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かぶれ療法について

 本日はかぶれ療法について少し述べたいと思います。
 かぶれ療法とは人工的にかぶれを起こすことにより、疾患の治癒を促す方法です。「皮膚科医はかぶれを治すのが仕事ではないか?」と訝しがられることがあるのですが、うまく使えば、かなり優れた治療効果が得られます。
  かぶれ療法を行うのは
尋常性疣贅(いぼ)
円形脱毛症
の二つです。
 いぼのかぶれ療法については以前、SADBE療法の項で述べたのですが、要約すると、かぶれを起こすことで、免疫細胞をいぼの周囲にたくさん寄ってこさせ、いぼウイルスを駆除させる、ということになります。
 では円形脱毛症にはどのように作用するのでしょうか?
 円形脱毛症は、自身の免疫細胞が、毛根を攻撃することにより発症すると考えられていますが、そこにかぶれを起こすことで、さらにたくさん免疫細胞が寄ってきます。
 免疫反応が起これば、その免疫細胞の中に、制御性T細胞(Treg)もたくさん含まれており、いずれ免疫反応を鎮静化させてくれます。その際に、毛根を攻撃していた免疫細胞も同時に鎮静化させているのではないか?と考えられています。
 ちなみにCinical dermatology fifth editionという米国の教科書には、かぶれ療法は、難治性の円形脱毛症に対しては、最も有効な治療法と記載されております。日本では保険適応でないのが残念なのですが、当院では保険適応の治療でどうしても反応しない患者様においては、かぶれ療法を行うことができます。(かぶれ物質は無料で提供させていただきます)。

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