炎症性粉瘤はもともと粉瘤に細菌が感染した状態で、急にしこりが大きくなって痛くなってしまった!という場合は、だいたい炎症性粉瘤の事が多いのですが、その治療は少し手間がかかるの普通です。通常は、一旦、炎症性粉瘤を切開し、膿を取り出し、その後も通院を繰り返し、炎症が収まった段階で切除、という風に、少なく見積もっても5回は通院内なければならなかったかと思われます。
炎症性粉瘤の切開を行った際に、なるべく粉瘤の壁も取り除くように意識していますが、その際に粉瘤の壁も完全に取り除けてしまったということが多く、炎症性粉瘤も一回の手術で完全に取り除くことが可能ではないのか、という事を考えるようになりました。
臍抜き法と同じ要領で粉瘤の中心部を取り除き、さらに左右(もしくは縦)に数mmから1cmほど切開を加え、丁寧に洗浄、剥離することで、膿、粉瘤の壁をすべて取り除くことが大部分の症例で可能ということが分かりました。ただし、粉瘤が自壊し粉瘤の壁の原型をとどめていないような症例や巨大な粉瘤においてはこの治療は困難で、ある程度のサイズで、粉瘤の壁が残っている、という事が前提となります。
すなわち粉瘤が腫れ始めてすぐなら、一回の手術で粉瘤を完全に取り除く事が可能、という事になります。
便宜上、とりあず臍抜き切開法と命名したいと思います。この方法で少しでも患者様の負担を減らせる事ができれば非常にうれしく思います。
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