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令和3年11月の保険手術実績件数は2931件でした

はなふさ皮膚科の保険手術適応実績をお知らせいたします。
11月の手術実績は2931件でした。

 

三鷹 新座 国分寺 久我山 志木 大宮 朝霞台 池袋
粉瘤 152 86 77 78 86 114 86 62
ホクロ 174 58 114 79 103 95 66 70
イボ 167 150 66 104 116 16 60 16
陥入爪 10 2 3 5 7 0 2 0
皮膚腫瘍 6 3 42 0 1 7 5 2
石灰化上皮膚 0 0 0 0 0 0 0 0
神経線維腫 0 0 0 0 0 0 0 0
脂腺増殖症 0 0 1 0 0 0 0 0
化膿性汗腺炎 3 0 1 0 2 2 0 2
軟性線維腫 6 7 5 1 9 2 3 0
日光角化症 0 0 0 0 0 0 0 0
光線角化症 0 0 0 0 0 0 0 0
汗管腫 0 0 1 0 0 0 0 0
肥厚性瘢痕 25 19 6 4 12 32 11 13
肉芽腫 0 1 0 0 0 0 0 0
脂肪種 16 4 7 1 4 2 5 1
皮膚線維腫 2 3 4 0 3 3 5 5
血管腫 9 4 4 0 4 2 2 6
毛巣洞 3 0 0 0 0 0 0 2
多発性脂腺嚢腫 0 0 0 0 0 0 0 0
黄色腫 1 1 0 0 1 6 7 0
基底細胞癌 3 2 1 1 2 0 1 1
コンジローマ 3 2 1 1 2 2 1 0
膿皮症 0 0 0 0 0 0 0 0
脂漏性角化症 29 31 30 0 19 19 36 3
ケロイド 50 10 21 26 17 3 0 23
エクリン汗孔腫 0 0 0 0 0 0 0 0
眼瞼下垂症 7 2 4 0 0 2 0 2
腋臭症 0 0 0 0 0 0 0 0

 

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酒さに対するアゼライン酸クリームの効果について

アゼライン酸クリーム20%がロート製薬より発売され、日本でも使用しやすくなりました。酒さにも効果的と期待している人は多いのではないでしょうか?このクリームの酒さに対する効果を報告したいと思います。

酒さには複数のタイプがあり、

1期 紅斑毛細血管拡張型(一過性紅斑型、持続紅斑型も含む)

2期 丘疹膿疱型

3期 鼻瘤型

そのほか眼型などもあります。

 

◼︎2期 丘疹膿疱型酒さに対して

丘疹膿疱型酒さは顔(主に頬)の赤みとニキビのようなブツブツが目立つタイプの酒さです。

アゼライン酸クリームが最も効果的なのはこのタイプの酒さです。

アゼライン酸クリームの酒さに対する効果は古くから知られており、デモデックス(ニキビダニ)に対する殺菌効果、抗炎症作用、抗酸化作用などが関係しているのではないかと考えられています。

 

Stein Gold L, Kircik L, Fowler J, et al. Long-term safety of ivermectin 1% cream vs azelaic acid 15% gel in treating inflammatory lesions of rosacea: results of two 40-week controlled, investigator-blinded trials. J Drugs Dermatol. 2014;13:1380–1386

によれば

丘疹膿疱型の酒さに対するイベルメクチンクリーム1%とアゼライン酸クリーム15%の比較試験では、40週の治験でイベルメクチンクリーム1%は71%-76%、症状消失、ほぼ消失となっているのに対して、アゼライン酸は60%弱とイベルメクチンクリームの方が効果が高かったと報告しています。これはほかの論文のとも概ね合致するデータです。

 

ちなみにアゼライン酸(15%もしくは20%)とメトロニダゾールゲルの比較して試験では同等、もしくはアゼライン酸の方が効果は高いというデータが多いです。

 

別件ですが、

Taieb A, Ortonne JP, Ruzicka T, et al. Superiority of ivermectin 1% cream over metronidazole 0.75% cream in treating inflammatory lesions of rosacea: a randomized, investigator-blinded trial. Br J Dermatol. 2015;172(4):1103–1110. doi: 10.1111/bjd.13408.

によるとイベルメクチンクリーム1%はメトロニダゾールクリーム0.75%よりも効果が高かったと報告されています。

 

これらの結果より、丘疹膿疱型酒さに対する治療薬として、外用薬ではイベルメクチンクリームが最も優秀で、日本でも早く使用できるようになることが望まれます。

 

 

丘疹膿疱型の酒さに対しては日本では抗生剤の内服、外用が保険適応で治療可能ですので、補助的にアゼライン酸クリームを使う、もしくは改善した後の維持期にアゼライン酸クリームを使用するという方法を推奨したいと思います。

 

◼︎1期 紅斑毛細血管拡張型(一過性紅斑型、持続紅斑型も含む)に対して

酒さの中でも最も治療の難しい紅斑毛細血管拡張型の酒さの場合、アゼライン酸クリームが効果的との報告は少なからず存在し、その赤みを軽減させうる可能性はあります。

ただし、アゼライン酸クリーム単剤で赤みや火照りが十分に消失することはほとんどありません。アゼライン酸が著効しうるのはあくまで丘疹膿疱型のタイプに限られ、紅斑毛細血管拡張型酒さに対してはあくまでマイルドに赤みを軽減させる程度です。

 

その作用機序ですが、

Effective and evidence-based management strategies for rosacea: summary of a Cochrane systematic review.

van Zuuren EJ, Kramer SF, Carter BR, Graber MA, Fedorowicz Z

Br J Dermatol. 2011 Oct; 165(4):760-81.

によるとアゼライン酸クリームはカリクレイン5とカテリシジンの発現を抑えることで酒さの炎症を抑え、結果的に赤みを抑えると考えられています。

 

ただ、海外では紅斑毛細血管拡張型酒さに対する外用薬はブリモニジン(Brimonidine)外用薬というアドレナリンα2受容体作動薬がメインになりつつあります。こちらも日本で早く使用できるようになることが望まれます。

例えばオランダではブリモニジンから治療をスタートしそれが無効ならばIPL(フォト)かレーザー、補助的にアゼライン酸などを使うという方法が推奨されています。

日本ではブリモニジンが使えないのでIPL(フォト)かレーザーから治療をスタートし、補助的にアゼライン酸かメトロニダゾールゲルを使うといいでしょう。

 

◼︎まとめ

アゼライン酸クリームは丘疹膿疱型の酒さに対しては補助的に使うと良い。紅斑毛細血管拡張型酒さに対しては効果が十分と言えず、ほかの治療と組み合わせて用いると良い。

 

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アゼライン酸クリームについて

アゼライン酸は古くからニキビや酒さに使われている成分です。近年、ロート製薬より20%のアゼライン酸クリームが販売され、日本でも知られるようになってきました。

今回の記事ではアゼライン酸クリームのニキビに対する効果について解説したいと思います。

海外ではアゼライン酸はニキビ、酒さの治療薬として古くから使われております。
・コメドをできにくくする作用(ピーリング作用と毛包の角化を抑える作用)
・抗菌作用
・抗炎症作用
があります。
そのほかマイルドなメラニン抑制作用があり、美白剤として使用されることがあります。
Haibo Liu ら,Topical azelaic acid, salicylic acid, nicotinamide, sulphur, zinc and fruit acid (alpha-hydroxy acid) for acne
によると
アゼライン酸は過酸化ベンゾイルより効果が乏しく、クリンダマイシンゲルと同等と述べられています。

そのほか、アゼライン酸はアダパレンよりも効果は劣るというのが一般的な考え方です。

Hazel H. Oonらによるシンガポールのニキビガイドラインによると(Acne Management Guidelines by the Dermatological Society of Singapore
J Clin Aesthet Dermatol. 2019 Jul; 12(7): 34–50.)
軽度から重症ニキビまでアゼライン酸クリームが推奨されており、決して効果が悪いわけではありません。

効果はマイルドなため、ニキビに対して単剤で使用する場合は、比較的軽度〜中程度のニキビに限られます。
そのほかの治療と組み合わせるなら軽度から重症ニキビに使用することができます。
美白効果もあるためニキビが改善した後の色素沈着に使うのもいいでしょう。

ただ日本では保険適応がなく、保険適応で処方可能な過酸化ベンゾイル、アダパレンより効果が劣ると考えられるため、第一選択肢として使用するメリットはありません。
アゼライン酸クリームを使用するメリットとしては
①肌への刺激が少ない
②妊娠中も比較的安全に使える
の2点が挙げられます。

①肌への刺激が少ない
アゼライン酸は副作用として一時的な肌の刺激感(カサカサ、赤み、ヒリヒリ感、皮剥け)が挙げられますが、肌への刺激がそのほかのニキビ治療薬(アダパレン、トレチノイン、過酸化ベンゾイル)と比べると少ないです。

②妊娠中の比較的安全に使える
妊娠中も比較的安全に使うことができる(完全に安全という意味ではない)というメリットがあります。ベンゾジアゼピン、ディフェリンが妊娠中は基本的には使用できないのに対し、アゼライン酸クリームは完全に安全と言えずとも、危険である証拠がないというランクに位置し、一般的には使用しても良い考えています。

総括しますと、そのほかのニキビ治療薬でかぶれてしまったという方はアゼライン酸クリームを使用してもいいでしょう。また妊娠中の方でニキビが気になる方にもオススメのクリームと言えるでしょう。

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ニキビになりやすい食事、なりにくい食事について

ニキビの患者様によく「食生活はどう改善させたらいいですか」と言った質問をいただきます。
チョコレートをたくさん食べるとニキビができやすくなる、とかケーキをたくさん食べるとニキビができやすくなるとか色々な説があるのですが、ここでは一旦、AAD(米国皮膚科学会のガイドラインを見ていきたいと思います。

https://www.aad.org/member/clinical-quality/guidelines/acne

食事に関しては以下のようにまとめられています。
①No specific dietary changes are recommended in the management of acne
②Emerging data suggests that high glycemic index (GI) diets may be associated with acne
③Limited evidence suggests that some dairy, particularly skim milk, may influence acne

訳すと
①ニキビの治療において特別な食事の変化は推奨されていない。
②最近のデータだと、グライセミック・インデックス(食後、高血糖を誘導する強さを示す指数)が高い食べ物はニキビに関係するかもしれないことが示唆される。
③限られたエビデンスしかないが、乳製品、特にスキムミルクはニキビに影響を与えるかもしれない。

ということになります。
特に気になるのが②です。
有名なMayo clinicのHPでは
低GIの食べ物:緑の野菜、多くのフルーツ、生の人参、インゲン豆、ひよこ豆、レンティル、茶色いシリアル
中GIの食べ物:トウモロコシ、バナナ、生のパイナップル、レーズン、オートミール、雑穀、オーツ麦、ライ麦
高GIの食べ物:白米、白いパン、ジャガイモ
などが挙げられています。

日本人としてとても気になるのは白米で、果たして白米がニキビを悪化させうるのかどうか、大いに議論の分かれるところだと思います。
少なくとも日本の皮膚科医で、白米を避けましょう、と患者様に指導する先生は多くないでしょうし、現実的にも不可能ではないかと思います。もし可能なら玄米を取り入れてみましょうか、という程度の提案にとどまると思います。

もう少しデータの蓄積を待ちたいと思います。

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