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酒さ(顔が火照る病気)のレーザー治療②

前回からの酒さの続きですが、酒さは何らかの理由により、顔や首の末梢血管の拡張が起こりやすくなっている、もしくは拡張したままになっていることが原因です。健常な方でも末梢血管は暑いときや何らかの炎症があるときに拡張しやすくなりますが、それが特に理由がないのに持続すると、赤ら顔の原因となってしまうという訳です。

治療としましては、抗生剤(ミノマイシンなど)内服、イソトレチノイン内服、メトロニダゾール内服が行われますが、日本では保険の関係上、抗生剤(ミノマイシンなど)の内服以外、実施することが困難なのが現状です。
そのため、酒さの患者様は、何年も漫然と抗生剤の内服が続けられ、そこから離脱できなくなっている方もおられるようです。そういった場合はレーザー治療を試みても良いと考えております。

YAGレーザーは、拡張した血管を破壊したり、引き締めたりする効果がありますので、酒さの治療には最適と考えられています。強力にYAGレーザーを当てても良いと思いますが、少しマイルドなYAGレーザーフェイシャルでも十分な効果が期待でき、大きな副作用もないですので、治療に最適ではないかと考えております。

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酒さ(顔が火照る病気)のレーザー治療

酒さという疾患については、以前から強い関心を持ち、何度かブログでも紹介させていただきました。酒さは、顔がほてったり、にきびのような赤い丘疹(ポチポチ)が顔や首に出来きたり、毛細血管拡張がみられる疾患です。
National Rosacea Societyから提唱されている酒さの診断基準は、主症状として以下の1症状以上の存在があげられています。
・一過性の顔面潮紅(顔面がぱっと赤くなること)
・持続性潮紅(ずっと長い間、顔が赤いこと)
・面皰を含まない丘疹と膿疱(面皰とは毛穴を皮脂が栓塞した状態のことでこれがあるとニキビが疑われます)
・毛細血管拡張
もちろん、顔がぱっと赤くなる病気は他にもたくさんありますし、ちょっとした毛細血管拡張は誰にでも起こることなので、上記の主症状を1つ以上満たしただけで、酒さと診断するのは無理があると考えています。副症状などもあわせて慎重に酒さを診断しないといけないと考えていますが、酒さの患者様の数は、以前考えられていた数よりも圧倒的に多いことが分かってきています。顔がずっと赤くてヒリヒリして、ステロイドを付けてもちっとも良くならない方は酒さの可能性が高いと思います。
欧米では罹患率は3〜10%程度程度とされておりますが、日本でも決してまれな疾患ではないと考えております。おそらく、医療者も酒さという疾患の認識が浅く、酒さの患者さまがご来院されても血圧を測定し、採血で肝機能などをチェックして異常がなければ「顔が赤くても病気ではないですよ」とか「顔が少し赤い方が健康的に見えていいですよ」といった対応がなされていたのではないかと推定されます。

酒さの治療は古典的にはミノマイシンなどの抗生剤の長期内服が行われておりますが、もし抗生剤を長く飲むのに抵抗がある方や、抗生剤で十分な効果が得られなかった方にはYAGレーザーフェイシャルをお勧めしたいと思います。少し長くなってしまいましたので、なぜYAGレーザーフェイシャルが効くのかは、次回述べさせていただきたいと思います。

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病院に行っても湿疹やアトピー性皮膚炎が治らない場合

病院に行っても湿疹やアトピー性皮膚炎が良くならない場合は、「薬があっていないかな」と考える方が多いのですが、以下の3つの問題点に注意すると意外に問題なく湿疹やアトピー性皮膚炎が治ってしまうことが多いです。

一つは、外用薬を付ける量が少なすぎるという問題です。人差し指の第一関節分の量を出して、手のひら2つ分の面積に薬をつけることが大切です(ティッシュが一枚張り付くような感じになります)。使う量が少なすぎる場合が多々あります。

もう一つは薬をつける期間が短すぎるという問題です。湿疹に薬をつけた場合、痒みがなくなれば薬をつけるのを辞めてしまう方が多いのですが、その場合、すぐに湿疹が再燃してしまいますので注意が必要です。痒みが治まり、触った感じがツルツル、すべすべになるまで外用薬の使用を続ける必要があります。

最後に、外用薬を皮膚に擦り込んでしまうという問題です。擦り込んだ方が良く効くような印象があるのでついそうしたくなるのですが、かえって摩擦により皮膚が痛んでしまい逆効果になりますので、優しく皮膚にのせるような感じで外用薬を付けていただきたいと思います。

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意外と難しい絆創膏の使い方

怪我をするとすぐに絆創膏を貼るという治療方法が思い浮かびかと思います。最近はハイドロコロイド素材の優れた絆創膏(キズパワーパッドなど)が出来てきており、治療の選択肢が広がっています。それ自体はとても良いことだと思いますが、使い方を失敗されて傷を悪化させる方もおられるので、意外と難しいのが絆創膏の使い方であると考えています。
まず、傷が汚れていたり、感染している場合(膿が出ていたり、黄褐色の壊死組織が付着していたり、周囲が赤く晴れ上がっていたり、悪臭がする場合)は絆創膏の使用をやめておいた方が良いと考えています。そういった場合に絆創膏を使用しますと、細菌を絆創膏の中に閉じ込めてしまうことで、細菌の繁殖を促し感染を悪化させてしまいますので注意が必要です。
また、すぐに絆創膏からつゆが漏れだしてきてしまう場合も、注意が必要です。その場合はこまめに絆創膏を取り替えるか、ガーゼなどのその他の治療に切り替えた方が無難です。つゆが漏れだしているということは絆創膏の吸水能を超えてしまっているということなので、傷がふやけてしまい、感染の原因となったり、傷の治りを悪くさせる原因となってしまいます。
また絆創膏をしていても多くの場合は定期的に(最低でも1〜3日に1回程度)はキズを石けんで洗う必要があります。
さらに、真皮より下の層にまで至る深い傷の場合はそもそも絆創膏の治療の適応外となります。
もちろんハイドロコロイド素材を含む絆創膏による治療は簡便で非常に良いものだと思うのですが、適応をきちんと選ぶのは意外と難しいように思います。迷う場合は、医療機関を受診された方が無難なように感じます。

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時々、手相が診断の役に立つことがあります。

時々、患者様の手相を拝見させていただき、診断の役に立てていることがあります。
そう聞くと、「なんだか怪しい医者だな」と思われるかもしれませんが、実際に役に立つ場合があります。
手のひらの、親指の付け根のあたりに、縦のシワが深く見える患者様がおられます。

その現象を、palmar hyperlinearityと呼びますが、フィラグリン異常を示す重要所見と言われています。
フィラグリンというのは天然保湿成分の一種で、そのフィラグリンに異常があると乾燥肌になりやすく、バリア機能が低下し、その結果、アトピー性皮膚炎や尋常性魚鱗癬になりやすくなると言われています。フィラグリンは特にアトピー性皮膚炎の病態理解において、皮膚のバリア機能異常が最重要であるという考え方に一石を投じた成分ですので、とても重要なものと考えています。
手相を拝見させていただき、palmar hyperlinearityのある患者様は乾燥肌になりやすいと判断し、保湿をしっかりしていただけますようご指導させていただいております。

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