先週末頃から急に暑くなってきた影響と思われますが、あせもの患者様が急増しています。
お子様はもとより大人の方も何人かあせもでご来院されました。
あせもになりやすい方の特徴ですが、元々、乾燥肌のある方、湿疹ができやすいデリケートな方に多いとされています。
なぜかと言いますと、そういった方は、皮膚にわずかですが炎症があり、表皮(皮膚の上層部)がやや浮腫んでいて、汗腺が詰まりやすくなっているからではないか、と考えられています。
やはり暑い季節でも適度に保湿し、皮膚のコンディションを整えておいた方が良いようです。
特に乾燥肌が高度な方を除いては、さっぱりした乳液やローションで十分と思われます。
お子様でも日焼け予防を行った方が良いと考えておりますが、では日焼け止めクリームを何回くらい付ければ良いか?というご質問も良くいただきます。
特に何回というのは決まっている訳ではないのですが、紫外線の強い場所にいる場合は2〜3時間に1回ほど付けるのが良いようです。意外と汗などですぐに取れてしまうためです。
さらに多くの方は1回あたりに使う日焼け止めクリームの量が少ないというデータがありますので、少したっぷり付けていただくようにお願いしたいと思います。
余談ではありますが、皮膚科で処方する外用薬も多くの患者様で使用量が少ない傾向にあります。ベタベタするのが苦手という方が多いためと思われますが、適正量を使った方が圧倒的に効きが良いですので、適正量の使用をお勧めしております。
何歳から日焼け止めクリームをつけた方が良いのか?というご質問もよくいただきますが、1歳以上のお子様であれば、アレルギーテスト済みのものであれば問題ないと思われます。最近は子供用の日焼け止めクリームなども販売されております。
ただ1歳未満のお子様はまだ肌がデリケートなので、日焼け止めクリームを付けるべきかどうかはなかなか微妙なところのようです。乳児のうちは真夏の日差しの強い時間帯は外出を避ける、帽子や衣類、ベビーカーなどで肌を保護するのが良いようです。
ただ紫外線を浴びることが、必ずしも悪いことだらけではなく環境省の紫外線環境保健マミュアルには
母乳栄養の赤ちゃんやアレルギーなどで食事制限をしている赤ちゃんは、 骨の成長に必要なビタミン D が不足しがちです。妊婦さんや授乳中のお母さん は、ビタミン D 不足にならないよう、普段から食事に十分気をつけるほか、冬場な どには一日 1 5 分程度、適度な日差しを浴びることも効果的と考えられます。
と記載されています。
ただ冬場の話なので、今のような季節には積極的に日光浴をさせる必要はない考えています。
お子様でも日焼け予防をした方が良いと前回の記事で書かせていただいたのですが、そのように書くと、「子どもは日焼けさせないと骨が丈夫にならないのではないか?」という疑問をもたれる方が多いかと思います。
確かにずっと日の入らない部屋の中で長期間過ごしていたり、潜水艦などで長期間働いていた方の中には、紫外線の不足により血中のビタミンDの値が低下し、結果、骨がもろくなってしまった方がおられるようです。
しかし、積極的な日焼けが必要かというとそんなことはなく、環境省の紫外線環境マニュアルにも
「両手の甲くらいの面積が 1 5 分間日光にあたる程度、 または日陰で 3 0 分間くらい過ごす程度で、食品から平均的に摂取されるビタミンDとあわせ て十分なビタミンDが供給されるものと思われます」
との記載があります。
ちょっとした買い物やお散歩だけでも十分そうですね。 通常の生活を送っていれば紫外線が不足することはないと考えていいようです。
紫外線が気になる季節になってきました。
子どもでも日焼けに注意するべきかどうか?日焼け止めクリームを使うべきかどうか?というご質問をいただくことが多いのでお答えしておきたいと思います。
皮膚科学的に申しますと、お子様こそ日焼けに注意した方が良いということになると思います。
紫外線の弱い地域で10歳まで過ごしその後、紫外線の強い地域に移住した方と、ずっと紫外線の強い地域で生まれ育った方を比較すると、後者の方のほうが皮膚がんの発生リスクが高かったという報告があるからです。つまり小児期に強い紫外線を受けた場合は生涯にわたり皮膚がんの発生リスクが高まる可能性があるということなのです。
これは海外の報告なので日本人に当てはまるかどうかははっきりしないのですが、紫外線による皮膚のダメージは、若いうちは目につかなくても実際は蓄積していく、ということは誰に取っても間違いないようです。そのため小児期から紫外線の予防を積極的に行うことは好ましいことであると考えております。
ゴールデンウィークがあけてから炎症性粉瘤の患者様が急増しているようで、毎日数人の患者様がご来院されています。
炎症性粉瘤というのは粉瘤に細菌が感染し、腫れて痛くなる疾患ですが、時に夜眠れないほどの痛みが現れることもあります。暖かくてジメジメした季節になり細菌が増えやすい環境になってきたためと思われます。
膿が多量に溜まっている場合は抗生物質を飲んでもなかなか良くならないことが多いですので、局所麻酔をかけ粉瘤を少し切って膿を取り除く手術を行います。膿を取り除くことで痛みは劇的に楽になりますし、感染の治りも早まります。
手術自体は数分で終わりますので、粉瘤が腫れて痛い方は我慢せずにご来院することをお勧めしたいと思います。
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