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手湿疹はもう少し詳しく分類したほうがいいかもしれない。

 手湿疹はこの季節、最も多く診察する機会の多い疾患の一つですが、本邦の医学書ではあまり詳しく書かれていない傾向にあり、「ステロイドを塗布しましょう、保湿剤を頻回に使いましょう、手を洗いすぎないようにしましょう」といったことしか書かれていないことが多いようですが、もう少し詳しくみたほうがいいのではないか、と感じることがあるので少しコメントしておきたいと思います。
 米国の医学書を見ると手湿疹は
Irritant contact dermatitis(刺激性接触皮膚炎による手湿疹、いわゆる主婦湿疹もここに含まれます)
Atopic hand dermatitis(大人のアトピー性皮膚炎の一症状としての手湿疹)
Allergic contact dermatitis(アレルギー性接触皮膚炎)
Recurrent focal palmar peeling( 剥脱性皮膚炎)
Lichen simplex chronicus(慢性的に掻くことにより発症している)
Hyperkeratotic eczme(角化の強いタイプ)
Fingertip eczema(湿疹病変が指先に限局しているタイプ。アレルギーが強く疑われる)
Pompholyx(汗疱。日本では手湿疹とは別の疾患概念として扱われることが多い)
Id reaction(日本でいう感作性皮膚炎や白癬疹に伴う症状)
 に分類されています。
 それぞれ臨床症状、管理方法、臨床経過、鑑別疾患が微妙に異なりますので、簡単に「手湿疹」で済ませずに、詳しくみるように心がけたいと思います。

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