皮膚が膿みやすい体質の方がいらっしゃいます。「膿む」というと、通常は細菌による急性の感染症をさすことが多いのですが、それが長期間、慢性的に続くことがあり、慢性膿皮症と呼ばれています。
慢性膿皮症は頭皮や、お尻、脇などの多く見られます。頭皮やお尻などにおできが出来て治りにくいとか、何度も繰り返し、切開を繰り返している方は慢性膿皮症を疑っても良いかもしれません。慢性膿皮症は通常、細菌の感染を伴っているので、感染症の一種と考えても良いのですが、治りにくい細菌が感染しているからというよりは、むしろ体質の方が原因のことが多いです。
大人になっても深いニキビが治らない、背中や胸に深いニキビがたくさん出来てしまう、という場合も慢性膿皮症を考えても良いかもしれません。
その体質は遺伝的な要因も大きいのですが、喫煙、虫歯、副鼻腔炎(蓄膿症)などが原因となっていることも多いです。
皮膚が膿みやすい方、おできが出来やすい方は、まずは禁煙と虫歯の治療をお勧めしたいと思います。
当院ではしわ取り注射によるシワ治療を行っていますが、ヒアルロン酸注入によるシワ治療とどう違うのか?どちらの方が良いのか?という質問を良くいただきますのでお答えしておきたいと思います。
しわ取り注射は、シワの原因となっている緊張した表情筋を弛緩させることでシワを治療する方法で
ヒアルロン酸注入は、皮膚、皮下組織のボリュームロスによって起こってくるシワに対してボリュームを補ってあげることでシワを治療する方法です。
具体的には
しわ取り注射は眉間の縦皺や、額の横皺、目尻の笑い皺に優れた適応があります。
ヒアルロン酸注入はほうれい線や、目の下のクマ、くぼみに優れた適応があります。
例えば眉間の縦皺は主に皺眉筋という筋肉の緊張によって生じるのですが、考え事などをしていると、つい眉間にシワを寄せてしまう癖のある方のある方は多いと思います。眉間に縦皺があると険しい表情に見えてしうまうので、しわ取り注射の優れた適応になります。眉間のシワを解消すると若々しく穏やかな表情に見えるようになります。
花粉による影響で目が痒くなり目を擦っている方をよく見かけますが、目を擦ることはあまり良くないことと言われています。
まぶたや目の周りの皮膚は非常にデリケートで、目を擦ることでそのバリア機能が低下し湿疹などが起こりやすくなってしまうからです。
目の周りが良く痒くなってしまうという方は少し注意した方が良いかもしれません。
また目を擦ることで、白内障、緑内障、眼瞼下垂(上まぶたが垂れてくる疾患)のリスクも上がると考えられています。
目が痒い方は擦らずに、早めに医療機関に相談することをお勧めしたいと思います。
しわ取り注射による治療に興味をお持ちの方も多いかと思いますが、「しわ取り注射治療は効果が持続しないから、、、」と治療をあきらめてしまう方も多いようです。確かにしわ取り注射治療の効果は4~6カ月しか持続せず、それがしわ取り注射治療のいいところでもあるのですが、例外的に効果が長期間持続する部位があります。
それが目じりのしわ(いわゆるカラスの足跡)のしわ取り注射治療です。目じりのしわの治療の場合は、しわ取り注射を眼輪筋という筋肉に利かせ麻痺させるのですが、眼輪筋は非常に薄く、回復が遅いからだと考えられております。
もし長期間しわ取り注射を利かせていたいという方は、目じりのしわから治療を行うといいかもしれません。
ここ一週間ほど、顔のかゆみ(とくに目の周り、口回り)と、肌荒れを主訴にご来院される患者様が急増しております。
「季節の変わり目だから」ということで納得されている方も多いかと思いますが、ここではもう少し掘り下げて考えておきたいと思います。
ここ一週間ほどの肌荒れの原因としましては
①花粉症による影響
②気温の上昇に伴い汗が増えたことによる影響
③紫外線が増えたことによる影響
などが考えられるかと思います。
特に①の花粉症による影響の場合が最も多い様に思います。皮膚に花粉が付くことで発症する花粉症皮膚炎については何度もブログで紹介させていただきました。これまで花粉症になったことがないという方でも花粉症皮膚炎を発症されていることがありますので注意が必要かと存じます。結膜炎や鼻炎の症状がないのに、血液検査をしてみると、確かにスギ花粉に対するアレルギーを持っていることが分かることも多いです。
②の汗による影響や、③の紫外線による影響も、3月上旬ですと軽微かと思いますが、冬の長い乾燥のため、皮膚のバリア機能が低下し、わずかな変化に皮膚が対応できないという可能性もありますので注意が必要かと思います。この時期の肌荒れの患者様は女性に圧倒的に多いのですが、女性の場合は化粧や化粧落としの影響もあり、さらに皮膚のバリア機能が低下が進んでいることが多いため、と考えております。
治療法は、いずれも場合も、少しのステロイド外用薬、適度な保湿、適切なスキンケアという皮膚科の基本的なものとなります。
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