感染症(毛のう炎,伝染性膿痂疹等)、皮膚の真菌症(カンジダ症、白癬等)ウイルス感染症があらわれることがあります。
小児ではまれに多毛症を来すことがあります。
眼瞼に強めのステロイドを塗り続けた場合は緑内障、白内障の原因となることがあります。
小児に対して強力な外用ステロイドを長期使用した場合は、色素脱失を起こすことがあります。
またごくまれにステロイド外用自体が体に合わなくて、接触皮膚炎(かぶれ)を起こすことがあります。
それらの副作用の大部分はステロイドを中止することにより、元に戻ります。
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ステロイド外用薬による副作用はそれほど多いものではなく最も強いデルモベート軟膏・クリームでも、皮膚萎縮〔軟膏1.0%、クリーム0.7%〕、毛のう炎・〔軟膏0.6%、クリーム0.4%〕、毛細血管拡張〔軟膏0.5%、クリーム0.6%〕と報告されています。
ステロイド外用薬で色素沈着を起こすことはありません。
また肥満や満月様顔貌はステロイドを内服した場合の副作用であり、ステロイド外用では起こりません。
ステロイド外用薬の突然の中止によりリバウンドが起こるかどうかは議論の分かれているところですが、自己判断による突然の中止により症状が急速に増悪することよくあります。
必ず弱いステロイド外用薬に切り替えてから中止する、もしくは使う量を減らしてから中止するようにしてください。

不必要に怖がらず、適切に使用していれば、大部分の症例では速やかに疾患が改善しステロイドを減量したり中止したりすることが出来ます。
逆に、弱すぎるステロイド外用薬を使っていたり、少しずつしか使っていなかったり、かゆみが取れたらすぐに止めてしまったり、といった不適切な使用をしていると、いつまでたっても症状が良くならず、かえって使う薬の量が増え、副作用ばかりが出てしまいます。
大切なのは長期的に見てトータルで使うステロイドの外用量をいかに減らすかということです。
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