一週間ほど前に、当院は混み合っていて座れないというお叱りのご意見をいただきました。実際には患者様が座れないほど混み合っている時間帯はあまりないのですが、早速ボックス型のソファーを二つ購入し鑑賞植物をどけ、置かせていただきました。雑誌は最新のファッション誌、週刊誌、女性週刊誌、歴史の本、グルメの本、漫画誌、新聞が置いてあり、自由に読んでいただけます。
また、レーザー治療などの、治療が長くなる患者様用に、診察室の奥にアロマをやりながらのんびりと待つことのできるスペースも用意しております。当院では患者様にいただいたご意見は一つも無駄にすることなく、すべてスタッフ全員で検討し、改善につなげております。改善は迅速に行うようにしております。
何かお気づきの点がありましたら、当院受付にあるアンケートに書いていただくか、メールinfo@mitakahifu.comをいただけましたら、すぐに対応させていただきますので、お気軽にご意見をお願いいたします。
いつも当院のホームページを見ていただいている患者様に、「どうして最近ブログや写真の更新がないのか」とお叱りの言葉をいただいたのですが、月初はレセプトの整理に追われているため、ブログの更新をする時間が取れなかったためなのです。
本邦の医療制度では、医師は行った医療行為の報酬の7割~10割を社会保険支払基金や国民健康保険団体連合会などに請求するシステムになっているのですが、その明細書がレセプトと呼ばれるもので、診断した病名と医療行為、処方内容の整合性が取れていることが必要となります。
例えば保湿剤であるヒルドイドという薬を処方した場合は、皮脂欠乏症などの病名が付いていないといけないということになります。診療中に忙しく、つい病名をつけ忘れてしまった場合は、正当な医療行為を行ったにもかかわらず、レセプト審査で却下され、保険請求が出来なくなってしまいます。それを防ぐために、月初にカルテを見直さなければいけません。それを今まさに行っているレセプトチェックと呼ばれる行為なわけです。
レセプト審査は、概ね病名と医療行為があっているかどうかの機械的な審査に過ぎず、その医療行為が、医学的、倫理的、社会的に正当かどうかを深く考察するものではありません。
昨今、医療費抑制の観点からレセプト審査にコンピューターを導入し、保険請求と病名あっていない医療行為はどんどん却下していこうという流れになっておりますが、それでは医師がうっかりと病名を付け忘れた医療行為を発見し却下するだけであって、本質的な問題解決にはならないように思われます。
レセプト審査は、医療行為が医学的のみならず、倫理的、社会的な正当性も評価するものになってほしいと思います。それが結果的には、不要な医療を抑制し、本当に医療を必要としている方への医療の供給を容易にするものと考えているからです。しかし、行われている医療が倫理的、社会的に正当かどうかを一体誰が評価すればいいのでしょうか?哲学者や社会学者などでしょうか?それとも裁判員制度のように一般の方の合議であったほうが良いのでしょうか?より深い議論が必要なように感じます。
本日は図書館にて2011年の皮膚科関連、アレルギー関連の雑誌を一通り見てきました。
アトピー性皮膚炎に関しては
完全食物アレルゲンと思われていたものも実は経皮的に感作されているのではないか?
というテーマが印象的でした。完全食物アレルゲンというのは、食べることによって消化管で感作され、再度食べることにより、アレルギー反応を起こすもののことで、卵、牛乳、小麦などが代表です。ピーナッツもそうだと思われていたのですが、実は経皮感作によってアレルギーを引き起こしている可能が高いということが分かりました。それはかなりインパクトのあることなのですが、卵も経皮感作されうるのではないか、という話まで乗っていました。
つまりアトピー性皮膚炎はアレルギーからではなく、角質のなんらかの脆弱性から発症しているということで、数年前から言われていることですが、2011年も大きな話題になっていました。アトピーにおける角質の脆弱性と、アレルギーは互いに卵と鶏の関係で、どちらからスタートしているのかはわからなかったのですが、角質の脆弱性からスタートしている可能性が高まってきたのです。これは我々皮膚科医にとってとても励みになる見解で、乳児期から徹底的にスキンケアを行えば、アトピー性皮膚炎になっていたであろう方のアトピー性皮膚炎を発症させずに済む、もしくはより軽症で抑えることが可能になるということが示唆させるわけです。
そのほかTh17や好塩基球が発症に大きな役割を果たしているかもしれない、という話題も印象的でした。血中TARC値という病勢の測定方法も一般化してきているようです。遺伝子解析も進んできているようです。やはり遺伝子解析がアトピー性皮膚炎という非常に複雑な疾患の病態理解のカギになるのでしょうか?
尋常性乾癬に関しては、やはり生物学的製剤の話題が中心です。生物学的製剤の有効性は私もよく分かっていますが、やはりその費用と、検査の煩雑さはやはりネックになると思います。費用が安く、(副作用がほとんどないため)検査があまり必要ない生物学的製剤が出てきたとき、もしくは尋常性乾癬をコントロールするのではなく、完治させてしまう生物学的製剤が出てきたときはすごいインパクトになると思います。
尋常性ざ瘡に関しては病態の理解がさらに進んだ印象があります。治療方針に関しては特に目新しいものはありません。
明日より診療を開始します。正月気分もすっかり抜け、明日より診療を再開するという緊張感を感じています。全力で頑張りますので、なにとぞよろしくお願いします。
無事、2011年の診療を終了することができました。本当にありがとうございました。
とはいえ、まだ全快されていない患者様も多く、手放しで喜ぶことができない気持ちもあります。お変わりなく、穏やかに年末年始をお過ごしいただけますように、心からお祈りしたいと思います。
今年は慣れない点が多く、患者様にご迷惑をおかけしたことも多かったと存じますが、来年はさらに患者様に期待にお答えできるように全力を尽くす所存ですので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
また日本皮膚科学会雑誌から円形脱毛症の病態update(伊藤泰介先生)の内容を簡単に紹介しておきます。
成長期毛の毛包は”immune privilege”と呼ばれる、免疫抑制状態が維持されており、その”privilege”(特権)が破綻することにより、円形脱毛症が起こってくるのかもしれないという話です。
円形脱毛症は、自己の免疫細胞が誤って毛包を攻撃してしまうことにより発症する可能性が高いのですが、そもそも成長期の毛包は免疫細胞の攻撃を受けないように保護しているメカニズムがあり、そのメカニズムが破綻することで円形脱毛症が発症しているのかもしれないということです。
免疫というメカニズムは炎症等の免疫反応を起こすこと(例えば、外敵に対する攻撃性)のみに注意が向いてしまいますが、同程度に炎症を起こさない、免疫反応が暴発しないよう抑制し、コントロールしている複雑な機能があり、その破綻によりさまざまな皮膚疾患が起こってきているとうことが改めて認識させられました。
よく患者様が円形脱毛症などを患われると、「疲れやストレスで免疫が弱ってしまったから、この病気になってしまった」と考える方がおられますが、正確には「疲れやストレスで免疫反応を抑制する機能が低下してしまったから、この病気になってしまった」といったほうが正確なのかもしれません。


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