前回のブログでこれまでの粉瘤治療の問題点について書かせていただきました。
今回は新しい粉瘤治療についての書きたいと思います.
新しい粉瘤治療は小さな穴から粉瘤を抜き取る方法、いわゆる臍(ほぞ)抜き法もしくはくりぬき方と呼ばれている方法です.
この方法では傷が非常小さくなるのですが、技術的にやや熟練が必要で、さらに取り残し、再発の可能性が高くなるとされ、あまり普及してこなかったという歴史がありました。
しかし、傷を小さく治したいという患者様からの要望が強く、徐々に臍抜き法が普及し、現在は臍抜き法の方が標準的となりつつあります.
当院では粉瘤治療年間2332件のうち、大部分を臍抜き法にて治療を行っています。
再発率も通常の方法より劣るものではありません。
粉瘤は皮膚腫瘍であるため、外科的に切除するしかありません。
それは残念ながら今もかわっていません。
粉瘤の手術では、これまで木葉状に皮膚を切開し、粉瘤を取り除き、縫い合わせるという方法が取られておりました。
その場合、例えば3cmの粉瘤を切除するのに、3cm以上(通常ですと6~9cm)の傷が出来るということになります。
この方法は粉瘤の取り残し少なく技術的に容易で誰でもでき再発率が低い反面、大きな傷が残ってしまうという弱点がありました。
粉瘤は、何らかの理由より皮膚に内向きの袋が形成される病気です。(ウイルスの感染が原因とする説が有力です)
初めは米粒大の小さな袋ですが、内部に脱落した角質、皮脂が貯留されて、徐々に大きくなっていきます。
貯留したものが何らかのきっかけで排出された時は、不快な臭いがすることがあります。そこに細菌の感染が合併すると炎症性粉瘤と呼ばれ、疼痛、熱感を引き起こします。
粉瘤はなるべく小さいうちに取っておいた方が良いですね。
2月の保険適応の手術実績を報告させていただきたいと思います。
三鷹 | 新座 | |
粉瘤 | 121件 | 58件 |
ほくろ(保険適応のみ) | 40件 | 17件 |
石灰化上皮腫 | 4件 | 0件 |
脂肪腫 | 6件 | 0件 |
日光角化症 | 0件 | 0件 |
陥入爪 | 4件 | 3件 |
ケロイド | 3件 | 4件 |
皮膚線維腫 | 3件 | 4件 |
毛巣洞 | 2件 | 0件 |
膿皮症 | 4件 | 4件 |
多発脂腺嚢腫 | 7件 | 7件 |
血管腫 | 3件 | 2件 |
基底細胞癌 | 0件 | 0件 |
ボーエン病 | 0件 | 0件 |
その他 | 23件 | 16件 |
合計 | 220件 | 124件 |
合計344件となりました。最近、他院での粉瘤の臍抜き法などで再発例などが増えております。手術は実績のあるところで受けた方が良いと思われますので、お困りの方は当院にご相談くださいませ。
三鷹院ご希望の場合は 0422-72-8650(平日の9時から18時半、土曜日9時から13時半)
新座院ご希望の場合は 048-483-8650平日の9時から18時半、土曜日9時から17時半)
頚部のそこそこ大きな粉瘤の患者様です.やや炎症を伴っています.
普通に手術すれば大きな傷になることが予想されますので、ダブルパンチ法にて治療を行いました。
2週間後の写真です.かなり小さな傷ですみました。赤みも次第に落ち着くでしょう。
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