本日は保湿について少し書きたいと思います。
多くの皮膚疾患で皮膚の乾燥は重要な発症因子、増悪因子ですので、保湿は極めて重要です。
皮膚の乾燥によって発症しうる疾患は、皮脂欠乏性湿疹、小児乾燥型湿疹、皮膚そう痒症の大部分です。
皮膚の乾燥によって増悪しうる疾患は、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、尋常性ざ瘡(ニキビ)、汗疹(あせも)、小じわ、手湿疹など多数あります。
ニキビは脂性肌の方がなりやすいのも事実ですが、それとは別に乾燥肌の方になることもあります。ニキビは皮脂分泌の過剰と毛穴の閉塞によっておこりますが、乾燥肌になると角質の配列が乱れ、結果的に毛穴が閉塞してしまうからだと考えております。医師によっては、乾燥肌になると皮脂を分泌しようと頑張りすぎてしまうからニキビができてしまうのだ、と主張する方もいますが、そもそも毛穴の閉塞がないとニキビはできないように私は考えております。
あせもも皮膚の乾燥によっておこることがあります。あせもは汗孔が閉塞することによって発症しますが、先ほどと同様に肌が乾燥し角質の配列が乱れると、汗孔が閉塞しやすくなるのです。あせもの方によく保湿剤を処方するのはそのためなのです。
あせもは汗をかきやすい個所にできやすいのではないか、乾燥しにくいところにできるのではないか、と思われる方がいらっしゃると思います。
確かに少し分かりにくいのですが、乾燥肌とは肌の水分保持能が低下した状態、ととらえると分かりやすいかと思います。つまり肌の水分保持能が低下していれば、汗をたくさん掻いてても、一時的に皮脂が多くあったも乾燥肌ということができます。(この考え方は非常に重要ですので、いずれまた解説したいと思います。)
これから秋が深まってくれば、皮膚が乾燥しやすくなります。保湿には十分気を配っていただければと存じます。
スペインの先生に教えていただいたページです。
http://www.dailymail.co.uk/femail/article-491680/The-latest-anti-ageing-treatment-arrive-Britain–carbon-dioxide.html
二酸化炭素を皮膚、もしくは皮下に打ち込む治療です。
二酸化炭素が局所の血流改善を促し、皮膚を若返らせるそうです。
妊娠線やセルライトにも効果があるそうです。
妊娠線やセルライトは今までこれといった治療法がなかったので、もし効果があるならいいかもしれません。
現時点では、もう少しデータが必要と思われます。
敏感肌について(俗説も含め)少し考察したいと思います。
まずは敏感肌について定義をしなければなりませんが、現時点では自己申告によるところが多く、完璧な定義は存在しないようです。
本項目では敏感肌を「何らかの理由により慢性的に皮膚のバリア機能が低下し外的な刺激に対する抵抗力が落ちた状態」と定義したいと思います。
女性を中心に敏感肌の方が増えているようですが、その増えている原因として俗説も含め
1.洗顔のし過ぎ
2.化粧品により皮膚を過保護にしすぎた結果
3.化粧品の成分が非常に多岐にわたるためどうしてもかぶれてしまう方がいる
4.そもそも化粧品が角質のバリア機能を低下させる
5.食生活の変化
6.ストレスの増大
7.環境汚染の結果
8.大気が乾燥しているため
などがあげられているようですが、非常に複雑で一概にどれが原因とは言えないようです。(上記で挙げた原因は、一般的に言われているもので、私の意見ではありません)。
1.洗顔のし過ぎ
洗顔のし過ぎにより敏感肌になっている方は実際におられます。一日に何度も石鹸やクレンジング剤で洗顔していると皮脂膜まで洗い流してしまい、結果、皮膚のバリア機能を低下させることも起こりえると考えています。
2.化粧品により皮膚を過保護にしすぎた結果
確かに、常に日焼け止めクリームをつけている方が急に比較的強い紫外線を浴びれば皮膚炎をおこしうると思います。また常に保湿クリームをつけている方が急にやめると乾燥してひりひりしてしまうこともあるでしょう。ただ、それを過保護にしすぎた結果である(つまり化粧品が悪者である)と言えるのかは微妙なところだと思います。
3.化粧品の成分が非常に多岐にわたるためどうしてもかぶれてしまう方がいる
これは事実と思われます。どんな成分でもかぶれてしまう方がおられます。かぶれの治療薬にかぶれる方もおられるくらいです。ただ、かぶれてしまえば、その化粧品もしくは薬剤をやめるのが普通なので、慢性的なバリア機能の低下を招くかどうかは疑問を感じます。
4.そもそも化粧品が角質のバリア機能を低下させる
化粧品中に含まれる界面活性剤が皮膚のバリア機能を低下させるとする説があります。昔の化粧品では有り得たでしょうが、現代の化粧品ではどうでしょうか?現代の化粧品は肌に刺激の極めて少ない界面活性剤が使われています。もしこの説が正しいとすると化粧品は使わないほうがいいということになり、少し極端な説に感じます。
5.食生活の変化
食物アレルギーを起こしやすい食品を多く摂取するようになったから、ということでしょうか?
食物アレルギーが皮膚のバリア機能の低下を招くことはありますが、主に乳幼児期の場合ですので大人の場合はどうでしょうか?少し疑問に感じます。
6.ストレスの増大
ストレスの増大で敏感肌になることはありうると思います。ストレスに伴い体内でグルココルチコステロイドの分泌が増し、皮膚の抵抗力が落ちてしまう可能性があります。またストレスに伴い皮膚を擦る、掻くといった行動が増してしまう方も多くおられますが、擦る、掻くという行為は皮膚のバリア機能を低下させてしまいます。
7.大気汚染の結果
具体的にどの物質が原因なのか分からなければ説得力に欠けます。確かに、アレルギーの原因となるスギ花粉などの飛沫量は以前よりも増えています。
他にもアレルギーの原因となる大気中の物質が増えているのかもしれません。
8.大気が乾燥しているため
ありうると思います。都会の大気は江戸時代と比較して乾燥してることがわかっています。乾燥肌は敏感肌に直結しますので、この説は説得力があるように感じます。
以上少し雑多ですが、敏感肌について考察してみました。
慢性的な心理的ストレスは多くの皮膚疾患の発症、増悪に関与しております。
本日はそれについて総論的なまとめをしたいと思います。(各論はいずれ書きたいと思います。)
代表的なものだけでも、蕁麻疹、(大人の)にきび、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、尋常性白斑、尋常性乾癬などが挙げられます。
慢性的な心理的ストレスにより皮膚疾患が発症もしくは増悪するメカニズムは
1.免疫に影響を与える。(ヘルパーT細胞のTh1/Th2バランスを崩してしまうなど)
2.ホルモンに影響を与える。(グルココルチコステロイドの分泌量を増やしてしまうなど)
3.行動に影響を与える。(掻破行動を助長してしまうなど)
の3つが挙げられます。
疾患によって、そのいずれか、もしくは複数が影響を与えています。
例えばアトピー性皮膚炎だと1と3、にきびだと2と3の影響が強いと考えています。
1と2の詳しいメカニズムを調べる非常に面白いのですが、少し専門的になってしまうので、今日は3について補足したいと思います。
ストレス、不安がたまると、無意識のうちに肌を掻いてしまう人は意外の多いのです。ストレスがたまるとかゆみが誘発されますから、そのために掻いてしまう場合もあるのですが、かゆみがなくても、掻いてしまう方もおられます。ストレス、不安があると爪を噛んでしまう子どもがいますが、それと似ているのかもしれません。仕事中にストレスがたまると、ニキビが気になって、ニキビを引っ掻いてしまい、結果的にニキビを増悪させてしまう方もいらっしゃいます。お子さんの場合は、両親の関心を得るために掻破行動をすることもあります。
肌は掻くと、バリア機能が破壊され、湿疹の原因になります。また毛穴が傷つけられ、吹き出物の原因になります。
もしそのような状況に気が付いたら、「掻いてはいけない」と自身に禁止するだけでは良くなりません。かえって気になってしまい、掻いてしまうでしょう。もしくは掻かないことが新たなストレスとなってしまうのです。
もしそのようの状況に気付いた場合は、まずはご自身がストレス下にある状況をしっかり認め、何がストレスの原因なのかよく見極めることが重要です。そしてそのストレス状況を改善するために、何かを変える、行動することが良いとされています。
三鷹はなふさ皮膚科にはナローバンドUVBの照射機器が置いてあります。
UBVとは紫外線の一種で、ナローバンドUBV治療というのは、治療効果のある波長の紫外線を選択的に照射する治療のことです。
選択的に治療効果のある紫外線を照射することで、副作用が軽減され、かつ高い治療効果が得られます。詳しくは当院ホームページの光線治療の項目をご覧ください。
https://mitakahifu.com/ray/
尋常性乾癬は難治性の皮膚疾患で、長く付き合っていかなければならない疾患です。そのため、安定した効果が得られ、副作用が少ない治療を選択していかなければなりません。

乾癬の治療は、旭医科大学の飯塚先生のピラミット計画が有名で広く受け入れられています。
この治療アルゴリズムはビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬から治療が始まり、それで効果不十分なら、上の治療に進んでいくということを意味しております。
もしビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬による効果が不十分な場合、光線治療(近年であればナローバンドUVB)に進むのが一般的に受け入れられている考え方です。
上図からは、シクロスポリンの内服に進んでもいいことになっていますが、薬が高価で、腎機能障害などの副作用に注意しなければならないため、特別な事情がない限り、光線治療に進むのが良いと思われます。


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