最近、粉瘤の治療を希望される方が増えて、他県から治療を受けにきてくださる方も増えております。先月の5月の粉瘤の手術の件数を調べたところ、1ヶ月で55件ありました。クリニックの中ではかなり多い方ではないでしょうか?
特に、臍抜き法と呼ばれる小さな穴をあけて粉瘤を引っ張りだす手術方法が多く、32件ありました。臍抜き法の長所は手術時間が短く、傷が小さく済み、長期的には傷跡は非常にきれいに仕上がる点です。
手術に伴う合併症(トラブル)はおかげさまで1例 もありませんでした。
今後もなるべく安全に迅速に合併症なく治療を行っていきたいと思います。
当院では毎日数名〜10名程度の患者さまの皮膚腫瘍(ほくろ、粉瘤、線維腫など)の手術を担当させていただいておりますが、中には血をさらさらにする薬を飲んでらっしゃる方も少なからずおられます。
血をさらさらにする薬(バイアスピリン、アンプラーグ、プレタール、プラブックスなど)を飲んでいても通常の皮膚腫瘍の手術の際に中止する必要はないのですが、ワーファリンという薬を飲んでいる方は術前に中止する必要があります。ワーファリンを中止することは内科的なリスクが高まりますので、主治医とよく相談した上でワーファリンを中止し、手術を行うことになります。
手術ご希望の患者様は、お薬手帳を持ってきていただければ便利ですので、是非お薬手帳のご持参をお願いしたいと思います。
ゴールデンウィークがあけてから炎症性粉瘤の患者様が急増しているようで、毎日数人の患者様がご来院されています。
炎症性粉瘤というのは粉瘤に細菌が感染し、腫れて痛くなる疾患ですが、時に夜眠れないほどの痛みが現れることもあります。暖かくてジメジメした季節になり細菌が増えやすい環境になってきたためと思われます。
膿が多量に溜まっている場合は抗生物質を飲んでもなかなか良くならないことが多いですので、局所麻酔をかけ粉瘤を少し切って膿を取り除く手術を行います。膿を取り除くことで痛みは劇的に楽になりますし、感染の治りも早まります。
手術自体は数分で終わりますので、粉瘤が腫れて痛い方は我慢せずにご来院することをお勧めしたいと思います。
最近、粉瘤の手術を希望される患者様が増えておられます。遠方よりお越しいただいている場合も多いので、なるべく素早く対応させていただきたい思っております。
手術方法についてですが、メスを使った一般的な切除法と、臍抜き法(ほぞぬきほう)があります。
臍抜き法は小さな皮膚科用パンチを使った手術方法で、粉瘤に小さな穴(直径3mm〜5mm)をあけて、そこから粉瘤の内容物を排出し、その後、粉瘤の袋を引っ張りだす手術方法です。
臍抜き法の方が人気があるようで、適応さえ間違えなければ臍抜き法の方が傷が小さくて済みますし、奇麗に仕上がる場合が多いのも事実です。ただ、臍抜き法はすべての粉瘤に適応になる訳ではなく、ある程度小さく(せいぜい2cmまででしょうか)、癒着が少ないものに限った方が良いと考えております。
大型のものや癒着の強いものに臍抜き法を行うと、再発のリスクが高くなってしまうためです。
気温が暖かくなるにつれ皮膚細菌感染症の患者様が増えております。皮膚細菌感染症の代表であるとびひはそれほど増えていないのですが、粉瘤に細菌が感染する疾患、炎症性粉瘤が非常に増えているようです。
もともとしこり(粉瘤)があり、そこが腫れていたくなってきた、という方は炎症性粉瘤を疑っても良いかもしれません。
炎症性粉瘤の患者様は、粉瘤の中に膿がたくさんたまってしまっていますので、まずは膿を取り除く手術(皮膚切開術)を行う必要があります。その後、1ヶ月ほどたって感染、炎症がきちんと治まってから改めて手術的にしこり(粉瘤)を取り除く方法が一般的です。
最初からいっそのこと、しこり(粉瘤)も全部取って欲しいといわれることも多いのですが、感染がある状態で、しこりを取り除く手術を行うことは術後感染の原因にもなりますし、傷が奇麗に治らない、再発の危険性が高くなる、といった問題がありますので、なるべく二回に分けて手術をする方法をお勧めしたいと思います。
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