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レセプトチェック中の雑念

 いつも当院のホームページを見ていただいている患者様に、「どうして最近ブログや写真の更新がないのか」とお叱りの言葉をいただいたのですが、月初はレセプトの整理に追われているため、ブログの更新をする時間が取れなかったためなのです。
 本邦の医療制度では、医師は行った医療行為の報酬の7割~10割を社会保険支払基金や国民健康保険団体連合会などに請求するシステムになっているのですが、その明細書がレセプトと呼ばれるもので、診断した病名と医療行為、処方内容の整合性が取れていることが必要となります。
 例えば保湿剤であるヒルドイドという薬を処方した場合は、皮脂欠乏症などの病名が付いていないといけないということになります。診療中に忙しく、つい病名をつけ忘れてしまった場合は、正当な医療行為を行ったにもかかわらず、レセプト審査で却下され、保険請求が出来なくなってしまいます。それを防ぐために、月初にカルテを見直さなければいけません。それを今まさに行っているレセプトチェックと呼ばれる行為なわけです。
 レセプト審査は、概ね病名と医療行為があっているかどうかの機械的な審査に過ぎず、その医療行為が、医学的、倫理的、社会的に正当かどうかを深く考察するものではありません。
 昨今、医療費抑制の観点からレセプト審査にコンピューターを導入し、保険請求と病名あっていない医療行為はどんどん却下していこうという流れになっておりますが、それでは医師がうっかりと病名を付け忘れた医療行為を発見し却下するだけであって、本質的な問題解決にはならないように思われます。
 レセプト審査は、医療行為が医学的のみならず、倫理的、社会的な正当性も評価するものになってほしいと思います。それが結果的には、不要な医療を抑制し、本当に医療を必要としている方への医療の供給を容易にするものと考えているからです。しかし、行われている医療が倫理的、社会的に正当かどうかを一体誰が評価すればいいのでしょうか?哲学者や社会学者などでしょうか?それとも裁判員制度のように一般の方の合議であったほうが良いのでしょうか?より深い議論が必要なように感じます。

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