「なぜ乾癬になってしまったのか?」とよく聞かれることがありますが、残念ながら現時点でははっきりしたことが分かっていません。
遺伝要因が関与していることは明らかですが、多因子疾患で、ある特定の単独遺伝子による影響は弱く、組み合わせによって発症しているようです。
ただ、一卵性双生児の方でも、発症一致度は70%強に過ぎず、環境要因も影響を与えていることが分かっています。
溶連菌やウイルスの感染後に乾癬(特に滴状乾癬)発症することもあり、溶連菌やウイルスの感染は、重要な環境要因の一つと考えられております。
飲酒、喫煙、肥満なども環境要因としての可能性が考えられていますが、こういった説を見たときは、「原因ではなく結果かもしれない」と少し疑う必要があります。(もちろんそれらは心疾患などその他の疾患のリスクになりますので避けたほういいと考えています)。
三鷹はなふさ皮膚科にはナローバンドUVBの照射機器が置いてあります。
UBVとは紫外線の一種で、ナローバンドUBV治療というのは、治療効果のある波長の紫外線を選択的に照射する治療のことです。
選択的に治療効果のある紫外線を照射することで、副作用が軽減され、かつ高い治療効果が得られます。詳しくは当院ホームページの光線治療の項目をご覧ください。
https://mitakahifu.com/ray/
尋常性乾癬は難治性の皮膚疾患で、長く付き合っていかなければならない疾患です。そのため、安定した効果が得られ、副作用が少ない治療を選択していかなければなりません。
乾癬の治療は、旭医科大学の飯塚先生のピラミット計画が有名で広く受け入れられています。
この治療アルゴリズムはビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬から治療が始まり、それで効果不十分なら、上の治療に進んでいくということを意味しております。
もしビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬による効果が不十分な場合、光線治療(近年であればナローバンドUVB)に進むのが一般的に受け入れられている考え方です。
上図からは、シクロスポリンの内服に進んでもいいことになっていますが、薬が高価で、腎機能障害などの副作用に注意しなければならないため、特別な事情がない限り、光線治療に進むのが良いと思われます。
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