シミの治療方法がいろいろあり過ぎて困ってしまうというご意見をいただいたので、標準となる治療をご提示したいと思います。(もちろん治療方法には常に例外がありますし、コストを考えて別の治療を選択することも可能ですので、絶対にこうでないといけないというわけではありません)。
比較的濃い日光性黒子・・・Qスイッチアレックスレーザー(Qスイッチ以外はあまり効きません)
比較的薄い日光性黒子・・・ルミキシル、(かぶれなければ)ハイドロキノン、ケミカルピーリング、トレチノインなど
脂漏性角化症・・・炭酸ガスレーザー
太田母斑・・・Qスイッチアレックスレーザー(Qスイッチ以外はあまり効きません)
後天性真皮メラノサイトーシス・・・Qスイッチアレックスレーザー(Qスイッチ以外はあまり効きません)
肝斑・・・トラネキサム酸(トランサミン)内服、早く治したいときはルミキシル、ピーリング併用
炎症後色素沈着・・・経過観察(様子見)、早く治したいときはルミキシル、トレチノインなどの併用
雀卵斑・・・Qスイッチアレックスレーザー
こうしてみるとある程度治療は決まっていて、治療に幅があるのは比較的薄い日光性黒子くらいということになります。
ただし、多くの場合、1人の患者様にシミが1種類しかないとうことはあまりなく、上記のシミが複数合併している場合がほとんどですので、治療も少し幅が出てしまうことになります。
シミについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
単純ヘルペスとは、主に口唇ヘルペスの原因となるウイルスのことで、今までに罹ったことのある人は多いと思われます。口唇ヘルペスに伴って全身に多形紅斑と呼ばれる蕁麻疹様紅斑、あるいは小水疱、標的状紅斑(target lesion)が出現することがあります。
なぜ、口唇ヘルペスなどの単純ヘルペスに伴ってそのような病変が出現するのか?とよく聞かれますので、ある仮説を紹介しておきます。
単純ヘルペスにかかると、それを治すために、マクロファージと呼ばれる体内に侵入した外敵を食べる細胞が、単純ヘルペスウイルスを食べてばらばらにしてしまいます。そのバラバラになった単純ヘルペスのDNAの破片が、なぜか遠く離れた皮膚の表皮細胞に堆積します。
そして単純ヘルペスの感染によって活性化されたT細胞(免疫における司令塔)が、その表皮細胞を標的として攻撃を加えてしまう、という説です。
この説には、なぜばらばらになった単純ヘルペスのDNAが表皮細胞に堆積するのか?という疑問が生じます。表皮細胞に単純ヘルペスのDNA情報を伝え、ある程度、周囲に活性型T細胞を呼び寄せせることで、単純ヘルペスの拡大を確実に食い止める為でしょうか?そして活性型T細胞が、過剰に表皮を攻撃してしまったときのみ多形紅斑としての症状が出現するのでしょうか?
そのあたりははっきりとはわかりません。
そのほか、サイトメガロウイルス、マイコプラズマ、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスの感染に伴って多形紅斑が現れることがあります。
昨日は母校の皮膚科医局の同窓会でした。
まだ私が三鷹にうつったことを報告をできていない先生も多く、気持ちが引っかかっていたのですが、無事報告ができてほっとした。
偉大な先輩方に激励されて、ますます皮膚科学に打ち込み、そしてなにより診療を頑張っていかなければ、と感じました。今後とも何とぞよろしくお願いいたします。
茶のしずく石鹸に小麦由来成分が入っており、それを使用した方の中にアナフィラキシー反応などの重篤な症状に陥った方がおられました。
被害者の方の一刻も早い回復をお祈りしたいと思います。
なぜ、そのようなことが起こったのかを考察することは、大事なことなので述べさせていただきます。
そもそも小麦に対する食物アレルギーをお持ちの方の場合、茶のしずく石鹸を使えば、皮膚から小麦由来成分が侵入し、それに対してアレルギー反応を示し、最悪の場合、アナフィラキシー反応という強いアレルギー反応を引き起こします。
小麦由来成分が皮膚を通過するのか?と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。確かに健康な皮膚はある程度以上の分子量のものは通過しないようになっておりますが、湿疹あったり、小さな傷があったりすると、かなり大きな分子量のものも通過させてしまうことになります。
さて、今回はもともと小麦に対する食物アレルギーのない方の中にも、茶のしずく石鹸でアレルギー反応が出てしまったということが報道されています。
このことをどう考えればいいのでしょうか?それは皮膚から何度か小麦由来成分が侵入し続けると、いずれそれに対するアレルギー反応を起こすようになりうる、ということなのです。(医学的には経皮感作と呼びます。)そして経皮感作されている状況で、小麦を摂取すると強いアレルギー反応を起こすことがあります。
では、もともと小麦に対するアレルギーを持っていない大人が、小麦を食べ続けていると、小麦に対するアレルギーを持つようになることもあるのではないか?と思う方もいるかも知れません。しかしそういうことは、まずないです。なぜでしょうか?
それは腸管粘膜では、入ってきた無害な食物に対しては、それを無害なものと認識し、全身的な免疫反応を抑制する機能が備わっているためです。それを経口トレランスと呼びます。
つまり、皮膚と腸管粘膜では、何度も入ってきた食物に対する反応が全く異なり、皮膚ではそれを徐々に敵と認識するようになり、腸管粘膜ではそれを徐々に無害なものと認識するような機能が体が備わっているのです。
今回の茶のしずく石鹸の製作者はそのことを知らなかったのかもしれません。非常に残念です。
ルミキシル(Lumixyl)は新しいシミの外用治療薬です。
ルミキシルは合成オリゴペプチドを含む製剤で、現在、注目されている美白剤です。チロシンキナーゼを阻害することによりシミを薄くします。
シミをとる外用薬というと、ハイドロキノンがすぐに頭に浮かびます。もちろんハイドロキノンも悪い薬ではないのですが、時にその刺激性が問題になります。
つまりハイドロキノンは時に刺激により皮膚に炎症を引き起こし、その結果、炎症後色素沈着という別のシミを作ってしまうことがあります。またそのため、肌がデリケートな方や、かぶれやすい方には使うことができないという限界がありました。
肝斑でお悩みの方は多いと思いますが、肝斑もあまり刺激を与えないほうがいいので、私はハイドロキノンを肝斑の方にお渡しすることはほとんどありませんでした。
その点、ルミキシルは刺激がほとんどなく、肝斑の方も使いやすいと考えられます。シミに対する効果は同濃度のハイドロキノンより強いと報告されています。
以上より、
①今までハイドロキノンを使ってみたが合わなかった。
②肝斑を早く治したい。
③顔全体に淡いしみがたくさんあり、レーザー治療、ハイドロキノンの治療が困難といわれた。
といった方に最適と思われます。
なお、ルミキシルはペプチドでできていますが、アレルギー反応は起こさないのでご安心ください。
シミについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。


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