当院で採用しているQスイッチアレックスレーザーの副作用について、少し述べたいと思います。Qスイッチアレックスレーザーはシミをとるときによく使われるレーザーです。
副作用としては
・痛み(少しひりひりする程度と思います)。
・浮腫(数日、レーザーをあてた部位がむくむ可能性があります。)
・炎症後色素沈着
・肝斑の増悪
があげられます。
炎症後色素沈着はレーザーを照射することによって新たにできるシミで、特に治療をしなくても3~6ヶ月でかなり薄くなります。炎症後色素沈着は湿疹や、軽いやけどの跡にもできる色素沈着で、ほとんどの方が一度は経験されたことがあると思います。炎症後色素沈着は、特に普段からよく肌を焼いている方に出やすいです。もともとメラニンを作る細胞が活性化しているからだと考えれらます。以前、よく日焼けをされている男性の患者さまのレーザー治療を担当した際、炎症後色素沈着が元のシミよりも強く出てしまい、非常に申し訳ない気持ちになりましたが、約半年でかなり薄くなり、結果的には満足していただけました。
肝斑にQスイッチアレックスレーザーを打ち込むと、増悪することが知られていますが、注意深くシミを観察し、また慎重にレーザー治療を施行することで、避けることができます。
Qスイッチアレックスレーザーには、その他にはこれといった副作用はないので、注意深く施行すれば非常に安全性の高い治療と考えています。
シミについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
巻き爪と陥入爪の違いについて、あまり知られていないようなので、少し述べたいと思います。
巻き爪は文字通り爪が過度に湾曲した状態のことを言います。痛みが伴う場合もそうでない場合もあります。
それに対して陥入爪は「爪甲側縁先端がその周囲組織を損傷する状態」とされています。つまりご自身の爪にぶつかって周囲の組織が怪我をしてしまった状態と言い換えることができます。
巻き爪があると、陥入爪になりやすくなりますが、イコールではありません。
巻き爪がない陥入爪もしばしば見られます。(お子さんの場合は特にそうです)
陥入爪だけであれば、抗生物質の内服と、付け薬による処置のみで1~2週間ほどで軽快します。
陥入爪と巻き爪が合併している、つまり巻き爪によって陥入爪が発症している場合は、やや治療が困難になるケースがあり、手術やワイヤー法によって巻き爪を矯正しないとよくならない場合もあります。
本日は体の洗い方について少し述べたいと思います。
今更、体の洗い方といわれてもピンと来ない方も多いと思いますが、皮膚科的に正しい体の洗い方を知っていても損がないように感じますので、ご紹介させていただきたいと思います。
まず、石鹸をよく泡立ててから、手で体を優しく洗います。
タオルでごしごし洗う必要はありません。
湿疹のある部位も同様に洗ってください。「湿疹がある部位はカサカサしているので、石鹸では洗わない」とおっしゃる方がおられますが、そうすれば湿疹部位には汚れが残ったままとなり、かゆみや炎症がひどくなってしまいます。
夏場は一日一回、体を石鹸で洗うのがいいと思われます。
ご年配の方で、皮膚の乾燥が強い方であれば、冬場は2,3日に1回、石鹸で体を洗っていただく方法でもいいかもしれません。
しかしやはり夏場は毎日、石鹸で洗ったほうがいいと思います。乾燥が気になるようなら、保湿剤を塗布していただければと思います。角質の水分は入浴後、30分以内に大部分が蒸発してしまうため、入浴後すぐに保湿剤を使えば効果的です。
以上が、皮膚科的には標準的な体の洗い方になりますが、もし、ご自身の方法があり、全く皮膚にトラブルのない方は、今のままでいいと思います。
昨日は、地域の医師会の会合があり、僭越ながら、アトピー性皮膚炎についてプレゼンテーションさせていただきました。
アトピー性皮膚炎の発症機序についての考察、治療法などについて述べさせていただきました。地元の有名な先生方が多数おられる前での発表でしたので、少し緊張しましたが、貴重な経験ができたと感じています。
皮膚科の先生は来られていないと思い、専門的な話は避けたのですが、後で皮膚科の先生も来られていたことがわかり、少し冷や汗をかきましたが。
その後、懇親会でお酒を交え、他科の先生方と交流することができ、楽しく過ごすことができました。
やはり他科の先生とのネットワークがあるのは心強く感じます。
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