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令和2年4月の手術実績数は2023件でした

はなふさ皮膚科の保険手術適応実績をお知らせいたします。
4月の手術実績は2,023件でした。

三鷹 新座 国分寺 久我山 志木 大宮
粉瘤 127 87 78 42 81 86
ホクロ 162 54 65 67 74 53
イボ 130 131 101 95 111 6
眼瞼下垂症 2 0 0 1 2 0
陥入爪 8 7 3 5 4 1
皮膚腫瘍 9 2 12 8 5 5
石灰化上皮膚 5 4 3 3 6 2
神経線維腫 0 1 0 0 0 1
脂腺増殖症 0 0 0 1 1 0
化膿性汗腺炎 7 0 3 0 0 0
軟性線維腫 1 9 0 3 3 0
汗管腫 0 0 2 0 0 0
肥厚性瘢痕 15 21 10 0 11 18
肉芽腫 1 2 0 2 1 2
脂肪種 8 3 1 1 1 0
皮膚線維腫 3 7 2 3 8 5
血管腫 0 7 1 0 3 1
毛巣洞 1 2 1 0 0 1
多発性脂腺嚢腫 2 0 0 0 0 0
黄色腫 0 1 2 1 1 1
基底細胞癌 2 2 0 0 1 0
コンジローマ 6 1 0 1 0 0
膿皮症 7 2 2 0 0 0
脂漏性角化症 18 25 19 9 13 7
ケロイド 30 8 18 3 12 5
エクリン汗孔腫 0 1 0 0 1 1
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化膿性汗腺炎の治療(手術を中心に)

化膿性汗腺炎の治療(手術を中心に)

化膿性汗腺炎は先進国を中心に増えてきている疾患です。
化膿性汗腺炎の重症度も様々でその治療法は多岐に渡ります。
代表的なものだけでも
・抗生物質の外用
・抗生物質の内服
・ビタミンA誘導体の外用
・ビタミンA誘導体の内服
・ステロイドの局所注射
・生物学的製剤(特にヒュミラ)
・生活習慣の改善(体重の減少、禁煙、締め付ける下着、服をやめる、肌に刺激の少ない衣類にする等)
・レーザー脱毛
・手術療法
などがあります。

ごく軽度な化膿性汗腺炎を除き、その治療に決定的な影響を与えるのは
・生物学的製剤(特にヒュミラ)
・手術療法
です。
そのほかのものはあくまで対処療法に過ぎないとも言えます。

さて今回は手術療法を中心とした記事とします。
手術に関しては日本では拡大切除、縫合もしくは皮弁形成が主ですが、実は重症例を除き、外来で手術を行うことが可能です。

化膿性汗腺炎に関しては、本法では軽症〜中程度までは抗生剤などで対処療法が行われ、重症になってから入院し拡大切除が行われることが多いと思います。その結果、手遅れになり癌が発生しなくなることも稀ですがあります。

せめて中等度のうちに外来で根治手術が行われていれば、重症にならずに済んだ方も多いかもしれません。

日本ではなぜか中等度の化膿性汗腺炎に対する根治的手術療法がすっぽり抜け落ちてしまってるのが現状です。日本の外来で好まれる単純切除縫合では、手間がかかる上に十分に広く切除しないと再発率が高いことが原因かもしれません。

外来での化膿性汗腺炎の標準的な手術療法は単純切除縫合ではありません。
炎症がある場合はI&D(日本でいう切開排膿とはやや意味が異なります)。

炎症がない慢性化膿性汗腺炎に対しては
やはりI&D、unroofing(=deroofing)とmarsupializationです。
欧米でのI&Dとは、単に切開して膿を出す、というのではなく、瘻孔や周囲の壊死組織、繊維化組織、嚢胞も掻爬する手技のことを言います。
Unroofingとは瘻孔に沿って全て切開していく手技ですが、中等度まで化膿性汗腺炎であれば80%程度、完治させることが可能です。

Marsupializationはあまり皮膚科領域では聞き慣れない手技かと思いますが、病変を大きく切除し、そのままオープンにしておく手技です。傷が上皮化されるまでにかなりの時間がかかりますので、本邦ではあまり行われておらず、筆者もあまり好きでありません。傷が上皮化される際に瘢痕拘縮が残ることもあるからです。かなり重症な病変であれば、入院の上、拡大切除、植皮術、もしくは皮弁形成術の適応となりますが、もしなんらかの理由で、入院できないという人がいれば、marsupializationを検討してもいいかと思います。手技は非常に簡単で再発率も低いのですが、なんせ治るまで時間がかかります。傷が治るまで数ヶ月くらい時間がかかることもあります。

重症の化膿性汗腺炎に関しては入院の上、拡大切除(病変より1−2cm広く切除)し、再建が必要になります。再建は植皮術、皮弁形成術などが行われます。
こちらはギリギリで切除した場合は再発しやすくなります。

▪️まとめ
化膿性汗腺炎は重症例を除き、外来手術でも十分、完治可能です。その際、本邦でよく行われてる単なる切開排膿や切除縫合術は再発率が高く、欧米でいうI&D、unroofing(=deroofing)、marsupializationを組み合わせた手術方法を行うべきです。

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ニキビ跡のサブシジョンとレーザー治療の併用療法

ニキビ跡で最も問題となるのが、クレーターによるニキビ跡です。

ニキビ跡のクレーターは

・ローリング型

・ボックスカー型

・アイスピック型

に分類されます。

治療法も多数あり、代表的なものだけでも

・ディープピーリング

・フラクショナルレーザー

・そのほか種々のレーザー

・切除縫合

・トレチノイン

・マイクロニードル(ダーマペン、ダーマローラ)

・FRM(イントラセル、ポテンザ)

・サブシジョン

・皮膚移植

などがあります。

これらは一人の患者さまに複数の多数混ざっていることが多いので、一つの治療だけでは限界があることが以前から言われていました。

当院では開院以来、ニキビ、ニキビ跡の治療を接触的に行い、膨大な症例を行なってきましたが、この度、サブシジョンとレーザー治療を組み合わせたコンビネーション治療が奏功することが明らかになりましたので報告させていただきます。
当院で治療を行なった10例のうち7例に著効(75%ー100%の改善)、3例に良い効果(50%ー75%)が見られました。

ニキビ跡治療のビフォアアフターの写真です。

写真は一切加工しておりません。

2週間で劇的に良くなっているのがお分りいただけるかと思います。

これまでの方法でここまで劇的にニキビ跡が改善しる方法は私の知る限りありません。

このサブシジョンとレーザー治療の併用療法はニキビ跡治療のゲームチェンジャー(大きな変革をもたらすもの)となるでしょう。

方法:サブシジョンとレーザー治療の併用療法

費用1平方cmあたり:35000円

副作用:内出血、腫れ、かさぶた化、瘢痕形成、色素沈着(数ヶ月)、赤み(数ヶ月)

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当院の新型コロナウイルスの対応について

新型コロナウイルスによる医療崩壊が懸念されております。総合病院でも皮膚科外来が制限されたり、皮膚科手術、形成外科手術が延期、中止されている状況が起こりつつあります。

我々は皮膚科・形成外科専門のクリニックですので、直接コロナウイルスと戦うことができない状況を大変恥じておりますが、医療崩壊を起こさないように我々の専門分野において医療を支えて行く所存です。

具体的には総合病院で中止されている手術を優先的に引き受けさせていただいております。

当医療法人は皮膚科専門医15名形成外科専門医12名(非常勤も含む)が所属する医療機関です。痛みの伴う粉瘤、巻き爪、化膿性汗腺炎、毛巣洞、緊急を要する炎症性疾患、皮膚悪性腫瘍、日常生活に重大な影響を及ぼす眼瞼下垂などの治療を優先して行ってまいります。

総合病院で全身麻酔下に入院手術予定とされていた殿部の14cmほどの巨大な皮膚腫瘍の患者様です。

 

30分ほどで摘出術は終わりました。

 

術後の経過も問題ありません。

もちろん院内感染対策のため、社会的距離の確保、消毒、換気、検温を徹底しております。

お困りの方は気軽にお近くのはなふさ皮膚科にご相談くださいませ。

毛巣洞の治療ガイドラインについて

The American Society of Colon and Rectal Surgeons Clinical Practice Guidelines for the Management
of Pilonidal Disease 

アメリカの大腸直腸外科医学会による毛巣洞に治療ガイドラインについて紹介します。

●剃毛、レーザー脱毛 グレード1C(強く推奨する。質の低いエビデンスあり。)

膿瘍を形成していない毛巣洞に対しては殿裂部(お尻の割れ目)の毛を剃ることや術後に週一回程度剃毛したり、レーザー脱毛を行うことで、再発を抑制することができる。

まあその通りですね。他院で手術だけされて、剃毛がされていない症例を見たことがありますが、術後1ヶ月程度でまたムダ毛が皮膚の中に侵入しようとしていきている所見がみられたこともあります。

せっかく毛巣洞の手術を行っても、その傷が治っている最中からすでに再発の原因が見られてきているということになります。

毛巣洞の治療において剃毛、レーザー脱毛は重要です。部位が部位なので自身で剃毛することは困難なので、クリニックでレーザー脱毛を行うことをオススメしたいと思います。

●フェノール法(膿疱のない毛巣洞に対して)グレード1B  (強く推奨する。中程度のエビデンスあり。)

陥入爪の手術法として有名なフェノール法ですが、海外では毛巣洞の治療法としても有名です。

まず剃毛し、病変を掻爬しその後、フェノールにて腐食させ、シストや瘻孔を壊し、癒着させます。

治癒率は65ー100%で、再発も20%以下であったとされています。

本法ではあまり行われていない治療法ですが、優れた治療法ですので、フェノール法になれたクリニックでは取り入れてもいいでしょう。

●フィブリン毛のり グレード2A(弱く推奨する。良質の根拠があり。)

慢性の毛巣洞の手術中にフィブリンのりを使用してデッドスペースを埋めるという方法はそれなりに再発や術後の合併症を減らすことが示唆されています。

ただし、保険適応の関係で日本ではほんとど使われておらず、今後も使われる可能性は低いでしょう。

●膿瘍を伴う急性の毛巣洞の患者にてしては切開排膿を行う。グレード1B(強く推奨する。中程度のエビデンスあり。)

初回の急性毛巣洞に対しては切開排膿だけで60%ー85%の確率で完治させることができると示されています。

ここでいう切開排膿は日本で行われている切開排膿とはかなり意味合いが違っており、米国ではかなりきつめに切開し、中の膿を完全にとりのぞき、周囲を掻爬し、上皮成分や肉芽、瘻孔をきちんと取り切ることを指します。これらをきちんと行えばほぼ再発することはありません。

ここで言及されている切開排膿は日本で行われている様な腫れている部位に少しメスを入れて膿だけ抜き取る手技とは根本的に異なります。ちなみに日本で行われている最初に少し膿だけ抜きとり少し落ち着いたところで切除、単純縫合する、という方法は再発率が高いのではないか、という論文が多数あります。個人的には日本型の毛巣洞の標準治療は時間がかかる上に、患者様の苦痛も長引き、再発率も高く、ほぼメリットがないと感じております。世界では術式も進化してきています。

●慢性の毛巣洞の患者には切除術を行う。グレード1B(強く推奨する。中程度のエビデンスあり。)

慢性毛巣洞に対して切除術を行うのは当然としても、いろいろな治療法があります。

単純に切除縫合する方法もありますし、切除し縫合しない方法、皮弁を形成し縫合部を殿裂部からずらす方法があります。・

日本では単純に切除縫合する方法という最も簡単が行われていますが、これは簡単であるというだけがメリットで、再発率が極めて高い方法です。論文によっては65%に及ぶ再発が報告されています。そのため、個人的にはほとんど行うことがありません。

単純縫合するくらいなら、縫合せずにオープン法とした方が優れています。そのほうがはるかに再発が少ないことがわかっています。

ただ病変が大きすぎてオープン法にできない場合や、即社会復帰が必要でオープン法が困難な場合は皮弁形成術を行い、縫合ラインを殿裂部からずらすといいでしょう。この方法は術者に多少経験がないと難しいというディメリットがあります。

●複雑で再発性の毛巣洞に対しては皮弁形成術を行う。グレード1B(強く推奨する。中程度のエビデンスあり。)

病変が進行している場合は、単に切除縫合するだけでは不十分で、広めに切除し、皮弁形成術にて閉創する必要があります。LimbergフラップやKarydakis フラップが代表的です。

●内視鏡を使った低侵襲手術を急性、もしくは慢性の毛巣洞に行う。グレード2B(弱く推奨する。中程度のエビデンスあり。)

内視鏡を使い瘻孔より挿入し、瘻孔やシストを焼灼して行く方法です。再発も少なく社会復帰も素早行くできていい方法なのですが、特殊な装置が必要なことと、保険適応がないことから今後も日本で普及して行く可能性は低いと思われます。

当院では熟練した形成外科医もしくは皮膚科医が最適な治療をご案内させていただきます。

もし毛巣洞でお困りの患者様がおられましたらぜひ当院にご相談くださいませ。

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