アゼライン酸は古くからニキビや酒さに使われている成分です。近年、ロート製薬より20%のアゼライン酸クリームが販売され、日本でも知られるようになってきました。
今回の記事ではアゼライン酸クリームのニキビに対する効果について解説したいと思います。
海外ではアゼライン酸はニキビ、酒さの治療薬として古くから使われております。
・コメドをできにくくする作用(ピーリング作用と毛包の角化を抑える作用)
・抗菌作用
・抗炎症作用
があります。
そのほかマイルドなメラニン抑制作用があり、美白剤として使用されることがあります。
Haibo Liu ら,Topical azelaic acid, salicylic acid, nicotinamide, sulphur, zinc and fruit acid (alpha-hydroxy acid) for acne
によると
アゼライン酸は過酸化ベンゾイルより効果が乏しく、クリンダマイシンゲルと同等と述べられています。
そのほか、アゼライン酸はアダパレンよりも効果は劣るというのが一般的な考え方です。
Hazel H. Oonらによるシンガポールのニキビガイドラインによると(Acne Management Guidelines by the Dermatological Society of Singapore
J Clin Aesthet Dermatol. 2019 Jul; 12(7): 34–50.)
軽度から重症ニキビまでアゼライン酸クリームが推奨されており、決して効果が悪いわけではありません。
効果はマイルドなため、ニキビに対して単剤で使用する場合は、比較的軽度〜中程度のニキビに限られます。
そのほかの治療と組み合わせるなら軽度から重症ニキビに使用することができます。
美白効果もあるためニキビが改善した後の色素沈着に使うのもいいでしょう。
ただ日本では保険適応がなく、保険適応で処方可能な過酸化ベンゾイル、アダパレンより効果が劣ると考えられるため、第一選択肢として使用するメリットはありません。
アゼライン酸クリームを使用するメリットとしては
①肌への刺激が少ない
②妊娠中も比較的安全に使える
の2点が挙げられます。
①肌への刺激が少ない
アゼライン酸は副作用として一時的な肌の刺激感(カサカサ、赤み、ヒリヒリ感、皮剥け)が挙げられますが、肌への刺激がそのほかのニキビ治療薬(アダパレン、トレチノイン、過酸化ベンゾイル)と比べると少ないです。
②妊娠中の比較的安全に使える
妊娠中も比較的安全に使うことができる(完全に安全という意味ではない)というメリットがあります。ベンゾジアゼピン、ディフェリンが妊娠中は基本的には使用できないのに対し、アゼライン酸クリームは完全に安全と言えずとも、危険である証拠がないというランクに位置し、一般的には使用しても良い考えています。
総括しますと、そのほかのニキビ治療薬でかぶれてしまったという方はアゼライン酸クリームを使用してもいいでしょう。また妊娠中の方でニキビが気になる方にもオススメのクリームと言えるでしょう。
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