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新型コロナウイルスにかかると禿げてしまう?②

新型コロナウイルスに感染すると、回復した後に髪の毛が抜けて落ちてしまう、ということが広く知られています。

以前こちらでも報告させていただいたのですが、新たに分かったことについてについて何点か報告させていただきたいと思います。

前回のブログでは新型コロナに関する休止期脱毛症は重症感染症の後に起こりうるもので、それほど珍しい現象ではない、と書かせていただいたのですが、色々調べてみると、新型コロナによる休止期脱毛症はやはりこれまでとは少し違うな、という印象を持つようになりました。

原因に関して、一つはサイトカインストームが関係しているようでサイトカインストームにより、毛包にダメージが生じ、成長期毛が急に休止期に至ってしまうと考えられています。そのため、新型コロナに感染してから1−3ヶ月後に抜け毛が増えてくる場合が多いです。また、新型コロナ感染者では、凝固系異常が生じやすく、ヘパリンなどの薬剤が使われることが多いのですが、それらの薬剤で休止期脱毛症を生じやすいこともわかっています。

休止期脱毛症を引き起こす頻度に関しては、10人に1人と推定されております。これはかなり高い確率と言わざるをえず、インフルエンザなどの感染症と比べるともの驚くほど高い確率です。欧米などでは、休止期脱毛症の患者さんを診察した場合は、「過去に新型コロナウイルスに感染しなかったか?」とルーティンで聞いているようで、新規の休止期脱毛症の患者さんはほとんどがコロナ関係という地域もあるようです。

新型コロナにおいても男性よりも女性が休止期脱毛症になりやすいのですが、その理由については今のところわかっていません。元々、休止期脱毛症は女性に多いのです(単に女性の方が抜け毛に敏感だから、という説もあります)。

薄毛の経過についても今の所、はっきりとはわかっておりません。
通常、感染症に伴う休止期脱毛症は半年くらいかけて自然に回復してくることが多く、それに関しては新型コロナウイルス感染症に関しても同様だろう、と推定されますが、今のところ信頼できるデータはありません。

また何か分かり次第報告させていただきたいと思います。

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新型コロナウイルスにかかると禿げてしまう?

新型コロナウイルスにかかると、回復した後も脱毛が続き頭が禿げてしまう、という噂が広まっているようです。
ワイドショーでも新型コロナウイルスから回復した海外の女性が、「抜け毛が止まらないわ」と嘆いている動画を見たことがあります。
これに関して、現状わかっていることを述べたいと思います。

そもそもある程度、体力を消耗する(発熱する)感染症にかかった後というのは髪が抜けやすくなるのは普通のことであります。
それは新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザ、肺炎などでも同様です。これらは休止期脱毛症と呼ばれ、成長期毛が通常を超える範囲で多量に抜けるのが特徴です。

そのほか、大きな外傷、出血、手術を伴う場合、急速なダイエット、出産などによっても休止期脱毛症が起こることがあります。

これらの休止期脱毛症は、原因となっている出来事から、脱毛を自覚するまで2−3ヶ月かかる場合がありますので、どうして病気は治ったのに・・・と感じることが多いでしょう。

原病を治療してしまえば、半年くらいで改善することが多いのですが、1−2年改善までにかかったり、症状が固定し、髪が薄くなったままになってしまうこともあります。その場合、ミノキシジルの外用薬やパントガールなどの飲み薬にて治療を行います。

上記をまとめると、新型コロナウイルスに感染後、抜け毛が増えることは起こり得ます。ただしそれはインフルエンザなどの他の疾患と変わらず、極端に恐れる必要はありません。
 
 

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新型コロナウイルスと薄毛、抜け毛との意外な関係

一見、新型コロナウイルス(COVID-19)と薄毛、全く関係ないように見えるのですが、実は意外な関係が隠れています。
男性型脱毛症(AGA)が重症な人ほど新型コロナウイルスにかかりやすく、重症化しやすいのではないか、という報告が相次いでいます。
Gabrinサインといって、AGAのHNSと言う重症度スケールで3−7(7が最重症の薄毛)の患者様はCOVID-19で入院すると予後不良となりやすい、と言うサインまで作られています。ちなみにGabrinと言うのはCOVID-19の治療に尽力されたドクターで、ご本人も長年AGAで悩んておられ、かつCOVID-19のため亡くなったドクターの名前に由来します。

よく考えると、免疫が完成していない子どもがCOVID-19で重症化しずらく、屈強な成人男性のほうが重症化しやすい、と言うのは、何かファクターがあるのでは、と考えてもいいと思うのですが、どうやら男性ホルモン受容体(AR)と新型コロナウイルスに関係があるようです。

専門的な話なので詳細は割愛しますが、
COVID-19ウイルスはACE2と言う酵素に取り付くことで肺に侵入しますが、TMPRSS2と言うタンパク質を介してそれが行われます。
ARはACE2とTMPRSS2の調整に関わっています。

つまりARの発現の多い人はCOVID-19において重症化しやすいと言うことになります。

このことはCOVID-19は女性より男性のほうが重症化しやすく、子供の重症化が少ないことの説明にもなります。
またARの発現が高いアフリカ系アメリカ人の予後が良くないことの説明にもなります。

ちなみにAGAの治療を行ってもCOVID-19の予防にはなりませんので、ご注意くださいませ。

またCOVID-19に感染した後に、回復した後でも髪の毛が抜けやすくということもよく話題になっていますが、今の所、それは急性のびまん性休止期脱毛であるという認識で、あまり特別には捉えていません。インフルエンザ、そのほかの大きな感染症、交通事故などの怪我、手術などの後に髪の毛が抜けやすくなる、といったことと変わりありません。
半年くらいで自然に回復してくることが多いです。

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