毛穴の治療

「毛穴が目立つ」というお悩みの声はしばしば聞かれます。毛穴を目立たなくする化粧品を使い、かえって症状が悪化したというご意見も伺います。それに比して皮膚科学会では、毛穴が目立つ原因やその治療についてはこれまであまり真剣に議論されることもなかったように思われます。そのため、毛穴の開きに対する対応は混乱し、その治療はあまり効果がないといった印象をお持ちの方も多いかもしれません。

ご存知の方も多いかもしれませんが、毛穴の目立つ原因は一通りだけではなく、何通りかに分類されます。その原因にあわせて治療を行わないと効果がないばかりかかえって悪化してしまうということも起こりえます。

当院では毛穴に対してきちんと分類し、それにあわせた治療を行っていきたいと存じます。きちんと原因を診断し、それにあわせて治療を行えば、毛穴の治療は決して難しいものではなく、はっきりとした効果を出すことが出来ると考えております。
当院では、毛穴の治療に力を入れており、クリームなどの外用薬、ケミカルピーリング、イオン導入といった一般的な治療に加え、イントラセル、フォト治療、フラクショナルレーザー、ダーマペン、ダーマスタンプ、ヒアルロン酸注射、しわ取り注射、といった、毛穴に効果認められているあらゆる治療に対応しております。毛穴が気になる方が気軽にご相談いただければと存じます。

毛穴が目立つ5つの原因

①皮脂の分泌の亢進

皮脂の分泌が亢進している場合皮脂の分泌が更新すれば、必然的に毛穴が開き、毛穴が目立ってしまいます。皮脂の分泌が更新する理由として、ホルモン、ストレス、食生活、体質による影響が考えられております。

＜治療方法＞

ビタミンB群の内服、食生活の見直し、ストレスの改善を行います。Nd:YAGレーザーによるレーザーフェイシャルを行うと余分な皮脂腺を破壊でき、皮脂の亢進を抑えることができます。さらにマイクロしわ取り注射で、皮脂腺の働きを抑えることもできます。ホームケアでは高濃度ビタミンCローション（4600円）を使うといいでしょう。

レーザーフェイシャルについて知りたい方はこちらをご参照ください。

■治療期間（目安）3〜6ヶ月程度です。

②皮脂のつまり

毛穴の閉塞に伴い毛穴が目立つ場合皮脂の通過障害が起こり、皮脂が毛穴にたまって、結果的に毛穴が開いてしまいます。ホルモンによる影響、不適切な化粧による影響、皮膚の乾燥による影響などが考えられています。

＜治療方法＞

ケミカルピーリング：ケミカルピーリングにて毛穴のつまりを解除し、イオン導入にて引き締めます。院内製剤である、トレチノインクリームもおすすめです。
トレチノインクリーム：トレチノインはビタミンA誘導体の一つで毛穴のつまりを解除する効果があります。
さらに毛穴を完全に引き締めてしまいたい方は、Nd:YAGレーザーフェイシャル、フラクショナルレーザー、フォト治療、ダーマペン、ダーマスタンプ、ヒアルロン酸注射、マイクロしわ取り注射なども併用します。

■治療期間（目安）３〜６ヶ月程度です。
（ただしヒアルロン酸注射、マイクロしわ取り注射の場合は、治療は１日で終了します）。

③皮脂の酸化

皮脂の酸化、毛包漏斗部でのメラニンの産生により毛穴が目立つ場合皮脂の通過障害が起こるとたまった皮脂が酸化され、黒っぽくみえるようになります。また毛穴の出口付近である毛包漏斗部からメラニンを多量に含む角質が産生され、毛穴がさらに黒っぽく見えます。

＜治療方法＞

ケミカルピーリング：ケミカルピーリングにて毛穴にたまった皮脂を溶かします。
レーザーフェイシャルやQスイッチアレックスレーザートーニングにて毛穴にたまったメラニンを破壊するのも有効です。自宅ではトレチノインクリームもおすすめです。

■治療期間（目安）3〜6ヶ月程度です。

④皮膚のたるみ

皮膚のたるみにより毛穴の開きが目立つ場合皮膚に張りがあれば目立たない毛穴も、皮膚が年齢による影響などでたるんでしまうと、毛穴が目立つようになります。

治療方法

皮膚の張りを再生させるためにフラクショナルレーザー、ダーマペン、イントラセルを行います。
ダーマペンというのは、名前の通り筆状の小さな機器で、先端より微小な針を高速で出し入れし、皮膚に微小な傷を作る治療法です。微小な傷を作ると、皮膚が自ら治そうとし、様々な成長因子が放出され、皮膚を再生させます。その効果を利用し皮膚を蘇らせる治療法です。
それをレーザーで行うものがフラクショナルレーザーと思っていただければと思います。
イントラセルは微小なハリの先端からラジオ波を照射する機械で、フラクショナルレーザーとダーマペンを合わせた治療と思っていただくといいでしょう。

さらに、皮膚のたるみが高度な場合、たるみ治療としてヒアルロン酸注入を追加で行うといいでしょう。

■治療期間（目安）
フラクショナルレーザー、ダーマペンを行った場合：約６ヶ月程度
イントラセルを行なった場合：約２ー６ヶ月程度
ヒアルロン酸注入を行った場合：１日

⑤ニキビ跡

厳密には毛穴の開いているわけではないのですが、ニキビの後に毛穴が陥凹性瘢痕（クレーター）となり、毛穴が開いているように見えます。

＜治療方法＞

通常のニキビ痕の治療とかわりありません。フラクショナルレーザー、ダーマペン、マイクロ手術、イントラセルなどを行います。特にマイクロ手術は近年、注目されている治療法です。重度のニキビ痕に対してはマイクロ手術が最も効果的でその他の治療の効果は限定的です。

治療期間（目安）３〜６ヶ月

治療方法各論

ポテンツァ

ポテンツァは微小な針を皮膚に注射し、そこからラジオ波を瞬間的に照射する治療法です。
（即時効果）→この治療法では皮膚の深部にラジオ派を照射するために皮膚の表面に火傷を起こすことなく、皮膚を引き締めることが可能となります。さらに皮膚の深部に熱損傷が起こるため、それに反応し線維芽細胞が活性化されます。（遅発効果）→　線維芽細胞はコラーゲンやエラスチンといったタンパク質を作っており、それが活性化されることで皮膚の若返り効果が数ヶ月かけて見られるようになってきます。
イントラセルはダーマペンとRF(ラジオ波、高周波）とフラクショナルレーザーを合わせた治療で、毛穴治療の切り札といっていい治療法です。

２０代後半以降に毛穴が気になってきたという方には特にオススメの治療法です。

フラクショナルレーザー

フラクショナルレーザーは毛穴引き締めの定番の治療法です。点状に熱を照射することで、コラーゲンを変性させ、結果、線維芽細胞を活性化させ、皮膚を若返らせます。たるみによる毛穴の開き、ニキビ痕の治療に最適です。小ジワにも効果があります。

ダーマペン全院共通施術

ダーマペンは微小な針が複数、高速に出入りする機械で、皮膚に点状の穴を開け、そこから成長因子を流し込みます。そして皮膚を若返らせていきます。フラクショナルレーザーと同様、たるみによる毛穴の開き、ニキビ痕の治療に最適です。小ジワにも効果があります。

ヒアルロン酸注入全院共通施術

ヒアルロン酸の中でも比較的柔らかく、皮膚を再構成させる成分を含むヒアルロン酸（RedensityⅠ）をほほ全体にカテーテルを使って注入します。Redensityには、ヒアルロン酸が15mg/ml、8種類のアミノ酸、2種類のミネラル（亜鉛・銅）、ビタミンB6、3種類の抗酸化剤（グルタチオン・NアセチルLシステイン、αリポ酸）、疼痛緩和のためリドカインが少量含まれています。これらの成分により皮膚の水分が増加、皮膚の再構築（コラーゲン生成促進）と細胞の再生が促進されみずみずしいお肌になります。水分補給・くすみの解消・弾力性の向上・シワ・コジワ改善に効果的です。結果的にたるみによって生じた、毛穴も目立たなくさせてくれます。カテーテルを使って注入するため、ほとんど痛みはありません。約１年効果が持続します。
その他、たるみが原因の毛穴の開きであれば、米国アラガン社のボリューマを３D注入し、たるみを直してあげる、という方法も良いでしょう。例えば３０代以降に毛穴が目立ってきたというのであれば、たるみによる影響が強い可能性があるのでヒアルロン酸注射が著効する可能性があります。