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意外と難しい絆創膏の使い方

怪我をするとすぐに絆創膏を貼るという治療方法が思い浮かびかと思います。最近はハイドロコロイド素材の優れた絆創膏(キズパワーパッドなど)が出来てきており、治療の選択肢が広がっています。それ自体はとても良いことだと思いますが、使い方を失敗されて傷を悪化させる方もおられるので、意外と難しいのが絆創膏の使い方であると考えています。
まず、傷が汚れていたり、感染している場合(膿が出ていたり、黄褐色の壊死組織が付着していたり、周囲が赤く晴れ上がっていたり、悪臭がする場合)は絆創膏の使用をやめておいた方が良いと考えています。そういった場合に絆創膏を使用しますと、細菌を絆創膏の中に閉じ込めてしまうことで、細菌の繁殖を促し感染を悪化させてしまいますので注意が必要です。
また、すぐに絆創膏からつゆが漏れだしてきてしまう場合も、注意が必要です。その場合はこまめに絆創膏を取り替えるか、ガーゼなどのその他の治療に切り替えた方が無難です。つゆが漏れだしているということは絆創膏の吸水能を超えてしまっているということなので、傷がふやけてしまい、感染の原因となったり、傷の治りを悪くさせる原因となってしまいます。
また絆創膏をしていても多くの場合は定期的に(最低でも1〜3日に1回程度)はキズを石けんで洗う必要があります。
さらに、真皮より下の層にまで至る深い傷の場合はそもそも絆創膏の治療の適応外となります。
もちろんハイドロコロイド素材を含む絆創膏による治療は簡便で非常に良いものだと思うのですが、適応をきちんと選ぶのは意外と難しいように思います。迷う場合は、医療機関を受診された方が無難なように感じます。

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