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プラセボ効果について

 基礎化粧品の分析の仕方を教えてほしいというご希望が非常に多いので、それについて徐々に述べていくつもりですが、今回はプラセボ効果(偽薬効果)について少し述べたいと思います。
 これまでにプラセボ効果という言葉を聞いたことがおありでしょうか?
 プラセボ効果というのは、ある薬を、非常に効果のある薬を思い込んで使用していると、たとえその薬が偽薬(有効成分の入っていない薬)であったとしてもある程度効果を示す現象のことです。暗示効果の一つと言い換えられると思います。
 この効果は非常に強力で、かゆみ止めの付け薬はもちろんのこと、血圧を下げる薬、コレステロールを下げる薬でも起こります。
 例えば素晴らしい血圧を下げる薬と思い込んで飲んでいると、たとえ有効成分が入っていない薬でもある程度、血圧が下がってくるという現象がおこります。
 そのため、薬の効き目を調べる試験では必ずダブルブラインド(二重盲検)試験といわれる試験が行われます。例えばAという降圧薬の効果を調べるとします。100人の患者さまを集め、50人にA、50人に偽薬(形はそっくりですが、有効成分の入っていない薬)が渡されて、本当にAが効果のある薬なのかが調べられます。
 その際は医者も、自分の処方している薬がAなのか偽薬なの分からないようになっています。なぜそうするのかというと、医者が自分の処方している薬がAだと分かれば、医者は自身満々に、「この薬は新薬で素晴らしい効果がある。」と思い処方するでしょう。患者さまにもその自信が伝わります。逆に、医者が偽薬を処方していると分かっていれば、「効かない薬を処方して申し訳ない」、という気持ちになり、患者さまにもその気持ちが伝わってしまいます。
 このような状況になれば、すでに勝負ありで、Aは圧倒的に優位に立つことになるのです。
 それを避けるためにダブルブラインド(つまり、医者も患者さまもAか偽薬のどちらを飲んでいるか分からない)試験が行われるわけです。その試験には膨大な費用と手間がかかりますがそうしなければいかないほど、プラセボ効果は強力なのです。
 これは基礎化粧品にも当てはまります。例えば、高価で、容器、香りも高級感があり、しかも自分の信頼しているブランドのものであれば、実は安価なものとあまり成分が変わらなくても、優れた効果を発揮するでしょう。自分の肌はきれいになると信じて、またそのイメージを持ちながらスキンケアすることで、プラセボ効果を引き出すことが出来るのです。しかし、逆に考えると、ある基礎化粧品を10人の方に試し、優れた効果があったからと言って、その化粧品が優れているとは必ずしも言えません。プラセボ効果を引き出しただけかもしれないからです。

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