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虫刺されにご注意ください。

 虫刺されによる患者様が急増しております。
 虫刺されといってもたくさん種類があり、代表的なものだけでも
蚊、ブヨ、アブ、ノミ、ダニ、ハチ、アリ、毛虫などがあります。
 ブヨ等に刺されると、1年近く痒い場合があり、掻いているうちに難治性皮膚疾患である結節性痒疹という固まりなってしまう場合がありますので、早期にステロイド外用を開始したほうがいいと思われます。
 ノミはペットに寄生していることがあります。ペットを飼っていて、下腿などにいつの間にか虫刺されがたくさんできてきたという場合は、ノミを疑ってもいいかもしれません。
 ダニはアレルギーの原因としても非常に有名ですが、人を刺す種類のものもあります。ツメダニは人を刺すダニの一つですが、「皮膚科学体系」によると、東京都のご家庭では4.9%でツメダニがいたと報告されております。畳やござ、絨毯の上で寝て、それらと接触していた部位に虫刺された生じた場合はツメダニによる虫刺されを考えてもいいかもしれません。
 マダニによる虫刺されはそれほど多くないのですが、皮膚にかみついたら何日も離れないことが多く、患者様は発見すると驚いてご来院されます。手術的に切除するしかない場合が多くあります。ライム病の予防のために抗生物質の予防投与を行わなければなりません。
 人に寄生し、人の中で増えていくヒゼンダニというダニもあります。ヒゼンダニによる感染症は、疥癬とよばれご高齢者を中心に非常に増えています。家族中に広がってしまうことがあります。
 ドクガやチャドクガ等の幼虫(毛虫)による虫刺されも非常に増えています。これらの毛虫による虫刺されは、直接毛虫と接触しなくても、毛虫が吐いた糸や脱皮殻などに接触しても起こるという点に注意が必要です。
 まだまだ書きたいことはあるのですが、虫刺されといっても種類がたくさんあり、それぞれ対処法が異なるので、気になる方は一度皮膚科できちんとも見てもらったほうがいいかもしれません。

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新しいレーザーと従来のQスイッチアレックスレーザーの使い分け

 以前、ブログで書かせていいただいたように新しいレーザー(サイノシュア社エリート)を納入させていただきました。
 複合機のためシミの治療にも使えるので、以前から使っているQスイッチアレックスレーザー(キャンデラ社)は必要ないのでは?と思われる方がおられるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
 やはりシミを完全にとりきって、再発させない為には、Qスイッチアレックスレーザー(以下Qスイッチと呼びます)が必要なのです。ではQスイッチだけでいいかというと、そうもいきません。Qスイッチは一瞬にかかるエネルギーが強すぎて時に炎症後色素沈着という別のシミができてしまうことがあるためです。炎症後色素沈着は3~6ヶ月程度で大部分消失しますが、やはりその間はがっかりされる患者様が多いのです。またQスイッチはレーザー照射後7日~10日間は照射部に紫外線を当てないように細心の注意しなければなりません。以上より、Qスイッチを顔面全体に充てるのは少しリスクが高く、生活スタイルによっては困難と感じる患者様もいらっしゃると思います。
 逆にエリートによる治療では、シミを取りきる、という点ではQスイッチに及びませんが、炎症後色素沈着のリスクを下げダウンタイムが無いように治療を行うことができる点や、シミだけでなく毛穴や小じわ、赤ら顔等にも対応できるという点が優れています。
 以上よりどちらのほうが優れているということは困難で、患者様の生活スタイルや、どのような結果を求めているかによって、使い分けていくのがベストということになります。

シミについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

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外用薬基剤による皮膚刺激性の違い

普段のスキンケアで使う基礎化粧品や、皮膚科でお出しする外用薬は、
①軟膏(ワセリンなど)
②コールドクリーム基剤
③バニシングクリーム基剤
④乳液タイプのローション基剤
⑤透明な液状を呈するソリューション基剤
などに分かれますが、それぞれ皮膚に対する刺激性が異なります。
一般的に刺激の少ない順に①、②、③、④、⑤となっております。
化粧水や美容液などは⑤に分類されることが多いと思われますが、それなりに刺激が強いということは知っておいたほうがいいように感じます。
皮膚にトラブルがない場合は、それらのものを使っても全く問題ないのですが、皮膚があれている場合、湿疹がある場合は、それらのものを塗るとヒリヒリと痛みを感じてしまうかもしれません。
特に化粧水は非常に安全性の高いもの、という印象が強いようで皮膚にトラブルを抱えている場合もとりあえず化粧水を付ける、という方が多いのですが、実はそれほど得策ではなく、むしろワセリンなどの軟膏の方が安全に使える場合が多いのです。

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夏に多い病気②あせも

 あせもは汗管(汗の通り道)がつまり、汗が汗管の外に漏れだし、かゆみや炎症が起こる病気のことです。
 夏に増える皮膚疾患の代表といって良いと思いますが、なぜ汗の通り道がつまってしまうのかというと、皮膚が汗などでぬれたままの状態では角質がふやけ、膨張し、毛穴をふさいでしまうという理由が多いようです。例えば、乳幼児の首は、将来大きくなった時のために皮膚が余分にあり深いしわがあります。そのしわの中ではただでさえ、汗管がつまりやすいのに、汗がたまったままの状態で放置されると、角質がふやけ益々、汗管がつまりやすくなってしまいます。大人でも極端に通気性の悪い服を着ていたり、急に高温多湿の環境に行くと、汗管がつまりあせもになることがあります。
 予防としては、なるべく汗をかいたらすぐにシャワーを浴びさせる(それができなければ濡れタオルなどで優しくふき取ってあげる)、衣類をまめに取り換える、寝具をまめに取り換える、衣類、寝具は風通しの良い、吸水性のいいものを選ぶ、室温、湿度を調整するといったことが有効です。
 角質がなめらかになるように、さっぱりとしたベビーローションなどで適度に保湿してあげることも予防として有効です。

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夏に多い病気①とびひ

 4月も終わりに差し掛かり、かなり気温が上昇し、とびひ(=伝染性膿痂疹)などが気になるようになりました。
 とびひは黄色ブドウ球菌やA群β溶血性連鎖球菌などを原因とする表皮の感染症ですが、水疱性膿痂疹と非水疱性膿痂疹に分かれます。水疱性膿痂疹は黄色ブドウ球菌が産生するexfoliative toxinという毒により、表皮が剥離し水疱ができることにより発症します。水疱性膿痂疹は、0~2歳、非水疱性膿痂疹は2~5歳のお子様に多いとの統計が出ています。
 水疱性膿痂疹は正常皮膚からも発症しますが、非水疱性膿痂疹は虫刺されやあせも、湿疹の掻き壊しなどの小さな傷から始まることが多く、それらの傷を適切に手当てすることで発症を防ぐことができます。
 具体的には、皮疹部をきれいに石鹸で洗い、虫刺され、あせも、湿疹を掻かずに済むようにステロイド外用薬などの付け、早期に治療を行うということになります。乾燥肌がある場合は保湿剤も予防効果があります。
 いったんとびひになってしまえば、抗生剤の内服や外用により治療を行います。皮疹部は洗っていいのか、というお問い合わせをよくいただくのですが、ぜひ石鹸で優しく洗っていいただきたいと思います。

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