コロナの蔓延以降、マスク生活が長引き、ニキビ・ニキビ跡の患者様が急増しています。
当院では以前からそれらの治療に専門的に取り組み、業界をリードしてきたという自負があります。
・ニキビ治療は保険診療だけで良い?
保険診療だけで良くなる場合はそれでいいと思います。
以前は保険診療のみで8割ほどの方が良くなっておられたのですが、マスク生活が長引くにつれ保険診療だけでは改善しない人が目立つようになってきました。マスクがニキビの原因となっている場合、従来の保険治療では十分でないのでしょう。
その場合、むやみに保険治療にこだわれば、ニキビが長引き、結果的にニキビ跡を残すという結果になりかねません。
あくまで目安ですが保険診療を2〜3ヶ月行い改善がない場合は、自費治療に進むことをお勧めしています。
・当院のニキビ治療のこだわり
当院では保険診療のみならず、自由診療にも力を入れています。
マスクに伴い保険診療で改善しないニキビの方が増え、ニキビの再発を繰り返す方も増えています。
また一時的にニキビが良くなってもすぐに再発してしまったのでは意味がありません。
長期的に良い結果が出るように、ニキビ肌そのものの改善を目指します。
保険治療に加え、イソトレチノイン、レーザー治療、フォト治療(IPL)、ピーリング、エレクトロポレーションを駆使した治療でニキビを抜本的に治療し、再発しにくい肌を目指します。
当院は皮膚科、形成外科専門の医院を9院を運営し、2020年11月ー2021年10月にかけて32,007件のニキビ治療を行いました。
・当院のニキビ跡治療のこだわり
ニキビ跡の中で最も難しいものはクレーターの治療です。クレーター治療は我々、日本人にはとても難しく、欧米の治療法をそのまま行えばかえってひどい傷跡が残るリスクが高まる場合があります。そのため、リスクは低いが効果も低いダーマペンやフラクショナルレーザーばかりが漫然と行われ、ほとんど改善されていない場合が多いです。
我々は、ダーマペンやフラクショナルレーザーなどでは改善しないニキビ跡に対して
サブシジョンと炭酸ガスレーザー治療を組み合わせた花房式ニキビ跡治療を生み出すなど、結果にこだわった治療をおこなっています。
2020年11月ー2021年10月にかけて6802名のニキビ跡治療を行いました。
当院では自由診療もエビデンスに基づき、皮膚科専門医13名、形成外科専門医15名が中心となって患者様に適切な治療を提供いたします。
ニキビ・ニキビ跡でお困りの方はぜひ当院にご相談ください。
アゼライン酸は古くからニキビや酒さに使われている成分です。近年、ロート製薬より20%のアゼライン酸クリームが販売され、日本でも知られるようになってきました。
今回の記事ではアゼライン酸クリームのニキビに対する効果について解説したいと思います。
海外ではアゼライン酸はニキビ、酒さの治療薬として古くから使われております。
・コメドをできにくくする作用(ピーリング作用と毛包の角化を抑える作用)
・抗菌作用
・抗炎症作用
があります。
そのほかマイルドなメラニン抑制作用があり、美白剤として使用されることがあります。
Haibo Liu ら,Topical azelaic acid, salicylic acid, nicotinamide, sulphur, zinc and fruit acid (alpha-hydroxy acid) for acne
によると
アゼライン酸は過酸化ベンゾイルより効果が乏しく、クリンダマイシンゲルと同等と述べられています。
そのほか、アゼライン酸はアダパレンよりも効果は劣るというのが一般的な考え方です。
Hazel H. Oonらによるシンガポールのニキビガイドラインによると(Acne Management Guidelines by the Dermatological Society of Singapore
J Clin Aesthet Dermatol. 2019 Jul; 12(7): 34–50.)
軽度から重症ニキビまでアゼライン酸クリームが推奨されており、決して効果が悪いわけではありません。
効果はマイルドなため、ニキビに対して単剤で使用する場合は、比較的軽度〜中程度のニキビに限られます。
そのほかの治療と組み合わせるなら軽度から重症ニキビに使用することができます。
美白効果もあるためニキビが改善した後の色素沈着に使うのもいいでしょう。
ただ日本では保険適応がなく、保険適応で処方可能な過酸化ベンゾイル、アダパレンより効果が劣ると考えられるため、第一選択肢として使用するメリットはありません。
アゼライン酸クリームを使用するメリットとしては
①肌への刺激が少ない
②妊娠中も比較的安全に使える
の2点が挙げられます。
①肌への刺激が少ない
アゼライン酸は副作用として一時的な肌の刺激感(カサカサ、赤み、ヒリヒリ感、皮剥け)が挙げられますが、肌への刺激がそのほかのニキビ治療薬(アダパレン、トレチノイン、過酸化ベンゾイル)と比べると少ないです。
②妊娠中の比較的安全に使える
妊娠中も比較的安全に使うことができる(完全に安全という意味ではない)というメリットがあります。ベンゾジアゼピン、ディフェリンが妊娠中は基本的には使用できないのに対し、アゼライン酸クリームは完全に安全と言えずとも、危険である証拠がないというランクに位置し、一般的には使用しても良い考えています。
総括しますと、そのほかのニキビ治療薬でかぶれてしまったという方はアゼライン酸クリームを使用してもいいでしょう。また妊娠中の方でニキビが気になる方にもオススメのクリームと言えるでしょう。
ニキビの患者様によく「食生活はどう改善させたらいいですか」と言った質問をいただきます。
チョコレートをたくさん食べるとニキビができやすくなる、とかケーキをたくさん食べるとニキビができやすくなるとか色々な説があるのですが、ここでは一旦、AAD(米国皮膚科学会のガイドラインを見ていきたいと思います。
https://www.aad.org/member/clinical-quality/guidelines/acne
食事に関しては以下のようにまとめられています。
①No specific dietary changes are recommended in the management of acne
②Emerging data suggests that high glycemic index (GI) diets may be associated with acne
③Limited evidence suggests that some dairy, particularly skim milk, may influence acne
訳すと
①ニキビの治療において特別な食事の変化は推奨されていない。
②最近のデータだと、グライセミック・インデックス(食後、高血糖を誘導する強さを示す指数)が高い食べ物はニキビに関係するかもしれないことが示唆される。
③限られたエビデンスしかないが、乳製品、特にスキムミルクはニキビに影響を与えるかもしれない。
ということになります。
特に気になるのが②です。
有名なMayo clinicのHPでは
低GIの食べ物:緑の野菜、多くのフルーツ、生の人参、インゲン豆、ひよこ豆、レンティル、茶色いシリアル
中GIの食べ物:トウモロコシ、バナナ、生のパイナップル、レーズン、オートミール、雑穀、オーツ麦、ライ麦
高GIの食べ物:白米、白いパン、ジャガイモ
などが挙げられています。
日本人としてとても気になるのは白米で、果たして白米がニキビを悪化させうるのかどうか、大いに議論の分かれるところだと思います。
少なくとも日本の皮膚科医で、白米を避けましょう、と患者様に指導する先生は多くないでしょうし、現実的にも不可能ではないかと思います。もし可能なら玄米を取り入れてみましょうか、という程度の提案にとどまると思います。
もう少しデータの蓄積を待ちたいと思います。
保険承認のおりているニキビの外用薬には抗菌薬を除くと4種類あります。
①アダパレン(商品名 ディフェリン)、②過酸化ベンゾイル(商品名 ベピオ)がニキビ外用薬の2大成分です。
そしてその組み合わせ薬
③過酸化ベンゾイルとクリンマイシン(商品名 ダラシン)の合剤(商品名 デュアック)
④アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤(商品名 エピデュオ)
があります。
▫️効果
効果に関してはエピデュオの添付文書によると日本においては
12週の使用で皮疹減少率は
①アダパレンゲル 68.6%
②過酸化ベンゾイル2.5%ゲル 81.6%
③過酸化ベンゾイルとクリンマイシン 72.2%
④エピデュオ 82.7%
と最も効果が高いのがエピデュですが、過酸化ベンゾイルとの差はあまりありません。
③のデータのみ別論文のため、参考値となります。
海外のデータですと
①アダパレン 44%
②過酸化ベンゾイル2.5%ゲル 44.9%
④アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤 54.8%
と④が最も高い効果が見られています。
▫️副作用に関して
副作用に関しては、エビデンスレベルのたか比較試験が見当たらないため経験則にはなりますが、
副作用の多い順に
④アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤>>>③アダパレン>>③過酸化ベンゾイル+クリンマイシン≧②過酸化ベンゾイル程度
副作用は皮膚刺激感が最も多く添付文書では約8%(当院の経験ではもっと多いです)、その他、かぶれ・湿疹となります。
販売元のマルホのデータでは、使用直後(1−90日)のデータでは刺激感/灼熱感(ヒリヒリ感)は④エピデュオが81.5%、①アダパレン61.4%、②過酸化ベンゾイル29.8%となっております。
ただしこれらの刺激感は使っていると改善していく傾向にあります。
▫️使用方法
①ー④1日1回患部に塗布するという使用方法ですが、顔は全てOK、体のニキビへの投与が認められているは②のみです。
①ー④いずれも12歳以上の成人が対象になります。
②、③は妊婦への投与は慎重に、①、④は禁忌です。
①ー④いずれも授乳中の使用は控えた方がいいでしょう。
▫️保存方法
③のみ冷蔵庫保存となります。
▫️まとめ
上記まとめますと最も効果が高くて、副作用も多いのが④のエピデュオ
効果と副作用のバランスが良く日本人にあうのが②のベピオと言えるでしょう。
ただそれほど単純ではなく、色々なニキビの症状、体質に合わせて使い分ける必要があります。
2019年の新型コロナウイルス(CPOVID-19)の流行以来、マスクをつけることで顔のかゆみ、赤み、ニキビ、脂漏性皮膚炎、酒さなどが増えることが世界中で報告されていますが、特にニキビが深刻で、マスク(MASK)とニキビ(Acne)を組み合わせてマスクネ(Maskne)という造語も作られているくらいです。
①摩擦
②皮膚表面の湿度の変化
③皮膚表面の温度の変化
④皮膚表面の細菌叢の変化
が組み合わさってニキビの発症、増悪が見られています。
①摩擦
摩擦により皮膚の炎症が起こると毛穴が閉塞しやすくなり、結果的にニキビができやすくなります。
②皮膚表面の湿度が変化し、ニキビ菌が繁殖しやすい環境となった結果、ニキビが増えます。また湿度の変化により皮膚のバリア機能の低下が起こります。
③皮膚表面の温度変化に伴い、皮脂、汗の分泌の増加、ニキビ菌の増殖、が見られます。
④ ②、③と関係し、皮膚表面の細菌叢のバランスが変化し、ニキビができやすくなります。
これまでニキビになったことがなかった方でも発症が見られる場合も多く、また従来通りの保険治療で改善しない場合が多いのも特徴です。なぜならニキビが発症したからといって、マスクを中止する訳にはいかず、ニキビの原因となっている刺激を排除できないからです。
これがマスクネの難しいところです。
治療が長引く結果、ニキビ跡になる場合もございます。
□ニキビの保険治療
●外用薬
・抗菌薬
クリンダマイシン(ダラシン)、ナジフロキサシン(アクアチム)
・そのほかのニキビ薬
アダパレン(ディフェリン)、過酸化ベンゾイル(べピオ)、アダパレン・過酸化ベンゾイル合剤(エピデュオ)
●内服薬
・抗菌薬
ミノサイクリン(ミノマイシン)、ドキシサイクリン塩酸塩水和物(ビブラマイシン)、ロキシスロマイシン(ルリッド)
・そのほかのニキビ治療補助役
漢方薬、ビタミン剤など
保険治療を1ヶ月から1ヶ月半行なっても改善のない場合は、自費治療に進んでいくことをお勧めしています。
□ニキビの自費治療(下記、新規タブで該当ページへジャンプします)
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