しわ取り注射は、美容皮膚科における最重要の治療の一つで、世界中で年間何百万人もの方が治療を受けています。
しわ取り注射は通常、表情筋の働きを麻痺させる、もしくは働きを弱めることでシワを改善させるのですが、どうしてそれが必要になるのか、ということは知っておいた方がいいかもしれません。
通常、顔の筋力も体の筋肉同様、加齢とともに衰えていく傾向があるのですが、そう考えると、しわ取り注射でさらに筋肉を弱めることはすごく不条理に感じるかもしれません。
それは、ある意味で正しい考えかもしれません。
顔というのはもともと、皮膚のテンションと表情筋の収縮が綱引きをしている状態で、若い時にはその均衡が保たれており、表情を作っても過度にシワが入ることがありません。
加齢とともに、皮膚のテンションも、表情筋の働きも低下していくのですが、皮膚のテンションの方がはるかに早く低下していくのです。
そのため、表情を作った時に、シワが過剰に出現する、ということになります。ですので、皮膚のテンションの低下に合わせて、表情筋の働きも弱めることで自然な表情を得ることができるということになります。
表情筋のうち、特に口の周りの筋肉は低下が少ないと言われています。そのため口周りのシワは目立つことが多く、老けた印象をもたらすのですが、自分では気がつかないことが多いです。
ここで注意しないとけないのは表情筋は上に引っ張る筋肉と下に引っ張る筋肉があるということです。加齢とともに顔は垂れてきますので、上に引っ張る筋肉を過剰にブロックするのはまずい、ということになります。
その意味で、前頭筋(額の横シワを作り筋肉)は上に引っ張る筋肉の代表なので、過剰にブロックするは良くない、とも言えます。
皮膚のテンションとのバランスを見ながら、自然な表情を作っていく、というのがしわ取り注射の真髄といえるでしょう。
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