普段のスキンケアで使う基礎化粧品や、皮膚科でお出しする外用薬は、
①軟膏(ワセリンなど)
②コールドクリーム基剤
③バニシングクリーム基剤
④乳液タイプのローション基剤
⑤透明な液状を呈するソリューション基剤
などに分かれますが、それぞれ皮膚に対する刺激性が異なります。
一般的に刺激の少ない順に①、②、③、④、⑤となっております。
化粧水や美容液などは⑤に分類されることが多いと思われますが、それなりに刺激が強いということは知っておいたほうがいいように感じます。
皮膚にトラブルがない場合は、それらのものを使っても全く問題ないのですが、皮膚があれている場合、湿疹がある場合は、それらのものを塗るとヒリヒリと痛みを感じてしまうかもしれません。
特に化粧水は非常に安全性の高いもの、という印象が強いようで皮膚にトラブルを抱えている場合もとりあえず化粧水を付ける、という方が多いのですが、実はそれほど得策ではなく、むしろワセリンなどの軟膏の方が安全に使える場合が多いのです。
美容皮膚科の治療はクリームでもレーザーでも保険がきかないため高額になりがちですが、あまりお金をかけなくて済む場合もあります。
ちょっとした皮膚のくすみ、ちりめんじわと呼ばれるような浅い小しわの場合は、禁煙と保湿(1日2回)、紫外線予防をきちんとするだけでかなりよくなることが多いのです。これだけのことか、と思われる方も多いと思われますが、欧米の美容皮膚科の教科書を読むとこれらのことが意外など強調されていることがあります。
逆に高価な美容皮膚科の治療メニューを受けても、こららのことがきちんとされていない場合、思ったほどの効果が出ない場合があります。例えば最新の美白クリームを買って使っても、紫外線をたくさん浴びてしまうと、効果が相殺されあまり肌は白くなりません。
禁煙と保湿(1日2回)、紫外線予防は全員の患者様にお勧めできることですが、とくに美容皮膚科の治療を受けたのに思ったほど効果が出なかったと思われる方には、もう一度確認していただきたいと思います。
あせもは汗管(汗の通り道)がつまり、汗が汗管の外に漏れだし、かゆみや炎症が起こる病気のことです。
夏に増える皮膚疾患の代表といって良いと思いますが、なぜ汗の通り道がつまってしまうのかというと、皮膚が汗などでぬれたままの状態では角質がふやけ、膨張し、毛穴をふさいでしまうという理由が多いようです。例えば、乳幼児の首は、将来大きくなった時のために皮膚が余分にあり深いしわがあります。そのしわの中ではただでさえ、汗管がつまりやすいのに、汗がたまったままの状態で放置されると、角質がふやけ益々、汗管がつまりやすくなってしまいます。大人でも極端に通気性の悪い服を着ていたり、急に高温多湿の環境に行くと、汗管がつまりあせもになることがあります。
予防としては、なるべく汗をかいたらすぐにシャワーを浴びさせる(それができなければ濡れタオルなどで優しくふき取ってあげる)、衣類をまめに取り換える、寝具をまめに取り換える、衣類、寝具は風通しの良い、吸水性のいいものを選ぶ、室温、湿度を調整するといったことが有効です。
角質がなめらかになるように、さっぱりとしたベビーローションなどで適度に保湿してあげることも予防として有効です。
4月も終わりに差し掛かり、かなり気温が上昇し、とびひ(=伝染性膿痂疹)などが気になるようになりました。
とびひは黄色ブドウ球菌やA群β溶血性連鎖球菌などを原因とする表皮の感染症ですが、水疱性膿痂疹と非水疱性膿痂疹に分かれます。水疱性膿痂疹は黄色ブドウ球菌が産生するexfoliative toxinという毒により、表皮が剥離し水疱ができることにより発症します。水疱性膿痂疹は、0~2歳、非水疱性膿痂疹は2~5歳のお子様に多いとの統計が出ています。
水疱性膿痂疹は正常皮膚からも発症しますが、非水疱性膿痂疹は虫刺されやあせも、湿疹の掻き壊しなどの小さな傷から始まることが多く、それらの傷を適切に手当てすることで発症を防ぐことができます。
具体的には、皮疹部をきれいに石鹸で洗い、虫刺され、あせも、湿疹を掻かずに済むようにステロイド外用薬などの付け、早期に治療を行うということになります。乾燥肌がある場合は保湿剤も予防効果があります。
いったんとびひになってしまえば、抗生剤の内服や外用により治療を行います。皮疹部は洗っていいのか、というお問い合わせをよくいただくのですが、ぜひ石鹸で優しく洗っていいただきたいと思います。
日本皮膚科学会誌に掌蹠膿疱症の統計学的な検討が掲載されています(札幌医科大学皮膚科、加瀬先生ら)
その統計を見ますと、掌蹠膿疱症の患者様のうち、皮膚科的な治療で症状が完全消失した方(著効)、もしくは過角化や落屑は残るものの、紅斑、水疱、膿疱は消失し再燃のない方(有効)の合計が41.2%でとあります。著効、有効は患者様にとっては「治った」と実感できる改善度と思われます。
何度かブログで触れさせていただきましたが、掌蹠膿疱症の発症には喫煙が関与しているといわれており、禁煙により症状の改善が見込めるとされています。
本論文では、喫煙を継続中の患者様では、著効、有効が39.1%であったのに対し、禁煙中と禁煙歴なしの患者様では著効、有効が51.5%であったと書かれています。
実際このデータからだと、禁煙がどの程度、皮疹の改善に役立つのかは、はっきりとはわかりません。治療開始と同時に禁煙を行った患者様の著効、有効率が分かれば、もっと禁煙による治療効果への影響を知りえたのではないか思います。今回のデータの39.1%と51.5%では思ったほど大きな差が無いように感じるのですが、もしその方法で、統計を取ったなら、もっとはっきりした差が出たのではないかと感じます。


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