アトピー性皮膚炎の患者さまではスキンケアが非常に大事と以前書かせていただきましたが、今回は具体的にどのようにすればいいかを少し述べさせていただきます。
アトピー性皮膚炎の患者さまは、保湿剤(ヘパリン類似物質含有製剤、尿素製剤およびワセリンなど)の塗布により、湿疹の予防になり、再燃が抑えられることがさまざまなデータより示されています。そのため保湿剤の塗布はきっちりと行っていただくことが大事です。
そのほか、アトピー性皮膚炎のガイドラインでは以下のことが推奨され、三鷹はなふさ皮膚科でもほぼ同じ意見を持っております。
1.入浴,シャワーにより皮膚を清潔に保つ.
2.室内を清潔に保ち,適温・適湿の環境を作る.
3.規則正しい生活をおくり,暴飲・暴食は避ける.
4、刺激の少ない衣服を着用する.
5.爪は短く切り,掻破による皮膚障害を避ける.
特に夏場は、1.が大事になります。しかし、学校や職場は通常はシャワー室がなく、汗をかいた後に、そのままになっていることがほとんどです。
特に学校生活においては、体育の授業の後や、運動会の練習の後に、シャワーを浴びることができないのは普通のことです。私もそうでした。しかしそれは皮膚科医にとっては非常に憂慮すべき現状なのです。
シャワー浴を取り入れた学校ではアトピー性皮膚炎の患者さまの症状が軽快したとの報告がいくつかなされています。
ただ現状ではそのような学校、職場は少ないので、汗をかいたら、タオルやハンカチで汗をすぐに拭き取り、着替えのシャツを持って行って着替えるようにするのが良いのではないかと思います。そして家に帰ったらすぐにシャワーを浴びるようにしてください。
4.の刺激の少ない衣服についてですが、肌に直接接触する服は柔らかいコットンでできたものが良いとされています。洗剤のすすぎ残しにも注意が必要です。肌が非常にデリケートな方は、服を通常通り洗った後に、もう一度、洗剤なしで洗うようにしてみてください。
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