ルミキシル(Lumixyl)は新しいシミの外用治療薬です。
ルミキシルは合成オリゴペプチドを含む製剤で、現在、注目されている美白剤です。チロシンキナーゼを阻害することによりシミを薄くします。
シミをとる外用薬というと、ハイドロキノンがすぐに頭に浮かびます。もちろんハイドロキノンも悪い薬ではないのですが、時にその刺激性が問題になります。
つまりハイドロキノンは時に刺激により皮膚に炎症を引き起こし、その結果、炎症後色素沈着という別のシミを作ってしまうことがあります。またそのため、肌がデリケートな方や、かぶれやすい方には使うことができないという限界がありました。
肝斑でお悩みの方は多いと思いますが、肝斑もあまり刺激を与えないほうがいいので、私はハイドロキノンを肝斑の方にお渡しすることはほとんどありませんでした。
その点、ルミキシルは刺激がほとんどなく、肝斑の方も使いやすいと考えられます。シミに対する効果は同濃度のハイドロキノンより強いと報告されています。
以上より、
①今までハイドロキノンを使ってみたが合わなかった。
②肝斑を早く治したい。
③顔全体に淡いしみがたくさんあり、レーザー治療、ハイドロキノンの治療が困難といわれた。
といった方に最適と思われます。
なお、ルミキシルはペプチドでできていますが、アレルギー反応は起こさないのでご安心ください。
シミについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
肝斑にお悩みの方は非常に多いと思われます。
当院にもシミの治療を希望されて多くの方がいらっしゃいますが、肝斑を合併している率が非常に高くなっています。
ご存知の方も多いと思いますが、肝斑にはレーザー治療は禁忌であり、かえってシミが増悪してしまいますので、慎重に診断を付けなければいけません。
肝斑は女性ホルモンとの関係が指摘されていますが、そのほかに面白い説を提唱している先生がおられますのでご紹介したいと思います。葛西形成外科の葛西先生の「シミの治療」という本には、肝斑とは慢性的な摩擦、化粧品などによる刺激によるバリア破壊による炎症後色素沈着なのではないか?と提唱されております。
この説は非常に鋭い説で、我々皮膚科医にとって、深く考えさせられるものです。
葛西先生は、肝斑の治療中は、化粧品の使用をなるべく避け、皮膚を触る回数を減らすように指導されているそうです。
肝斑の治療においては、保湿剤の使用も中止を指示することもあるそうです。
その理由は、優れた保湿剤を使うと、皮膚がしっとりとし、皮膚のバリア機能が破壊されていることに気付かないからだそうです。それを気付かせるために時に保湿剤の使用もやめさせるそうです。それでなるべく擦らない、なるべく何もつけないように指導されるそうです。そうすると、多くの患者様は14日ほどで皮膚のバリア機能は再生し、乾燥を訴えなくなるそうです。
その上でトラネキサム酸(トランサミン)を内服することで非常に高い効果を得られると述べておられます。
やはり保湿が必要な患者様は一定の数いらっしゃいますので、それも禁止するのはなかなか勇気がいりますが、もし肝斑をお持ちの方で、顔にのみ乾燥が強くて、毎日化粧をしている方がおられましたら、なるべく化粧品の数を減らし、ごく優しく洗顔をし(けしてごしごし洗ってはいけません)、なるべ顔をこする回数を減らすように工夫することをお勧めしたいと思います。肝斑がなくとも、なんとなく顔がひりひりする、いっぱい化粧品を持っているが、どれも徐々に合わなくなってきた、一日でも保湿を忘れると、顔が突っ張って仕方ないなどの症状の方がおられましたら、化粧品の塗布の際の摩擦、化粧品自体の刺激、洗顔のし過ぎにより皮膚のバリア機能が低下しているのかもしれません。
誤解の無いように一つ補足しておきますが、保湿が絶対的に必要な方もいらっしゃいますので(フィラグリン異常の方など)、必ずしも全員保湿をやめる必要はありません。
皮膚をできるだけ擦らないように、触る回数をなるべく減らすように工夫することが大事ということです。
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まだ紫外線が比較的強い日が続いていますので、少し光老化について述べたいと思います。
紫外線による直接的、間接的影響のため、皮膚の細胞のDNA、もしくはコラーゲンが損傷することによって発症する経年的変化のことです。
しみや脂漏性角化症などが有名ですが、小じわ、大きなしわも光老化の結果であることが多いです。
普段、日光に当たらない鼠径部などの皮膚と、良く日光を浴びる顔面や手背の皮膚を比較していただければ、光老化の影響がイメージしやすいかと思います。(鼠径部などは常に湿度が保たれるところなので、保湿により皮膚が若々しく保たれているという理由もあります。)
日差しの強い時間帯に外出される場合は、日焼け止めクリームをお勧めしたいと思います。
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本日はシミについて少し述べたいと思います。
シミについて詳しく知りたい方はhttps://mitakahifu.com/liverspot/をご参照ください。
さて、30歳以降の女性では、肝斑と日光性黒子が同時に見られることがよくあります。
それぞれ別の部位にあれば、肝斑は内服治療やハイドロキノンの外用療法、日光性黒子はレーザー治療と分けて治療すれば問題ないのです。ただ、それらが、重なっている場合もしくは隣接する場合は注意が必要となります。不用意にレーザーを打ち込んでしまうと、肝斑が増悪し、もとよりシミが濃くなってしまうからです。
では、その場合、レーザー治療をあきらめなければいけないかというと決してそんなことはありません。まずは、肝斑に対してトラネキサム酸の内服やハイドロキノンの塗布を数か月行い、肝斑が落ち着いてきたところで、慎重にレーザー治療を行うと、肝斑の増悪がみられず、日光性黒子を除去することが可能です。
ただしあくまで慎重に行うのが条件で、まずはテスト照射を行ってからのほうがいいと考えています。
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本日は炎症後色素沈着について書きたいと思います。
炎症後色素沈着ついて詳しく知りたい方は
をご参照ください。
多くの方は、やけどや擦り傷、虫刺されの後に皮膚が褐色になる現象を体験したことがあると思います。それが炎症後色素沈着です。
当然、湿疹の後に炎症後色素が生じえます。
湿疹を放置し、重症化すればするほど、炎症後色素沈着は強く出る可能性が強まります。
そのため、湿疹はある程度症状が強くなればステロイドの外用薬で治療する必要があるのですが、ステロイド外用薬で炎症後色素沈着が生じると思ってらっしる方が多くおられます。
これは現在では誤りであることが分かっていますので、ご注意いただければと存じます。むしろステロイドは色素産生を抑制する方向に働きます。
湿疹が治った後に、炎症後色素沈着が目立つために、「ステロイドのせいで色素沈着になってしまった」と思ってしまうのも非常に理解できるのですが、擦り傷などでステロイドを使わなくても炎症後色素沈着をきたしてしまうことを考えれば、ステロイドが原因ではないことがイメージしやすいかと思います。
なにとぞよろしくお願いします。
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