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乾燥肌の対処の仕方

 秋が深まるにつれ乾燥肌による皮膚のトラブルが増えてきます。乾燥肌によるかゆみ、湿疹などでお悩みの方は多いと思われます。なかなか皮膚科に受診できないという方のために、少し対処方法を述べたいと思います。
 ただし、湿疹がある程度重症化している場合や小さなお子様は、ご家庭での対処は困難ですので、すぐに皮膚科を受診されたほうがいいと思います。
 まず保湿が大事ですので、保湿剤を薬局で買いに行きます。なるべく皮膚科によるアレルギーテスト済みのものを選択していただきたいと思います。香料や着色料は不要なのでなるべく入っていないものを選びましょう。防腐剤は一概に不要とは言えないのですが、かぶれやすい方は避けたほうが無難でしょう。乳液タイプのものよりクリームタイプのものを選んだほうがいいと思います。
 入浴後と、起床時に乾燥しやすい部分につけてください。全身になっても構いません。
 手が乾燥しやすい方は、何度も付け直していただいて結構です。
 入浴時の注意点ですが、シャワーだけで済ませずに、少し額に汗がにじむくらい湯船で温まったほうがいいと思います。汗腺、皮脂腺を鍛えておいたほうが乾燥肌になりにくいからです。そして体を洗うときは、手に石鹸をつけて優しく体を洗ってください。ナイロンのタオルなどで体をごしごし擦って洗うのは良くありません。
 衣類ですが、肌に直に触れるものは、ナイロンやウールなどの刺激になるものは避けて、コットンのものを選んでください。
 そして最後に、部屋は加湿器をたいて乾燥させすぎないようにしてほしいと思います。(少なくとも湿度は40%以上必要と思います。)
 以上を行っていただければ、軽度の乾燥肌や、乾燥性の湿疹はかなり良くなると思います。

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気温の変化にご注意ください。

 朝晩はめっきり涼しくなってきました。
 気温の変化はこんなに急激に起こるものだったかと改めて感じます。
 日が落ちるのが早くなるのにつれて物悲しく感じてしまいます。
 秋は物悲しく感じるもの、という文化的な条件付けによるものなのでしょうか?
 それとも何かしら生理的な要因と関係があるのでしょうか?
 日光を浴びると脳内にセロトニンという物質が分泌され気分が安定するそうです。セロトニンが不足すると、気分が憂鬱になるそうで、秋に物悲しく感じるのはそのせいかもしれません。
 逆に秋の楽しみといえば、紅葉や食事、ファッションといったところでしょうか?
 当院ではたくさんの最新のファッション誌をおいていますので、もし待ち時間があれば読んでいただければと思います。(そのほか、グルメの雑誌、絵本、歴史の本なども置いております。)

   

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意外に多いアナフィラクトイド紫斑

 アナフィラクトイド紫斑という病気を聞いたことはありますでしょうか?下肢を中心に小さな(米粒大から小豆大)の紫斑が出現する病気です。岡山大学のHPに写真があったので、興味のある方はご覧になってください。
http://kc.hospital.okayama-u.ac.jp/~oka-med10/restrict/derm/anaphylactoid_purpura.html
 たくさん紫斑が出現すればすぐにアナフィラクトイド紫斑と気が付きますが、紫斑の数が10個程度なら、慣れるまでは分かりにくいと思います。
 下肢を中心に少し盛り上がった紫斑があり、かゆみがなく、周囲の紅斑が少ないのが特徴と思われますが、慣れてくると数が少なくても認識することができてきます。
 珍しい病気のように思われていますが、軽傷の方も含めると意外に多い病気のようです。
 三鷹はなふさ皮膚科でもアナフィラクトイド紫斑と新たに診断される患者様が月に1人程度はいらっしゃいます。
 この病気の怖いところは、紫斑が良くなった後でも腎障害が起こることがある点です。
そのため、アナフィラクトイド紫斑を疑えば、皮膚生検を行い、確実に診断をつける必要があります。アナフィラクトイド紫斑が落ち着いても、しばらくは尿検査を行い腎障害が起こらないか注意する必要があります。

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虫歯と皮膚疾患との関係

 虫歯と皮膚疾患が関係があるというと、「まさか」という風に思われるかもしれません。
 しかし虫歯は慢性感染巣と考えられ、そのほか扁桃炎や副鼻腔炎などとともに、いくつかの皮膚疾患、発症している可能性が指摘されています。
 具体的には
・掌蹠膿疱症
・膿疱性乾癬
・慢性膿皮症
などです。(細菌感染がないのに皮膚が膿みやすい病気といえるかもしれません。)
 慢性膿皮症はニキビのような炎症が、臀部、腋窩などに長期間続く病気で、潜在的には頻度が高いと考えています。
 なぜ、慢性感染巣があると、これらの皮膚疾患になるかといいますと、慢性感染巣には、リンパ球がたくさん集まり活性化され、TNF-αやIL-6,INF-γといったサイトカイン(伝達物質)が産生されるからだと言われています。それらのサイトカインの増産にともなって、いくつかの免疫学的な反応を経て、角質下に好中球の浸潤が起こります。(つまり皮膚が膿んでしまいます。)
 話はずれますが、これらのサイトカインが増えすぎると、動脈硬化になりやすくなるといわれていますので、注意が必要です。
 例えば「ニキビのようのものが体にできやすいな」と感じており、虫歯を長く放置している方がおられれば、虫歯治療を検討してみてください。(禁煙するのも一つの方法です。理由はいずれブログで解説いたします。)

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皮膚疾患の調べ方

 今日は、ある皮膚疾患の調べ方について少し述べたいと思います。
 皮膚科クリニックに行って、例えば尋常性疣贅(=いぼ)という病気と診断されたとします。
 現代ではインターネットで調べる方が多いと思われるので、その場合の調べ方を述べたいと思います。
 まずは当院のホームページの診療内容
https://mitakahifu.com/consultation/
を見て頂き、「いぼ」の項目を探します。「Ctrl」+「F」で探すと楽かもしれません。
 さらに詳しい情報を知りたければ、北海道大学の清水教授が皮膚科の教科書をアップされているので、そのページを見ます。
http://www.derm-hokudai.jp/textbook/index.html
 このページを見て頂き、右の目次から尋常性疣贅を調べます。
 尋常性疣贅が「ウイルス感染症」の一つとご存知ならすぐに調べられますが、そうでなければ探すのが少し大変かもしれません。
 その場合は、googleで、「尋常性疣贅 wikipedia」と調べると、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%9C
が検索結果のトップに来ますので、そこを読みウイルス性疾患ということを確認します。
 そしてまた新しい皮膚科学のページに戻り
http://www.derm-hokudai.jp/textbook/index.html
 の「23章 ウイルス感染症」の項目をクリックします。
 そうすれば尋常性疣贅の項目がありますので、そこを読めばある程度のことがわかります。
 wikipediaだけでも十分でないかと思われる方がおられるかもしれませんが、    wikipediaはだれが書いているかはっきりわからないので、責任の所在がはっきりしません。もし間違ったことを書いてあって、患者様に不利益が生じたとしても、自己責任ということになるのかもしれません。その点、やや信頼性に劣るのではないかと考えています。
 ちなみにwikipediaの尋常性疣贅の項目はおそらく皮膚科の先生が書かれたものと思われ、かなり標準的な内容ですが、最後の一行
「また、多くのイボはサリチル酸を患部に塗る事によって、痛みを伴わずに治せる場合もある。」は蛇足ではないでしょうか?
 「多くのイボは~治せる場合もある。」は日本語としてあいまい過ぎますし(頻度が高いのか低いのかわらない)、サリチル酸を塗布すれば簡単に治ってしまうという印象を患者様に与えてしまいます。
 実際はサリチル酸は治療の補助にはなりますが、治療の中心となることは通常ありません。
 その他の内容は概ね標準的だと思います。

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