しわ取り注射は、シワ治療や咬筋(エラ)の治療、脇汗の治療に使われていますが、米国だとすでにその他の皮膚科疾患にも応用されています。
現在、私が注目しているのが、しわ取り注射によるケロイド治療です。
現在、ケロイド治療というと、ステロイドの局注(病変に直接注射すること)が治療の中心ですが、しわ取り注射による注射が高い効果を得られることがわかり、大きな注目を集めています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25810045
論文を要約すると、しわ取り注射とステロイドを比べても、ケロイドのボリュームの減少は同等(かやや上)で、かゆみ、痛み、敏感さなどの不快な感覚の改善に関しては、しわ取り注射が勝っています。
ただし、病変は柔らかくする効果は、ステロイドの方が優っています。
さらに、副作用に関しては、しわ取り注射の方が圧倒的に少なく、ステロイドだと避けられない皮膚萎縮や血管拡張がしわ取り注射にはありません。
さらに注目する点は、ステロイドの注射が4週に1回、合計6回治療しているのに対し、しわ取り注射は8週に1回、合計3回の治療で比較している、という点です。すなわちしわ取り注射の方が通院頻度が半分で済むということになります。
すなわちしわ取り注射は、効果に関してはステロイドと同等か、それ以上、副作用は少なく、治療頻度はステロイドの半分、ということになります。
問題は、費用だけでしょう。ステロイド注射は保険適応ですが、しわ取り注射は自費治療になります。当院でも近々、ケロイドに対するしわ取り注射治療を始めようと思います。
ご期待くださいませ。
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