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なかなか治らないニキビの新しい漢方療法

 ニキビの患者様の中には、標準治療ではなかなか治らない場合がありますが、その一つが大人になってから発症した女性のニキビです。25歳以上になって増悪し、脂性肌で、下顎を中心にニキビが出来、月経前に増悪するといった特徴があります。男性ホルモンを抑える抗アンドロゲン療法が著効しますが、日本では保険適応が通っていないため、少し治療に難渋することがあります。
 今回、ご紹介する十味敗毒湯は我々皮膚科医がよく処方する漢方薬ですが、製造会社によって成分が若干異なり、クラシエ十味敗毒湯は桜皮を含む点が大きな特徴です。桜皮は文字通り山桜の樹皮より抽出される成分ですが、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌を促し、結果的に男性ホルモンの作用を抑えるということを知り、当院でも取り入れることとしました。
 その結果、今まで標準治療で改善しなかった大人の女性の方でも高い効果が得られる場合が増えてきました。
 いずれのタイプのニキビの方も、まずは標準治療をしっかり行うべきと考えておりますが、もしそれで十分な効果が得られなかった場合で、最初に述べた特徴のある患者様では、クラシエ十味敗毒湯を試す価値があると考えております。

ニキビについてもっと知りたい方はこちらをご参照ください。

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陥入爪の治療

 陥入爪の患者様のご来院が増えています。
 陥入爪は、主に足の親指に起こり、巻き爪や深爪が原因で、爪と皮膚がぶつかり皮膚に炎症が起こる疾患です。いったん皮膚に炎症が起こると、皮膚が腫れ、さらに爪と皮膚がぶつかりやすくなります。すなわち、爪と皮膚がぶつかる→腫れがひどくなる→爪と皮膚がさらにぶつかりやすくなるという悪循環に陥り、痛みが数ヶ月も良くならいというということがしばしば起こります。炎症が長引けば、肉芽腫というできものができ、さらに治りが悪くなってしまいます。
 様々な治療法については、こちらに書かれていますが、本日はガター法について述べたいと思います。
 ガター法は爪と皮膚の間のチューブを差し込むだけの非常に簡単な治療で、手術時間は15分程度です。上記の悪循環を断ち切るには非常にいい治療で、何より術後すぐに痛みがなくなるのが良いところです。巻き爪に対する矯正効果はそれほど強くはありませんが、炎症が引けば、爪と皮膚がぶつからなくなり、完治してしまうことがほとんどです。
 当院でも、難治性の陥入爪で、それほど爪の変形が高度でない患者様にはガター法を第一選択肢としております。

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女性型脱毛症について

 女性型脱毛症という脱毛症があります。
 頭頂部を中心に広く薄毛がみられ、男性のように完全に毛髪が消失するわけではないのですが、一本一本の毛が細く短くなります。徐々に進行していきます。頭部全体が薄くなるわけではなく、後頭部の毛髪はしっかり保たれているのが、大きな特徴です。
 以前は、男性ホルモンが関与している脱毛症である男性型脱毛症(AGA)と本質的には同じものと、と考えられていましたが、近年ではAGAの特効薬であるプロペシアが無効なことなどから、別の病気であると考えられています。数年前までは女性の男性型脱毛、などと呼ばれておりました。
 現時点でも女性型脱毛の原因ははっきりしていません。
 患者様の数は増えてきているようです。
 女性型脱毛が疑われた場合、ホルモン検査を御希望される患者様が多いのですが、特定のホルモンの異常によって女性型脱毛が発症しているわけではないですので、基本的には診断にホルモン検査は必要ないと考えております。
 1~2%のミノキシジル外用薬などにて治療を行います。

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硬毛化現象について

 光脱毛やレーザー脱毛の後に、少し時間をおいてかえって毛が濃くなる現象のことを硬毛化現象と呼びます。特に珍しいことではなく、二の腕、背中、肩、うなじなどの毛を脱毛した場合は、かなり高頻度でこの現象が起こります。光脱毛を行った場合は、部位によって硬毛化現象は10~50%の確率で起こるの報告もあります。
 そもそも、光脱毛やレーザー脱毛は、毛穴にエネルギーを当て、毛根を破壊することでむだ毛を生えてこないようにする方法ですが、完全に破壊できない場合は、その機能を活性化し、かえって毛が濃くなってしまうようです。(組織をあえて損傷することで、新たに再生を促し活性化させるという意味ではケミカルピーリングや、フラクショナル炭酸ガスレーザーの理論に通じるものがあるかもしれません)
 当院でも、硬毛化しやすいとわかっている部位に関しては異なる波長のレーザーを二種類使い分けるといった工夫を行い、十分な対策を行っております。もし硬毛化してしまってもNd:YAGレーザーを高出力で照射するといった工夫をすることで脱毛することが可能なので、お困りの方はご相談いただきたいと存じます。

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週末の出来事

 昨日は、皮膚合同カンファレンスという勉強会に参加してきました。
 今回は尋常性疣贅(イボ)の治療についていろいろと議論が交わされていた。
 尋常性疣贅(イボ)はなかなか治らないことが多く、どこの病院、クリニックでも悩んでいることが多いようですが、当院では、液体窒素による冷凍凝固術を2ヶ月行い、それで効果が不十分なら、冷凍凝固療法に活性型ビタミンD製剤とスピール膏を組み合わせた閉鎖療法を行うようにしています。その方法を確立して以降、尋常性疣贅でほぼ満足のいく結果が得られています。
 カンファレンスのあとは、クリニックに戻って、月初恒例のレセプトの整理を行いました。レセプトの整理をしていて改めて今年の夏はとびひの患者様が非常に多かったなと感じました。(昨年は手足口病の患者様が非常に多かったです。)
 とびひの原因菌に対する抗生剤に対する感受性は地域によって特徴があるとされていますが、当院におけるとびひ起因菌の感受性のパターンは解析することができました。これからの診療に役立てたいと思います。
 そして本日は医学部時代の同級生15人と上野の居酒屋で同窓会がありました。同じ医療の分野で活躍する同級生や、他分野で活躍する同級生をみて私も大いに触発され、ますます診療に励んでいかなければいけないと感じました。

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