当院では毎日数名〜10名程度の患者さまの皮膚腫瘍(ほくろ、粉瘤、線維腫など)の手術を担当させていただいておりますが、中には血をさらさらにする薬を飲んでらっしゃる方も少なからずおられます。
血をさらさらにする薬(バイアスピリン、アンプラーグ、プレタール、プラブックスなど)を飲んでいても通常の皮膚腫瘍の手術の際に中止する必要はないのですが、ワーファリンという薬を飲んでいる方は術前に中止する必要があります。ワーファリンを中止することは内科的なリスクが高まりますので、主治医とよく相談した上でワーファリンを中止し、手術を行うことになります。
手術ご希望の患者様は、お薬手帳を持ってきていただければ便利ですので、是非お薬手帳のご持参をお願いしたいと思います。
ほくろ除去について良く効かれる質問に、どのような場合に保険適応になるのか?というものがあります。
当院のHPからの抜粋ですが、ほくろにより何らかの機能的問題がある場合に保険適応となります。
例えば
・顔を洗うときに引っかかる。
・ひげを剃るときに引っかかって、出血することがある。
・洋服を着脱するときに引っかかる。
・眼瞼にあり、視野の邪魔になる。
・悪性腫瘍の可能性を否定できない。
等の場合です。
つまり、そのほくろがあることで生活に何らかの支障をきたしているとき、もしくは放置した場合に何らかの悪影響を及ぼすことが予想される場合に保険適応となります。逆に美容目的でほくろを切除する場合は、保険適応外となりまう。
その他、ほくろは癌化することがあるか?というご質問もよくいただきますが、基本的には通常タイプのほくろの(Miescher母斑、Unna母斑、Clark母斑)がん化するリスクは通常の皮膚とさほど変わらないとされています。
ただし獣皮様母斑と呼ばれるような大型でたくさん毛が生えているようなほくろや、脂腺母斑と呼ばれる肌色から褐色の平坦でガサガサしたほくろなどは癌の発生母地になりますのでなるべく早く切除することが必要となります。
当院でほくろ切除を受けられる方が非常に多いですので、もし気になる方がおられましたらお気軽にご相談いただければ幸いと思います。
ほくろ除去についての補足ですが、
よく「目の近くのほくろは手術するのが危なそう」というご意見をいただくことが多いです。確かに目の周りのほくろの手術と聞くと少し怖い感じがするのですが、目の周り、特に目の際のほくろは比較的安全に簡単に取ることが出来ます。
メスとレーザーを組み合わせて手術をするのですが、特殊はコンタクトレンズを着用していただきレーザー治療を行いますので、レーザー光線で目を傷つけることもありません。目の際などは血流が非常に豊富で傷の再生能力が高いため、傷跡がほとんど目立たなくなります。
もしほくろが視野に入り、視界の邪魔をしている場合は保険も効きますので、目の周りのほくろでお困りの方は一度ご相談いただきたいと思います。
ほくろの除去を希望される方が急増しており、当院でも1日10個程度のほくろを除去させていただく日も珍しくなくなりましたが、少し補足しておきたいことがあるので述べさせていただきたいと思います。
ほくろの除去には大きく分けて、レーザー治療と手術療法があります。最近はレーザー治療を希望される方がとても多く、私もほとんどの場合、レーザー治療の方が優れていると考えておりますが、時に手術療法の方が優れている場合があります。
①首やお背中、胸、など顔以外のほくろで、盛り上がっている比較的大型のほくろの場合、手術療法の方が優れている場合が多いです。
レーザー治療を行った場合、傷の治りが若干悪く、ケロイド化する可能性も高いからです。
②シワの上に出来たほくろは、手術的に切りとって縫い目をシワにあわせてあげるとほとんど傷が分からないくらい奇麗に仕上がりますので手術療法の方が優れていると考えております。
(逆に一般的なお顔の1cm程度までのほくろであればレーザー治療の方が優れていると考えていいと思います。)
すべてにおいてレーザー治療の方が優れていると考えておられる方も多いのですが、そうでない場合もあるということは知っておいていただければと存じます。
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