水虫は皮膚科においてありふれた病気で、当院にも多くの水虫の患者さまが来院されます。
皮膚科外来で、患者さまからお叱りをいただくことの多い疾患が、意外にも水虫についてだったりします。
水虫について詳しく知りたい方は当院のホームページ、水虫について、をご参照ください。https://mitakahifu.com/tinea/
お叱りをいただく一番の理由は「かゆみが取れない」ということです。
水虫=白癬症=皮膚糸状菌の一種の感染症ですが、湿疹も合併していることがかなり多く、皮膚糸状菌を顕微鏡で検出したとしても、まずはステロイド外用薬にて湿疹の治療を先行させなければならないケースが時にあります。
水虫治療薬には湿疹を治す作用は弱く、なおかつかぶれやすいものもありますので、いくら付けても湿疹が良くならず、かゆみが残ってしまうからです。逆にまずはステロイド外用薬にて一週間程度、治療を行うとかゆみは劇的に改善することが多いのです。
ただ、その場合、患者さまに薬を切り替えていただくタイミングを詳しくお教えするか、もしくは頻繁に来院していただく必要があります。さらに患者さまに「なぜ水虫にステロイドを出すのか?」と思われてしますことがあり、やや処方する方としては心理的なハードルが高くなってしまいます。そのため、いきなり水虫治療薬を処方してしまうことが多いのです。(もちろんほとんどのケースではそれで良くなります。)
ちなみに、水虫には薬剤耐性水虫菌は報告されておらず、適切な水虫治療薬にて治療すれば基本的には菌量は減っていくはずであり、水虫治療薬が効いていないということはないはずです。かゆみが改善しないとすれば、湿疹の要素が強かったか、もしくは水虫治療薬にかぶれたということになります。(余談ですが、水虫治療薬によるかぶれは事前に予見することは出来ないので、かぶれてしまったら、謝ることしかできません。。。)
以上を踏まえ、当院では水虫の患者さまで、湿疹の要素の強い方には、まずはステロイド外用薬を一週間程度使用していただき、その後に水虫治療薬を塗布することを標準治療の一つとしています。
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