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2011年の大雑把なレビュー

 本日は図書館にて2011年の皮膚科関連、アレルギー関連の雑誌を一通り見てきました。
 アトピー性皮膚炎に関しては
 完全食物アレルゲンと思われていたものも実は経皮的に感作されているのではないか?
というテーマが印象的でした。完全食物アレルゲンというのは、食べることによって消化管で感作され、再度食べることにより、アレルギー反応を起こすもののことで、卵、牛乳、小麦などが代表です。ピーナッツもそうだと思われていたのですが、実は経皮感作によってアレルギーを引き起こしている可能が高いということが分かりました。それはかなりインパクトのあることなのですが、卵も経皮感作されうるのではないか、という話まで乗っていました。
 つまりアトピー性皮膚炎はアレルギーからではなく、角質のなんらかの脆弱性から発症しているということで、数年前から言われていることですが、2011年も大きな話題になっていました。アトピーにおける角質の脆弱性と、アレルギーは互いに卵と鶏の関係で、どちらからスタートしているのかはわからなかったのですが、角質の脆弱性からスタートしている可能性が高まってきたのです。これは我々皮膚科医にとってとても励みになる見解で、乳児期から徹底的にスキンケアを行えば、アトピー性皮膚炎になっていたであろう方のアトピー性皮膚炎を発症させずに済む、もしくはより軽症で抑えることが可能になるということが示唆させるわけです。
 そのほかTh17や好塩基球が発症に大きな役割を果たしているかもしれない、という話題も印象的でした。血中TARC値という病勢の測定方法も一般化してきているようです。遺伝子解析も進んできているようです。やはり遺伝子解析がアトピー性皮膚炎という非常に複雑な疾患の病態理解のカギになるのでしょうか?
 尋常性乾癬に関しては、やはり生物学的製剤の話題が中心です。生物学的製剤の有効性は私もよく分かっていますが、やはりその費用と、検査の煩雑さはやはりネックになると思います。費用が安く、(副作用がほとんどないため)検査があまり必要ない生物学的製剤が出てきたとき、もしくは尋常性乾癬をコントロールするのではなく、完治させてしまう生物学的製剤が出てきたときはすごいインパクトになると思います。
 尋常性ざ瘡に関しては病態の理解がさらに進んだ印象があります。治療方針に関しては特に目新しいものはありません。
 
 明日より診療を開始します。正月気分もすっかり抜け、明日より診療を再開するという緊張感を感じています。全力で頑張りますので、なにとぞよろしくお願いします。

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謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご高配を賜り誠にありがとうございました。
本年は、一部予約制の導入など新たな試みも行う予定です。
ただ、手間やコストを惜しまずに、患者様にとって現時点で考えうるベストの治療を提供するという根本的な考えは変わりありません。
一般的な皮膚疾患はもちろんのこと難治性皮膚疾患の克服を目標とし、スタッフ一同全力を尽くす所存ですので、本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。
花房 火月

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