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トレチノイン・ハイドロキノン療法の補足

 トレチノイン・ハイドロキノン療法はシミをとる方法のひとつで、特に新しい方法ではないのですが、テレビ取り上げられ、特に人気が高まっていますので、その方法を詳しく述べたいと思います。
 トレチノインやハイドロキノンについて基本的なことを知りたい方は、当院のホームページや以前のブログをご参照いただければ思います。
 さてトレチノイン・ハイドロキノン療法ですが、日光性黒子、雀卵斑、炎症後色素沈着、肝斑の治療に使われます。その方法ですが、クリニックによって少しずつ異なるので、困惑してらっしゃる患者様が多いかと存じますが、本家の東京大、吉村先生の方法をご紹介しておきます。
①洗顔後、刺激のない化粧水をつけます。
②高濃度ビタミンCローション(当院の場合、50ml、2500円)を顔全体につけます。
③トレチノインを綿棒を使って、薄く、シミの部分のみにつけます。1~2分乾かします。
④ハイドロキノンをシミよりも少し広くつけます。
⑤日焼け止めをクリーム、もしくは下地を付けます。
以上を基本的には、朝夕2~6週行います。トレチノインによる刺激作用(カサカサして、皮膚をはがす、ピーリングのような作用)が治療の肝ですので、その刺激作用がなくなれば、いったんトレチノインは中止し、1~2か月したら、またトレチノインを開始します。
 以上が、基本的なトレチノイン・ハイドロキノン療法ですが、トレチノインに対する患者様の反応が強すぎる場合、トレチノインを1日1回にしたり、といった工夫が必要になります。
 
シミについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

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かゆみ治療のUP TO DATE2012の報告

 昨日、「かゆみ治療のUP TO DATE2012」という勉強会に参加してきました。
 京都府立医科大学の加藤教授の講演会が参考になりました。
 アトピー性皮膚炎の治療は痒みがよくなったからと言って、ステロイドやタクロリムス軟膏の使用を止めてはいけない、肌がつるつるになるまで続けなくてはいけないと、当院でもよくご説明させていただいていますが、その根拠を述べられておりました。
 まずアトピーの湿疹部というのは、皮膚に過剰に免疫反応が起こり、主にリンパ球が集まってきて炎症が起こっている状態ですが、ステロイド外用薬を付けると、リンパ球が冬眠状態になります。その時点で痒みがなくなるため患者様はステロイド外用薬をやめてしまうことが多いのですが、それではまた何かの契機にすぐにリンパ球が目覚めてしまい、湿疹が再燃してしまいます。そのため「ステロイドは効かない」という実感を持ってしまわれる方も多いと思われます。そこからステロイドをさらに一週間くらい続けると、リンパ球がアポトーシス(自滅)し、湿疹が再燃しにくくなりいます。そこまでステロイドの外用を続けなければならないというわけです。
 もちろんステロイドの外用を長期間続ければ皮膚が薄くなったり一時的に皮膚免疫が低下するといった副作用がありますが、保湿剤を併用し、湿疹が治った後も1ヶ月程度保湿剤にてスキンケアを続ければ、皮膚は回復します。

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開業一年がたちました。

 2011年7月1日より継承開業しましたので、本日で開業後1年が経ったことになります
 1年間本当にありがとうございました。
 この1年、慣れないことも多く、患者様にご不便をおかけしたことをお詫びしたいと思います。可能な限り改善を行ってきたつもりですが、まだまだ至らない点は多いかもしれません。これからも改善を続けていきたいと存じます。
 これからも社会的なニーズに応え、何より患者様の心にお応えできるようにスタッフともども全力で頑張っていきたいと思います。
 明日よりさらにスタッフが一名増え診療体制が充実して行く予定です。今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。

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尋常性白斑診療ガイドライン

尋常性白斑は皮膚の色が白く抜けてくる皮膚疾患で、難治性皮膚疾患の一つとされています。(故マイケルジャクソン氏も尋常性白斑では?と議論されていました)。
原因、病因については以前のブログをご参照いただきたいと思います。
今回、日本皮膚科学会雑誌に尋常性白斑の治療ガイドラインが掲載されていますので、紹介しておきたいと思います。
同ガイドラインの治療アルゴリズムで特徴的な点は、16歳以上の患者様では最初から紫外線治療と外用療法(ステロイドやビタミンD3製剤)を組み合わせるように推奨されている点です。これは非常に納得のいくアルゴリズムで、尋常性白斑は外用療法だけやってもなかなかよくならず、なかなかよくならないために外用療法も徐々にいい加減になっていくといくという悪循環に陥ることが多いからです。
やはり同疾患は紫外線療法と外用療法を組み合わせることで高い効果が見込めます。紫外線療法と外用療法を組み合わせた場合、全然よくならないということはあまりなく、完全に治らないとしてもある程度の治療効果は見込めるという実感を持っております。
では紫外線療法ではどれがいいかと申しますと、ガイドラインでは成人の尋常性白斑の患者に対する治療としてNb-UVBはPUVAよりも治療効果に優れ、保険適応もあり、紫外線治療の中で第一選択としてよいと、ナローバンドUVBによる紫外線治療を勧めています。
当院は開業医では珍しくナローバンドUVBを有していますので、尋常性白斑の患者様にお役にたてることも多いのではないかと考えております。

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グリコール酸ケミカルピーリングの効果

当院でグリコール酸(GA)によるケミカルピーリングを受けられる方が非常に増えておりますが、その作用機序をごく簡単にまとめておきたいと思います。
しわに対する作用・・・
GAが(直接的に、もしくは間接的に)線維芽細胞を刺激しコラーゲン産生を促進します。
シミに対する作用・・・
GAがチロシンキナーゼ活性を抑制し、その結果メラニンの産生を抑制します。
ニキビに対する作用・・・
角栓を溶かすことで毛穴のつまりを解除し、ニキビを治します。また近年アクネ菌(ニキビ菌)に対する静菌作用も報告されています。
GAによるケミカルピーリング自体は古くからある非常に簡単な治療ですが、ただ単に角質や表皮をはがして新陳代謝を促している、というわけではなく、背後に複雑な作用機序があります。

シミについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

ニキビについてもっと知りたい方はこちらをご参照ください。

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