はなふさ皮膚科の保険手術適応実績をお知らせいたします。
12月の手術実績は2796件でした。
三鷹 | 新座 | 国分寺 | 久我山 | 志木 | 大宮 | 朝霞台 | 池袋 | |
粉瘤 | 136 | 81 | 78 | 85 | 85 | 93 | 70 | 71 |
ホクロ | 187 | 45 | 82 | 63 | 129 | 114 | 78 | 60 |
イボ | 149 | 135 | 52 | 79 | 113 | 15 | 47 | 8 |
陥入爪 | 9 | 6 | 5 | 4 | 7 | 0 | 2 | 0 |
皮膚腫瘍 | 8 | 0 | 40 | 0 | 0 | 8 | 2 | 4 |
石灰化上皮膚 | 1 | 2 | 3 | 0 | 1 | 3 | 1 | 0 |
神経線維腫 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 |
脂腺増殖症 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
化膿性汗腺炎 | 4 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 1 |
軟性線維腫 | 8 | 7 | 5 | 0 | 5 | 6 | 0 | 0 |
日光角化症 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
光線角化症 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
汗管腫 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
肥厚性瘢痕 | 22 | 30 | 7 | 2 | 11 | 28 | 11 | 16 |
肉芽腫 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
脂肪種 | 12 | 2 | 3 | 3 | 5 | 6 | 1 | 1 |
皮膚線維腫 | 3 | 1 | 7 | 0 | 2 | 4 | 4 | 2 |
血管腫 | 6 | 4 | 3 | 0 | 6 | 4 | 5 | 3 |
毛巣洞 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
多発性脂腺嚢腫 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
黄色腫 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 5 | 2 | 2 |
基底細胞癌 | 1 | 2 | 1 | 1 | 2 | 2 | 1 | 1 |
コンジローマ | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 |
膿皮症 | 2 | 3 | 1 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 |
脂漏性角化症 | 20 | 25 | 25 | 1 | 19 | 21 | 33 | 4 |
ケロイド | 33 | 13 | 24 | 32 | 17 | 7 | 1 | 26 |
エクリン汗孔腫 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
眼瞼下垂症 | 7 | 3 | 2 | 2 | 1 | 3 | 0 | 4 |
腋臭症 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
明けましておめでとうございます。
2021年は大変お世話になりありがとうござました。
2022年は新座院、久我山院、志木院、朝霞台院、大宮院、池袋院は本日1月6日より、三鷹院、国分寺院は1月7日より通常診療を開始いたします。
昨年は多くの患者様にご来院にいただき本当にありがとうございました。
本年も安全面を最優先しながら、患者様の期待に応えられる医療を提供していきたいと思います。
精一杯、患者様に尽くさせていただきます。
2022年も「はなふさ皮膚科」をよろしくお願い申し上げます。
花房 火月
アゼライン酸は古くからニキビや酒さに使われている成分です。近年、ロート製薬より20%のアゼライン酸クリームが販売され、日本でも知られるようになってきました。
今回の記事ではアゼライン酸クリームのニキビに対する効果について解説したいと思います。
海外ではアゼライン酸はニキビ、酒さの治療薬として古くから使われております。
・コメドをできにくくする作用(ピーリング作用と毛包の角化を抑える作用)
・抗菌作用
・抗炎症作用
があります。
そのほかマイルドなメラニン抑制作用があり、美白剤として使用されることがあります。
Haibo Liu ら,Topical azelaic acid, salicylic acid, nicotinamide, sulphur, zinc and fruit acid (alpha-hydroxy acid) for acne
によると
アゼライン酸は過酸化ベンゾイルより効果が乏しく、クリンダマイシンゲルと同等と述べられています。
そのほか、アゼライン酸はアダパレンよりも効果は劣るというのが一般的な考え方です。
Hazel H. Oonらによるシンガポールのニキビガイドラインによると(Acne Management Guidelines by the Dermatological Society of Singapore
J Clin Aesthet Dermatol. 2019 Jul; 12(7): 34–50.)
軽度から重症ニキビまでアゼライン酸クリームが推奨されており、決して効果が悪いわけではありません。
効果はマイルドなため、ニキビに対して単剤で使用する場合は、比較的軽度〜中程度のニキビに限られます。
そのほかの治療と組み合わせるなら軽度から重症ニキビに使用することができます。
美白効果もあるためニキビが改善した後の色素沈着に使うのもいいでしょう。
ただ日本では保険適応がなく、保険適応で処方可能な過酸化ベンゾイル、アダパレンより効果が劣ると考えられるため、第一選択肢として使用するメリットはありません。
アゼライン酸クリームを使用するメリットとしては
①肌への刺激が少ない
②妊娠中も比較的安全に使える
の2点が挙げられます。
①肌への刺激が少ない
アゼライン酸は副作用として一時的な肌の刺激感(カサカサ、赤み、ヒリヒリ感、皮剥け)が挙げられますが、肌への刺激がそのほかのニキビ治療薬(アダパレン、トレチノイン、過酸化ベンゾイル)と比べると少ないです。
②妊娠中の比較的安全に使える
妊娠中も比較的安全に使うことができる(完全に安全という意味ではない)というメリットがあります。ベンゾジアゼピン、ディフェリンが妊娠中は基本的には使用できないのに対し、アゼライン酸クリームは完全に安全と言えずとも、危険である証拠がないというランクに位置し、一般的には使用しても良い考えています。
総括しますと、そのほかのニキビ治療薬でかぶれてしまったという方はアゼライン酸クリームを使用してもいいでしょう。また妊娠中の方でニキビが気になる方にもオススメのクリームと言えるでしょう。
ニキビの患者様によく「食生活はどう改善させたらいいですか」と言った質問をいただきます。
チョコレートをたくさん食べるとニキビができやすくなる、とかケーキをたくさん食べるとニキビができやすくなるとか色々な説があるのですが、ここでは一旦、AAD(米国皮膚科学会のガイドラインを見ていきたいと思います。
https://www.aad.org/member/clinical-quality/guidelines/acne
食事に関しては以下のようにまとめられています。
①No specific dietary changes are recommended in the management of acne
②Emerging data suggests that high glycemic index (GI) diets may be associated with acne
③Limited evidence suggests that some dairy, particularly skim milk, may influence acne
訳すと
①ニキビの治療において特別な食事の変化は推奨されていない。
②最近のデータだと、グライセミック・インデックス(食後、高血糖を誘導する強さを示す指数)が高い食べ物はニキビに関係するかもしれないことが示唆される。
③限られたエビデンスしかないが、乳製品、特にスキムミルクはニキビに影響を与えるかもしれない。
ということになります。
特に気になるのが②です。
有名なMayo clinicのHPでは
低GIの食べ物:緑の野菜、多くのフルーツ、生の人参、インゲン豆、ひよこ豆、レンティル、茶色いシリアル
中GIの食べ物:トウモロコシ、バナナ、生のパイナップル、レーズン、オートミール、雑穀、オーツ麦、ライ麦
高GIの食べ物:白米、白いパン、ジャガイモ
などが挙げられています。
日本人としてとても気になるのは白米で、果たして白米がニキビを悪化させうるのかどうか、大いに議論の分かれるところだと思います。
少なくとも日本の皮膚科医で、白米を避けましょう、と患者様に指導する先生は多くないでしょうし、現実的にも不可能ではないかと思います。もし可能なら玄米を取り入れてみましょうか、という程度の提案にとどまると思います。
もう少しデータの蓄積を待ちたいと思います。
保険承認のおりているニキビの外用薬には抗菌薬を除くと4種類あります。
①アダパレン(商品名 ディフェリン)、②過酸化ベンゾイル(商品名 ベピオ)がニキビ外用薬の2大成分です。
そしてその組み合わせ薬
③過酸化ベンゾイルとクリンマイシン(商品名 ダラシン)の合剤(商品名 デュアック)
④アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤(商品名 エピデュオ)
があります。
▫️効果
効果に関してはエピデュオの添付文書によると日本においては
12週の使用で皮疹減少率は
①アダパレンゲル 68.6%
②過酸化ベンゾイル2.5%ゲル 81.6%
③過酸化ベンゾイルとクリンマイシン 72.2%
④エピデュオ 82.7%
と最も効果が高いのがエピデュですが、過酸化ベンゾイルとの差はあまりありません。
③のデータのみ別論文のため、参考値となります。
海外のデータですと
①アダパレン 44%
②過酸化ベンゾイル2.5%ゲル 44.9%
④アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤 54.8%
と④が最も高い効果が見られています。
▫️副作用に関して
副作用に関しては、エビデンスレベルのたか比較試験が見当たらないため経験則にはなりますが、
副作用の多い順に
④アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤>>>③アダパレン>>③過酸化ベンゾイル+クリンマイシン≧②過酸化ベンゾイル程度
副作用は皮膚刺激感が最も多く添付文書では約8%(当院の経験ではもっと多いです)、その他、かぶれ・湿疹となります。
販売元のマルホのデータでは、使用直後(1−90日)のデータでは刺激感/灼熱感(ヒリヒリ感)は④エピデュオが81.5%、①アダパレン61.4%、②過酸化ベンゾイル29.8%となっております。
ただしこれらの刺激感は使っていると改善していく傾向にあります。
▫️使用方法
①ー④1日1回患部に塗布するという使用方法ですが、顔は全てOK、体のニキビへの投与が認められているは②のみです。
①ー④いずれも12歳以上の成人が対象になります。
②、③は妊婦への投与は慎重に、①、④は禁忌です。
①ー④いずれも授乳中の使用は控えた方がいいでしょう。
▫️保存方法
③のみ冷蔵庫保存となります。
▫️まとめ
上記まとめますと最も効果が高くて、副作用も多いのが④のエピデュオ
効果と副作用のバランスが良く日本人にあうのが②のベピオと言えるでしょう。
ただそれほど単純ではなく、色々なニキビの症状、体質に合わせて使い分ける必要があります。
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