円形脱毛症は自己免疫疾患ですので、通常はステロイド外用、ステロイド局所注射、ステロイド内服、冷凍凝固術などの治療を行います。ただそれらの治療を十分行ったにもかかわらず発毛が見られなかった患者様に対してHARG療法を施行しました。5回の治療でかなり改善が見られています。
もし円形脱毛症で十分にステロイドなどのよる治療を行い脱毛が進行していない場合、かつ発毛が見られない場合はHARG療法も一つの選択しになるように思います。
当院のHARG療法はミノキシジルやフィナステリドを組み合わせた独自のものですので、特に高い効果が期待できます。
HARG療法について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
最近、急に寒くなってきましたが、大気の乾燥に伴う湿疹(いわゆる皮脂欠乏性湿疹)の方が急増しています。
下のような症状の方が増えています。
左のような症状から始まり、右のような症状に進行していきます。
予防としましては部屋の加湿とともに保湿剤の塗布が重要な事は言うまでもないのですが、保湿剤の付け方にコツがあります。
保湿剤はかなりたっぷり、肌にのせるように優しく塗布しなければ行けません。
少し量を擦り込むように使ってしまう方が多いのですが、それでは肌に刺激を与えてしまうだけでかえって症状を悪化させてしまいます。
余談ですが、どうして保湿剤を肌に擦り込む方が多いのか疑問に思っていたのですが、以前、依頼された原稿を書いている際に20〜30年ほど前の古い論文を調べていると、「保湿剤は肌に擦り込む」という事が書かれていました。つまり以前は我々皮膚科医も、保湿剤を擦り込むというように指導していたのですね。
「傷を消毒する」と「保湿剤を肌に擦り込む」というのはかえって症状を悪化させてしまう悪しき習慣なのですが、以前は我々皮膚科医が指導していた事でもあります。適切なスキンケアが浸透していくように努力していきたいと思います。
最近、お子様が蚊にさされたところが大きく腫れて驚いたので受診した、という方が増えております。
ほとんどの場合特に心配が必要ないのですが、時に蚊刺過敏症という予後の悪い病気が含まれているので注意が必要です。
蚊刺過敏症というのは、蚊に刺された部位が腫れ、潰瘍が形成され、40度近い発熱や肝障害、リンパ節腫大が見られる疾患です。
EBウイルスというウイルスの感染が蚊刺過敏症の発症に大きな影響を与えているようです。EBウイルスは小児期から思春期にかけて多くの方が感染するありふれたウイルスで、感染しても数週間で治癒するのですが、一部の方では、そのウイルスが体内で再活性化され、持続感染しているようです。そういった方は蚊にささされると蚊刺過敏症を発症する場合があるようです。
蚊刺過敏症の方は将来的に血球貪食症候群や悪性リンパ腫を発症するリスクが高いですので、精密検査が必要となります。
アタマジラミというと戦前、戦争中のことを連想される方も多いかもしれませんが、現在お子様のアタマジラミが急増しております。幼稚園や小学校の集団感染も発生しているようです。
アタマジラミは直接接触で感染する事が多いので、頭どうしを接触して遊んだり寝たりするお子様に多く発症します。またアタマジラミは体から離れても成虫は約72時間、卵は約10日間生存する事もありますので、枕や帽子を介して感染する事もあるようです。
枕カバーや帽子はドライクリーニングや熱湯に付ける事でアタマジラミを駆除する事が可能です。乾燥機でも十分駆除できると思います。
アタマジラミにかかってしまった場合はフェノトリンシャンプー(スミスリンシャンプー)を3〜4日に2週間ほど試用することで駆除できますが、近年フェノトリンシャンプーが聞かないアタマジラミが出現しており、今後さらに増えていくと予想されます。
その場合、丸坊主にするか、専用のクシで成虫、卵を除去する方法があります。それでもうまくアタマジラミを駆除できない場合は、イベルメクチンの内服を行いますが、保険適応はなく、体重が15kg以上の方でないと内服できない、という問題点があります。
アタマジラミが疑われた場合は早めに医療機関に受診されるように御願いしたいと思います。
暑い季節になり、汗をかく機会が増えてきました。
汗をかくと肌が痒くなるので汗は肌に悪い、と考えている方も多いかもしれません。
特にアトピー性皮膚炎の方ですと、大部分の方が汗をかくと症状が悪化する、と感じておられるようです。
ただ、汗には肌を潤す効果や肌の温度を適切に保つ効果があり、さらに汗には抗菌ペプチドという細菌の繁殖を抑えるタンパク質が含まれていますので、汗をかく事自体は悪い事ではありません。アトピー性皮膚炎の患者様はむしろ発汗量が低下している、という報告もあるようです。汗の腺を鍛えるためには半身浴やジョギングなども有効と考えられています。
ただ肌が荒れている状態で一気に大量の汗をかきますと、汗がしみてしまったりして湿疹の原因となる事も多いようです。急に掻いた汗というのはややアルカリ性に傾こととも多いようですので、それもしみてしまう原因の一つのようです。
やはり大量に汗をかいたときにはそれを拭き取るか洗い流すか、洋服を着替えるかした方がいいと考えています。
まとめますと、汗の腺を鍛えた上で、汗をかいた場合はしっかり拭き取ったり、洗い流す、というのがいいようです。
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