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かゆみ治療のUP TO DATE2012の報告

 昨日、「かゆみ治療のUP TO DATE2012」という勉強会に参加してきました。
 京都府立医科大学の加藤教授の講演会が参考になりました。
 アトピー性皮膚炎の治療は痒みがよくなったからと言って、ステロイドやタクロリムス軟膏の使用を止めてはいけない、肌がつるつるになるまで続けなくてはいけないと、当院でもよくご説明させていただいていますが、その根拠を述べられておりました。
 まずアトピーの湿疹部というのは、皮膚に過剰に免疫反応が起こり、主にリンパ球が集まってきて炎症が起こっている状態ですが、ステロイド外用薬を付けると、リンパ球が冬眠状態になります。その時点で痒みがなくなるため患者様はステロイド外用薬をやめてしまうことが多いのですが、それではまた何かの契機にすぐにリンパ球が目覚めてしまい、湿疹が再燃してしまいます。そのため「ステロイドは効かない」という実感を持ってしまわれる方も多いと思われます。そこからステロイドをさらに一週間くらい続けると、リンパ球がアポトーシス(自滅)し、湿疹が再燃しにくくなりいます。そこまでステロイドの外用を続けなければならないというわけです。
 もちろんステロイドの外用を長期間続ければ皮膚が薄くなったり一時的に皮膚免疫が低下するといった副作用がありますが、保湿剤を併用し、湿疹が治った後も1ヶ月程度保湿剤にてスキンケアを続ければ、皮膚は回復します。

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